2017年8月8日火曜日

二番手の辛さ


「日本の麦 拡大する市場の徹底分析」:吉田行郷氏、 農林水産省農林水産政策研究所を読んでいる。本の冒頭にも書かれている様に、何時もお米の陰になっている麦だ。私の認識は海外産に押され、存在感も薄いというものだ。しかし、やや見直しをした方が良さそうだ。本は1)国内産業の需要の変化、2)変貌する主産地生産、3)サプライチェーン形成状況、4)国内産業の消費動向、5)フードシステムの変容と課題。まず小麦は国内生産量90t弱、輸入は600万t。大麦は国内生産量20万t前後、輸入は200万t。そして、小麦はパン用が25%、次につぐのが10%台の日本麺、即席麺、中華麺。意外に検討しているのが菓子の12%。一方、国内産の小麦は約40%が日本麺と特化されている。更に国内産地に視点を移すと、北海道が50万tと断トツだが、それでも海外産とのブレンド率は50%を超える。但し、最近ではたんぱく質含有量が高過ぎる外国産に対し、含有量の低い均質な国内産小麦を適切にブレンドする方法や、しっとり感や適度な弾力がある食感を出す効果を図っているようだ。片や、大麦は二条大麦がビール、六条大麦が麦茶、はだか麦が味噌、醤油等だ。大麦の使用量の多くは皆さんの好きなビールだが、その9割は外国産だ。これらの店頭での販売は外国産の価格が上昇すると、国内産小麦と表示する傾向にあるようだ。消費者としては要注意だ。3章の流通方法では小麦と大麦の違いがあり、一次加工(製粉)→二次加工(食品メーカー)に対して、味噌や醤油は直接加工するようだ。この様に、食品の多様化と外国産の小麦価格上昇により、少しづつ変化が見える業界だが、課題はまだ残っている。まず小麦に関しては、中間に卸業界や製粉会社が有る為に、生産者と消費者もしくは加工メーカーの情報が閉ざされ、品種改良や統一化の動きが鈍い事、一方、国内産大麦に関しては、味噌もしくは焼酎メーカー等との直接購買で改良の道は確かではあるが、未だ、生産量拡大への取り組みが不足している事が挙げられている。その為に、2014年から導入された入札制度の適用や製粉、精粉企業のコーデイネーションの更なる努力が必要なようだ。世の中、全て一番が評価され、注目を浴びるケースが多いが、意外に二番手、三番手が重要な事も多い。身近で意外に知らない麦にも温かい視線を与えることが重要だろうと思った次第。



0 件のコメント:

コメントを投稿