2017年8月12日土曜日

地方再生はあるのか?


地方にいる身から、地方再生はその過疎ぶりから中々手強いと感じるのだが、一方で身の丈を超えなければ、それなりの生活が出来るソフトヤンキーの存在も地方には健在で、その辺りを考える日々だ。丁度、手に入ったのが、「これからの地域再生 (犀の教室)」:飯田泰之氏だ。但し、対象は私が住む僻地ではなく、もう少し大きな、中心地10万人、近郊20万人の中都市だ。これに対し、私も異論はない。ある程度のボリュームが無いと、社会は自立できない。その辺はこの本でも説明がある。章は1)地域再生を巡る基礎理論、2)センチュアス・シテイから見る地方都市の魅力、3)開発のあとに拡がる消費空間の二極化、4)地域再生における建物利活用の工夫、5)都市にとってのナイトタイムエコノミー、6)地域経済を支える企業人たち、7)地方都市住民に貢献する地域農業モデルに分かれる。まずはその中都市を選ぶ根拠となる理論は、収穫逓増と逓減のバランス論・適切な人口・人口増減のメリット&デメリット・地域間再分割の方法・クリエイテイビリテイの地産地消・重層的なネットワーク・多彩な人集めなどだ。続く2章では米国のオーステインが事例として挙げられ、シンシュアス・シテイ(官能都市)化へのアプローチが紹介される。指標としては、関係性(共同体帰属、匿名性、ロマンス、機会)、身体性(食文化、街、自然、歩く)だそうだ。この評価で日本の主要都市をランキングすると、何と1位は文京区(流石T大が在る)、2位大阪北区(道頓堀)、3位は武蔵野市。やや住み易さとはやや異なる評価にはあるようだ。氏はその具体例で、金沢市、盛岡市、松山市、長野市を挙げる。何となく、分かる気がする。3章では、消費空間として、製造業の衰退(空洞化)と反比例して、増大するショッピングセンターを事例に挙げる。この傾向は欧米諸国も同じであり、逆に古い商店街が飲食街や地下風俗街に変貌したりする事例を紹介している。4章では経済活動を終えた建物の再利用の視点だ。空間用途の検討・新たな担い手&価値観の変容・実施体制の検討が重要と説く。実例ではさっぽろ大通りコワーキングスペース(ドリノキ)、まま勝川、習志野未来プロジェクトなど。

5章では現代人の生活様式の変化(昼型→夜型)に伴い、アフターファイブ・観光資源としての夜の世界・ドン・キホーテの展開が挙げられる。海外ではロンドンのナイトタイム政策が紹介されている。具体的には地下鉄の終業時刻の延などだ。日本は東京が一部採用しつつあるが、風俗法が邪魔をして必ずしも活性化の道へと公然とは進めない事情もあるようだ。この様に地域活性化は色々な面での検討が必要だ。単に政治家が地域創生なんて謳っても、前には進まないのだ。この他、「ヤンキーの虎」「地元産野菜」「生産・流通・加工」「農業と畜産」等。キーワードが続く。是非参考にしたら良いかと思う。



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