2017年8月17日木曜日

IOAなる視点


IOTやAIの話題には事欠かない。新聞や雑誌で常に目にするものだ。その多くはその顕著な進歩に期待感と不安感の両サイドに触れるものが多いのだが、

今回は期待感の多い方にやや言及し、経済新聞の関連記事を紹介してゆきたい。

一つは昨今のAIの進歩な生物が進化したカンブリア紀に似通っていて、その要因は視力の獲得だとのカラム。AIと両立する昨今のデイープラーニングなる情報処理方法がそれに当たるとカラムは語る。確かに、AIは膨大なデータを必要とし、それに昨今の人間の能力を超えるセンサー類が更に加わり、天下無敵の解析結果を我々に突き付けてくる。だから、囲碁や将棋ではもうAIには太刀打ち出来なくなっている。だが、時代はこれを実産業へと繋げる段階になりつつあり、今こそ、モノつくりが得意な日本の活躍の時とコラムは述べる。

(但し、ドイツや中国の台頭が激しく、日本は既に遅れているとのマイナスの指摘も加わっているが)もう一つはこのAIを脅威として見るのではなく、協力者あるいはサポーターとして捉えるとの考えだ。それが冒頭のIOA、詰まりインターネット・オブ・アビリテイだ。ぶっちゃけて言えば、今までの電卓の拡張版をAI機器が肩代わりするという意味だ。電卓は万人が使えるが、数学の得意な人が使えば、その計算速度はかなり早くなるはずだ。よって、コラムが紹介するのは、アドバンスド医師、アドバンスド弁護士など、専門知識に記憶や過去の事例探索等のサポートを受けた高度知識と持つ職業群の新たな生成でもある。さすれば、膨大な過去の判例を勉強する必要性も、且つそれを出題して受験合否を決める司法試験も形が変わり得るかもしれない。その意味ではこれから、どうアドバンス出来るのかを既得権で守られている方々は考える必要が出て来たとも言えるのだろう。要はここでも競争原理は働き、AIを他人事と考えるか、否かで今後の将来も変わるという事だろう。




2017年8月16日水曜日

人生100年の計を考える


日本人の寿命が大台の百歳に限りなく近くなった現在、従来の人生模様とは違う設計が必要とされている。更には、それに男女の寿命の差異(女性が十歳ほど長生き)と婚姻率の低下によるおひとり様増加(これも女性比率が向上)が複雑な影響を与えている。これだけ考えると、男性側は死ぬまで女性にケアして貰えると安易に捉えるかもしれないが、世の中そう甘くない。経済新聞のダイバシテイ関連のコラムには、「卒婚」とか「死後離婚」とか耳慣れない言葉が出没する。前者は脱妻路線であり、後者は脱義親族路線である。詰まることろ、夫とは親族も含めて、二度と関わりたくないという自立宣言でもあるのだ。おひとり様など怖くない、むしろ積極的に独立し、我が道を行きたいという強い女性の決意とも見えてくる。何となく、理解出来る。男尊女卑の父母を見ていると、もう時代遅れなのは明白だし、かと言って、やはり働き手(社会から収入が得られるという意味での)が男性に依存する現状では、男を立てて生き抜くのが現実的な女性の人生処方術だと思うのだ。但し、それも男性側がしっかりと働ける間であり、年金生活に入った場合の存在力はかなり低減することを改めて感じ取る必要があるのだ。老齢労働力の確保を述べた経済新聞の別コラムから、それに適応できない人材例を引用すると、「勘違い型」「評論家型」「会社依存型」「割り切り型」だそうだ。要は、過去の実績や職位に胡坐を掻いて、現状の自分の能力を過剰評価している点に問題があるのだ。前述した「卒婚」や「死後離婚」も結局は日頃からの奥さんとの会話が欠け、且つ、家事・育児等への長きに渡る協力不足が仇となっているのだろう。夫婦と言えども、それは人間関係だ。そして、非常に重要で且つ、難解な関係でもある。それを重々理解しておくことが男性陣には必要な時代である事を肝に銘じた次第だ。



2017年8月15日火曜日

時を語る和菓子の味わい


蕁麻疹やら体調不調で、大好きなお酒や甘いものを控えている昨今だが、昔からの和菓子は客へのもてなしや休憩時の一品として、重宝していたようだ。「和菓子を愛した人たち」:虎屋文庫を読んでいる。出版元をみれば、あの虎屋さんではないか。何時もお世話になっている名店(尤も戴くだけだが)だ。但し、このまま本の紹介をしても面白くないだろう。著名な作家(結局は過去を振り返るには、当時の事を記述した書物に頼るしかないし、逆に書き物には必ず食べ物は記載されているという必要十分条件が整っている。そう言えば、このブログでも紹介した作家同士の対談にも、小説群に載っている食べ物を紹介したものがあった)に因んだ和菓子を当ててもらう方式でいきたい。では、最初に著名人から登場して貰おう。紫式部、清少納言、和泉式部、源頼朝、吉田兼好と古きから遡ろう。さて?答えは椿餅、餅だん、母子餅、矢口餅、おはぎだ。次は戦国時代へと進むと、松尾芭蕉、織田信長、明智光秀、千利休、豊臣秀吉、徳川家康と並べよう。答えは?ところてん、金平糖、粽、ふの焼、のし柿、嘉承菓子だ。さて、更に江戸時代に来ると、市川團十郎、井原西鶴、徳川光圀、大岡忠相、紀伊国屋文左衛門となれば、ういろう、饅頭、福寿饅頭、幾世餅、饅頭だ。幕末・明治時代になると、外人が欠かせない。ペリー、ハリス、ケンベル、ゴンチャローフは?この他に、坂本竜馬、高杉晋作にも曰くつきの菓子があるのだ。もちろん、明治以降の作家には和菓子は付きもので、多くを語る必要はあるまいと思う。本に紹介されているように、和菓子の起源は縄文時代まで遡り、日本の貴重な文化遺産としても重要だ。但し、日持ちをしない点が唯一、和菓子の欠点でもあり、利点でもあるだろう。それによって、各地で各様の発展と継承が続いた要因かとも思えるのだ。さて、皆さんのお好きな和菓子は何だろうか?地元に残っている和菓子のルーツを調べるのも一興かも思うが如何だろうか。


2017年8月14日月曜日

乳がんを考える


最近、経済新聞に検診用のマンモグラフェイ検査が人によっては診断ミスを起こす事が掲載されていた。これは困ったものだ。何故なら、会社の薦める方法にこれを採用しているので、気になっていた。「最新 乳がん治療 (「あなたが選ぶ治療法」シリーズ)」:福田護氏を読んでいる。私は一応男性だが、家人も居るし、何かしらにサポートが出来ればと考えての行為だ。これにはきっかけがあり、身内で癌に罹った者が居て、前回学んだ胃がんの知識が多少役だったので、男性にはやや縁遠い本件にアクセスした。本は1)乳がん検診で「異常」と言われたら?、2)治療法を決断するとき知っておきべき事、3)術後の症状、副作用の緩和、4)退院後安心して生活する、5)再発・転移がわかった時、だ。まず、乳がんの起点は乳頭で、拡大する部位は外側上部が半数以上、関係する要因は女性ホルモン、飲酒、喫煙。更に閉経後は肥満が大敵との事。よって、発症し易い年代は30代後半から60代前半と幅広い。11人に一人の高い割合に相当する。尤も、検診を受けている割合は4割程度。冒頭で紹介したマンモグラフェイはX線検査だが、乳腺密度が高い人には不向きらしい。それを補うのが超音波検査。更に細胞診、組織診、生研、もう少し高度なものは、MRI検査、CT検査、PET検査。最近では、遺伝子による事前検査も可能らしい。但し、保険は効かないのでやや高価だ。これを利用したのが、かの有名な米国女優だ。何と、彼女は予防的に乳房切除まで決断している。親から子供への遺伝確率は50%程度と言うから、実際、身内に乳がん疾患者が居れば、かなり説得力を持つのかもしれない。治療法は全身療養(薬物)と局所療法(手術)の二通りだ。ここで問題は手術の方だろう。全摘の場合はその再現方法が問題になる。早期発見で早期治療が可能な癌ゆえに、日ごろの注意と監視が必要な事には間違いないのだ。その為に、こうした適切で十分な知識を保有することも重要であると思うのだ。



2017年8月13日日曜日

2017(平成29年).08.13書評

先週の評点:
「ゼロから分かる! やきもの入門」(◎):河野恵美子、「これからの地域再生 (犀の教室)」(◎):飯田泰之、「ひまわり8号と地上写真からひと目でわかる 日本の天気と気象図鑑」(◎):武田康男、「日本の麦 拡大する市場の徹底分析」(〇):吉田行郷、 農林水産省農林水産政策研究所、「貘の耳たぶ」(-):芦沢央、「ここから先は何もない」(〇):山田正紀
ノンフィクはどれも詳細な調査と訴える力が在った。一方、小説群、山田氏は意欲的なSFだと称していたが、あの「ドローンランド」に比べると、想像力が不足気味にではないか?と感じた。やはり、新しい時代の息吹を肌で感じるには若さが必要かも。
今週のお題:
「和菓子を愛した人たち」:虎屋文庫、「マンモス ―絶滅の謎からクローン化まで」:福田正己、「その食べ物、偽物です! ――安心・安全のために知っておきたいこと」:ラリー オルムステッド、依田光江、「最新 乳がん治療 (「あなたが選ぶ治療法」シリーズ)」:福田護、「静寂 (ある殺人者の記録)」:酒寄進一、 トーマス・ラープ、「誰かが見ている」:宮西真冬。
近況:
懸案だった身内の見舞いを済ませてきたばかりだ。予想以上に状況は悪く、予想以上に周囲は冷静だった。どちらにせよ、医師は明確には言わないが、末期症状には違いなかった。暴走するがん細胞を薬や放射線で抑制する治療方法が取られていた。傍証証拠でしか判断できないのは人の大切な命だからだ。更に、世間は盆休みで手薄で且つ、道路も含めて混雑している。対応しようにも最悪なのだ。理不尽な事は常に起きる。それに耐えれるか、どうかは普段のリスクに対する心構え次第ではある。尤も、リスクヘッジのやり方は色々ある。がんになるかどうかは、日ごろの健康管理次第ではあるが、それだって限界はある。もっと不条理なのは地震や嵐や津波だが、じゃあ、もっと安全な場所に住んだところで、今度は人間相手の治安面で、日本以上に安全な場所があるかと言えば、これも若干不安だ。人間は産まれた途端に、死ぬ運命を背負う故に、それが目の前に突然具体化されると、より戸惑うものだ。嫌な週末になったが、何とか乗り越えたいものだ。





2017年8月12日土曜日

地方再生はあるのか?


地方にいる身から、地方再生はその過疎ぶりから中々手強いと感じるのだが、一方で身の丈を超えなければ、それなりの生活が出来るソフトヤンキーの存在も地方には健在で、その辺りを考える日々だ。丁度、手に入ったのが、「これからの地域再生 (犀の教室)」:飯田泰之氏だ。但し、対象は私が住む僻地ではなく、もう少し大きな、中心地10万人、近郊20万人の中都市だ。これに対し、私も異論はない。ある程度のボリュームが無いと、社会は自立できない。その辺はこの本でも説明がある。章は1)地域再生を巡る基礎理論、2)センチュアス・シテイから見る地方都市の魅力、3)開発のあとに拡がる消費空間の二極化、4)地域再生における建物利活用の工夫、5)都市にとってのナイトタイムエコノミー、6)地域経済を支える企業人たち、7)地方都市住民に貢献する地域農業モデルに分かれる。まずはその中都市を選ぶ根拠となる理論は、収穫逓増と逓減のバランス論・適切な人口・人口増減のメリット&デメリット・地域間再分割の方法・クリエイテイビリテイの地産地消・重層的なネットワーク・多彩な人集めなどだ。続く2章では米国のオーステインが事例として挙げられ、シンシュアス・シテイ(官能都市)化へのアプローチが紹介される。指標としては、関係性(共同体帰属、匿名性、ロマンス、機会)、身体性(食文化、街、自然、歩く)だそうだ。この評価で日本の主要都市をランキングすると、何と1位は文京区(流石T大が在る)、2位大阪北区(道頓堀)、3位は武蔵野市。やや住み易さとはやや異なる評価にはあるようだ。氏はその具体例で、金沢市、盛岡市、松山市、長野市を挙げる。何となく、分かる気がする。3章では、消費空間として、製造業の衰退(空洞化)と反比例して、増大するショッピングセンターを事例に挙げる。この傾向は欧米諸国も同じであり、逆に古い商店街が飲食街や地下風俗街に変貌したりする事例を紹介している。4章では経済活動を終えた建物の再利用の視点だ。空間用途の検討・新たな担い手&価値観の変容・実施体制の検討が重要と説く。実例ではさっぽろ大通りコワーキングスペース(ドリノキ)、まま勝川、習志野未来プロジェクトなど。

5章では現代人の生活様式の変化(昼型→夜型)に伴い、アフターファイブ・観光資源としての夜の世界・ドン・キホーテの展開が挙げられる。海外ではロンドンのナイトタイム政策が紹介されている。具体的には地下鉄の終業時刻の延などだ。日本は東京が一部採用しつつあるが、風俗法が邪魔をして必ずしも活性化の道へと公然とは進めない事情もあるようだ。この様に地域活性化は色々な面での検討が必要だ。単に政治家が地域創生なんて謳っても、前には進まないのだ。この他、「ヤンキーの虎」「地元産野菜」「生産・流通・加工」「農業と畜産」等。キーワードが続く。是非参考にしたら良いかと思う。



2017年8月11日金曜日

やきものという神秘


「ゼロから分かる! やきもの入門」:河野恵美子氏を読んでいる。まさにゼロに限りなく近い知識の私にとって、最良の本である。冒頭で「好き」になることから始めようと氏は述べる。至言である。まずはそのイロハから。陶器と磁器の違いから。前者は「土もの」後者は「石もの」。次は文様の有無。無いものは「釉景」「貫入」「窯変」が肝、三番目は器の形で、菱、亀甲、扇面、木瓜、輪花、高坏、四方、隅切、手付、半月等々。更には、染付(技法)、草花蜂文(文様)、輪花六角(器の形)、小鉢(種類)等の見分け方があるようだ。一番取っつき易い文様を例にすれば、植物:牡丹、菖蒲、椿、蘭、動物:兎、鹿、犬、龍、鳥・昆虫:鳥、蜻蛉、蜂等。貝類、山水、人物、吉兆、幾何学文字もその一部だ。蛸唐草を知っていればもうセミプロになれる?2章からは色と装飾になるが、余りの多様性にお手上げ状態だ。用語だけ並べてゆくと、焼締(自然釉)、下絵付(染付、鉄絵、辰砂)、上絵付(赤絵、色絵、染錦、金彩、銀彩)、釉掛(灰釉、鉄釉、志野、織部、白磁、青白磁、青磁)、白化粧(粉引、刷毛目、三島)。加工(象嵌、掻落、イッチン盛り、錬込、飛鉋、布目)だ。3章では器と盛り付けに移る。これは器本来の目的に叶うものだが、ここも奥が深い。4章では全国やきもの産地に移る。読者の方の近くにはきっと名産があるはずだが、私が知る限りを述べれば、萩、信楽、九谷、笠間、有田、伊万里ぐらいか。やきものの歴史を振り返れば、紀元前に始まり、縄文土器を手始めに、弥生土器もある。その後、朝鮮半島から人間と同様に、陶器も輸入され、安土桃山時代に一気に和器が花開く。戦国武将が戦いの報酬として、あるいは自分自身のステータスの証として、茶碗を利用したからだ。そして、今は希少価値を問われ、骨董品として売買がされる。どちらにしても、人間に絡むと美しい土器もやや妖しげな色合いを持つのは、こうした人間の欲深さが見えてくるからだろうか。やきもとが出来るには、土作り→土練り→成形→素地加工→乾燥→素焼き→(下絵付け)→施釉、白化粧→本焼き→(上絵付)→窯出しの長い過程が必要だ。その分、世界に一つしかないやきものが出来る理由でもあるのだ。



2017年8月10日木曜日

EVなる脅威


表題は何も、HVやPHVで環境問題を解決しようとしている日本メーカーの懸念ではない(もちろん、内心では嫌な想いはしているだろうが)、もちろんデイーゼル車で昨今偽証問題にあくせくしている欧州メーカーの懸念でもない。

どちらかと言えば、政治的道具もしくはEVという単純明快(少なくとも既存の内燃エンジンを使用した車に対して)な産業をいち早く立ち上げ、環境改善と同時に巨大な自動車マーケットを席巻したいという中国や米国の一部企業家の想いが目立つ。これに輪を掛けているのが、昨今の英国やフランスのEV推進(と言うか、脱ガソリン車、脱デイーゼル車)の動きだ。日本は主流メーカーの圧力からHV→PHV→果ては水素自動車の方向で環境問題をクリアしようとしているが、水素の扱いのハードシップが高い事を知る私としては、どうみてもごり押しの戦術に見える。故に、EVをその戦略の主流とする中国(彼らは生産台数もさることながら、販売台数も半端ではない)と欧州、更には米国の大企業家の連合軍を前に、日本は旗色が悪いと言わざるを得ないのだ。まともあれ、そうした企業戦術はここでは深く立ち入らずに、経済新聞のコラムに掲載されていた別の懸念を紹介しておきたい。その一つは増大するEVの主要部品である。電池の原材料の手配は如何にするのか?二つはいずれ劣化する電池の廃棄処分は如何にするのか?三つは充電用の発電所は増設するのか?等だ。だが、コラムが述べる一番の懸念はEV化による雇用の喪失だ。かの大国の大統領が一番懸念する課題が猶更浮彫りになるのだ。但し、鉄鋼がそうであったように、そして、現在スマホの殆どが中国や台湾で大量生産される現実を見れば、その懸念がかなり正しいだろう。ロボット、AIの将来の雇用影響も含め、科学の進歩は慎重に推し進めないと、利便性は向上するが、衣食住の基本的生活レベルの低下を招くのではあれば、元も子もないのだ。EVはある意味で電力のケーブル代わりになるとは、とあるセミナーで聞いた電力会社の方の第三次電力革命の姿だ。要は電池を積んで移動する発電所にEVが見えるのだ。元々、EVに供給する電気自身の効率の議論のポイントにすべきだろう。中国の様に効率の悪い発電所で得た電気を使うEVは果たして、本当に環境に優しいとか言いかねるだろう。斯くも複雑な現象がEV反映の裏には隠されている。慎重な行動と発言が我々には必要な事に間違いは無いのだ。



2017年8月9日水曜日

素直になろう!


天邪鬼の私が謙虚になろうなんて事ではない。経済新聞に掲載されていた、とある会社のアイスクリームの話。その名前も「SUNAO(スナオ)」である。その製品開発の発端は「アイスを食べる罪悪感、うしろめたさの払拭」だったらしい。これ分かる。今は特に家族を挙げてダイエット中。だが、アイスだけは別腹らしく、家人と愚息はカロリーカウントから外して、結構カロリー高い甘~い製品を口にしている。斯くなる私もこの猛暑には勝てず、かき氷系アイスに特化し、且つ半分づつ食べる等の涙ながらの節食に努めている始末だ。さて、内輪の話は此処までにして、この製品、甘さとコクを排除するというアイスの基本を否定して製品作りに励んだのが特徴だ。こうした自己否定は兎角失敗する。なんちゃってビール(所謂ノンアルコールビール)も、やはり本物のビールには及ばないし、噓臭さが滲み出てくると、消費者は意外に冷淡にそっぽを向くものだ。その証拠に記事では、低糖質食品の規模が4割近く拡大している一方、低脂肪やカロリーカット市場は縮小傾向にある事実を述べている。やはり美味しく無い食品は飽きが来て、私の様な意思弱な人間はつい、従来の甘いモノやミルクたっぷり感の食品に手が伸びてくるものだ。日本企業は大きな改革は出来ないと揶揄されて半世紀、だがコンビニやスーパーに置ける品揃えは世界に類を見ない贅沢さがある。エンゲル係数が高いのは、後進国であるとの一般常識を覆す日常の平和と安寧を一番の幸せと評価する国民性が活きている証拠でもあろう。身近な商品開発がこれだけ少子・高齢化で低成長時代を心配・懸念される日本市場でも可能なのだ。安易に、一般的低成長指数を持って、出来ない・出来ないと連呼するだけの事業指針だけは避けたいものだと痛感している。



2017年8月8日火曜日

二番手の辛さ


「日本の麦 拡大する市場の徹底分析」:吉田行郷氏、 農林水産省農林水産政策研究所を読んでいる。本の冒頭にも書かれている様に、何時もお米の陰になっている麦だ。私の認識は海外産に押され、存在感も薄いというものだ。しかし、やや見直しをした方が良さそうだ。本は1)国内産業の需要の変化、2)変貌する主産地生産、3)サプライチェーン形成状況、4)国内産業の消費動向、5)フードシステムの変容と課題。まず小麦は国内生産量90t弱、輸入は600万t。大麦は国内生産量20万t前後、輸入は200万t。そして、小麦はパン用が25%、次につぐのが10%台の日本麺、即席麺、中華麺。意外に検討しているのが菓子の12%。一方、国内産の小麦は約40%が日本麺と特化されている。更に国内産地に視点を移すと、北海道が50万tと断トツだが、それでも海外産とのブレンド率は50%を超える。但し、最近ではたんぱく質含有量が高過ぎる外国産に対し、含有量の低い均質な国内産小麦を適切にブレンドする方法や、しっとり感や適度な弾力がある食感を出す効果を図っているようだ。片や、大麦は二条大麦がビール、六条大麦が麦茶、はだか麦が味噌、醤油等だ。大麦の使用量の多くは皆さんの好きなビールだが、その9割は外国産だ。これらの店頭での販売は外国産の価格が上昇すると、国内産小麦と表示する傾向にあるようだ。消費者としては要注意だ。3章の流通方法では小麦と大麦の違いがあり、一次加工(製粉)→二次加工(食品メーカー)に対して、味噌や醤油は直接加工するようだ。この様に、食品の多様化と外国産の小麦価格上昇により、少しづつ変化が見える業界だが、課題はまだ残っている。まず小麦に関しては、中間に卸業界や製粉会社が有る為に、生産者と消費者もしくは加工メーカーの情報が閉ざされ、品種改良や統一化の動きが鈍い事、一方、国内産大麦に関しては、味噌もしくは焼酎メーカー等との直接購買で改良の道は確かではあるが、未だ、生産量拡大への取り組みが不足している事が挙げられている。その為に、2014年から導入された入札制度の適用や製粉、精粉企業のコーデイネーションの更なる努力が必要なようだ。世の中、全て一番が評価され、注目を浴びるケースが多いが、意外に二番手、三番手が重要な事も多い。身近で意外に知らない麦にも温かい視線を与えることが重要だろうと思った次第。



2017年8月7日月曜日

天気を再び学ぶ幸せ


愚息が苦手にしているのが、数学の図形問題と科学の天気図。で、この本を読んでいるが、私自身が興奮している。「ひまわり8号と地上写真からひと目でわかる 日本の天気と気象図鑑」:武田康男氏だ。以前、ひまわり8号の記事をこのブログでも紹介したが、中々の優れ静止気象衛星だ。この本一つで、かなり衛星から天候まで、詳しくなれる事請け合い。又、嬉しいのはひまわり8号と連動してスマホで同一画面を検索できる点も中々凄い。7号との違いは空間解像度が2倍以上、観測間隔も10倍以上短くなった。可視画像も三種類(詰まり天然カラー)となり、中学で習った天気図と実際の空の雲の挙動を直感的に理解出来る。この優れもの衛星は重さ3.5t、全長8m、高度3万5800kmの赤道上を地球の自転を同じ速度で動いている。逆に米国やロシアは高度824kmの極軌道衛星で、気温や水蒸気の鉛直方向の分布も測定しているらしい。尤も、冷戦下にあった両国はこれはどちらかと言うと軍事上の利用も無視できない事実だろう。一方、天気に移れば、雲にも様々な種類があり、発生する高さで上層雲>中層雲>下層雲>対流雲に分類される。これを俗称別に並べると、すじ雲・うろこ雲>ひつじ雲・おぼろ雲>うね雲・きり雲>わた

雲・にゅうどう雲となる。ちなみに、雲粒の直径0.01mm、雨粒はその百倍だ。浮かんでいる様に見えるが秒速1cmで落下しているが、上昇する雲粒もあり、バランスが取れている様に見えるのが雲の実像だ。白く見えるのは散乱光のせい、黒い雲は厚みがあって、逆に太陽光を遮るから。序に、貿易風、偏西風、極偏東風が南北半球に存在する。ともあれ、ひまわり8号の登場でより詳細な気象情報が入手出来、正確な気象予測も可能になるだろう。期待したいものだ。



2017年8月6日日曜日

2017(平成29年).08.06書評

先週の評点:
「消えゆく太平洋戦争の戦跡」:「消えゆく太平洋戦争の戦跡」(◎)編集委員会、「経済ニュースの「なぜ?」を読み解く11の転換点 教養としてのバブル熱狂と閉塞感の裏側」(◎):田村賢司、「妄信 相模原障害者殺傷事件」(〇):朝日新聞取材班、「団塊の後 三度目の日本」(〇):堺屋太一、「血縁」(△):長岡弘樹、「女系の教科書」(〇):藤田宜永。
相模原殺傷事件はもう少し、原因追及に紙面を割いて欲しった。匿名か否かはマスコミサイドの問題。藤田氏の周囲が女性ばかりなのだろうか?あるいは女難の相?奥様が同じく小説家というのも幸せというべきか、不幸と言うべきか。
今週のお題:
「ゼロから分かる! やきもの入門」:河野恵美子、「これからの地域再生 (犀の教室)」:飯田泰之、「ひまわり8号と地上写真からひと目でわかる 日本の天気と気象図鑑」:武田康男、「日本の麦 拡大する市場の徹底分析」:吉田行郷、 農林水産省農林水産政策研究所、「貘の耳たぶ」:芦沢央、「ここから先は何もない」:山田正紀
近況:
いよいよ、家族の方は夏休み真っ最中。愚息は信州の方に科学研修旅行に行き、やや知性的?に変身したかも。受験勉強の最中の微かな休息になったのなら幸い。その間、家人と二人切りの生活を送った訳だが、それぞれ好き勝手に過ごし、偶には映画を一緒に見たりして、実に静かで穏やかな日々であった事に感謝。唯一の懸念は実家の老父母。入院したとの連絡を受けているので、来週にでも急遽私だけで帰省予定。やや波乱含みの夏休みになりそうだ。


2017年8月5日土曜日

必ず登場するヤリ手の政治家


「経済ニュースの「なぜ?」を読み解く11の転換点 教養としてのバブル熱狂と閉塞感の裏側」:田村賢司氏を読んでいる。氏も経済新聞社の元記者だ。この会社からスピンアウトしたライターの書籍をしばしば目にするが、それだけ視野が広いのか、あるいは不満が多かったのかなどと下賤な目で見てしまうのは聊か、恥ずかしかも。さて、戦後の日本、特に経済政策がどう揺れ動き、こんな財政赤字になったのかは、しっかりと歴史を紐解く必要があり、池上氏ではないが、こうした本がどんどん発行され、国民の反省に活かされると良いなと思っている。兎角、歴史に登場する人物は当時は熱狂的もしくは好意的に国民の支持を受け、ヤリ手の政治家、官僚として名を成していた訳だが、後の世にすればトンデモナイ過ちを犯していた事の方が多い。原発の積極的導入に動いたN首相、そして、公共事業への財政投資活用に動いたI首相、年金や医療制度に大盤振る舞いをしたT首相等だ。後者の三人がこの本にも登場する。但し、米国に敗戦し、半ば占領された日本は常にその顔色を窺い、その圧力を受け、政治・経済を進めなければならかった事実も受け入れざるを得ない事実でもあろう。さて、本は1)バブル経済、2)デフレ、3)人口減少、4)日米経済摩擦、5)日本型経営、6)一極集中、7)財政赤字、8)社会保険料の増大、9)貯蓄から投資へ、10)政治とカネ、11)日韓関係とに分かれる。

今や、GNPは世界3位に没落し、少子・高齢化というビハインドな状況下で、消費税アップ一つも決められない政治が続いている。それを氏は大型減税や財政投資という名の下に無責任に公共事業拡大した結果、国民義務である課税への過剰な嫌悪感を国民自身へと生んでしまったと結論付けている。過去の負債は現世代が負わなくてはならないのが自明の事実。それを先延べして、自画自賛する軍事強化に走る現政権はやはり、オカシイ。そして、それを又、ヤリ手の政治家と煽てるマスコミも又、同罪だ。それをこの本は暗に語っているようにも思えるが如何だろうか。



2017年8月4日金曜日

AIにも弱点あり


先日、業界紙に掲載されている漫画で、将棋対局中の棋士が休憩中、食事を摂っている場面で、一方のAIロボットがコンセントから電源補給している様が面白おかしく描かれていた。これはまさにAIロボットの欠点である。これを補うように、経済新聞に世界チャンピオンを破ったアルファ碁なるグーグル棋士の消費電力が人間の1万人以上の相当するとの記事が掲載されていた。要は、相手は機械だ。漫画の様に勝手にエネルギーを補給できる訳ではない。本ブログでもデーターセンターが寒い地区に集中している記事を以前紹介したが、これは大量の熱発生=エネルギーを大量に消費している事を意味しているのだ。情報プラットフォームを支配しつつあるIT大企業群がこぞって、再生可能エネルギーに特化しているのは、こうした背景があるからだ。もう一方、経済新聞は指摘するのは、AI利用の高額料金だ。AI開発には膨大な資金が必要だ。というよりは、天井知らずの給与をSEに与えるので、開発費が高騰し、その結果としてAI製品も高額化するのだ。これも又、AIの弱点だろう。高度医療費が目の敵にされ、折角開発された治療薬が一般には利用できないと同様に、金持ちや大企業しかAIを活用出来ない時代が来ているのだろう。依然しとして、情報プラットフォームの中心に位置する大手IT企業がその開発の中心にはあるものの、それに連携したERP系ソフト開発・製造会社、あるいはサーバー等の開発・製造会社、更にはデータを形成するセンサー群開発・製造会社等が連携・協奏し合って、収集したデータの高度な付加価値化に励むだろうから、自ずとその未来は人件費削減という対費用効果で評価される時代が来るのだろう。やっきになって自社開発を進めていたら、いつの間にか、自分のポストが無くなる時代が来るという笑えない喜劇が透かして見えるようにも思える。皮肉なことに、AIが依存するエネルギー業界は重厚長大且つ閉鎖的である故に、データ解析の草刈り場になりつつある。その意味では誰でも、参入できるチャンスがあるのだが、ベースとなるセンサー群は不足しているし、未だ、これからの気もしている。其処には規制緩和も必要だろうし、既得権に守られている古い体質の改善も必須だろう。AIの弱点は結局は人間社会への適応可否の検討が未だ不十分である点だろう。それは又、デジタル時代のある意味での弱点とも言えるのだ。



2017年8月3日木曜日

三度目の日本は在るのか?


「知価革命」でその先見性について、当時感動した私はすっかりファンになってしまった感がある堺屋太一氏。「豊臣秀長」も良かったが、元官僚で元閣僚ともなれば、今の閉塞感が漂い、且つ向かう方向性が違う政治を疎ましく思っているに違いない。そんな想いが詰まったのが、「団塊の後 三度目の日本」:堺屋太一氏だ。小説の形はしては居るものの、2025年というオリンピック後の日本を想定した日本復活劇のシナリオにも見える。登場人物は改革を進める徳永総理大臣を始め、明治維新の準えた坂本龍真、岩崎弥多、中岡慎二、井上香里、等、華々しい。氏曰く、戦後80年の官僚政治の本質は「国民人生の規格化、流通の無言化、東京一極集中であり、抵抗封じに食品の輸入規制やら高価格維持、補助金やら公共事業のばら撒いてきた」と。そして、2025年の日本は5年連続のマイナス成長、貿易赤字は拡大、輸出も低迷、自動車産業もガタガタ、下流老人の増加も深刻で空き家が益々増加している風景だ。そして、安全・安心・清潔・正確な「天国」に成り過ぎたと指摘する。そして、それが人間本来の持つ3Y(やる気、夢、欲)ない社会を造っていると。それを打破するには?と、物語が進んでゆく。冒頭で述べたように政治に直接関わった経験からその提案は具体的であり、大胆でもある。2025年と言えば、遠いようにも見えるが、数年先の事。こうした提案を幾つか出し合い、明日の日本を議論する場が在っても良い様にも思える。氏の提案の概略を紹介すれば、その核は明治維新の藩から統一政府の改革とは真逆の方向付けであり、二都二道八州化の日本改革なのだ。そして、それを機に消費税等の移管を視野にした税財政改革も並行して議論されてゆく。果たして、こうした内圧的な動機付けで日本人が自ら主導的に動くか?について、私はやや懐疑的ではある。但し、氏の予測した「知価革命」の知価を情報もしくはデータと置き換えれば、今や情報こそが貨幣を上回る存在として、その勢力を増大させつつある。従って、日本の改革も大なり小なり、行う時期に至っているのも事実なのだ。はてさて、支持率の低下を来した現政権にこれほどの改革が出来るとは思えないが、袋小路に入った感のある日本社会の脱出劇を我々は真剣に考えなくてはいけない時期であることは確かだと思うのだ。



2017年8月2日水曜日

しくじらない方法を学ぶ


業界紙に紹介のあった「しくじる会社の法則」:高嶋健夫氏を読んだ。面白い本だ。筆者は元日経記者で、その後フリーライターに転じた苦労人故に、その類推的結論は至って、具体的で説得力がある。冒頭での幾つかのチェックポイントを紹介すると、社長(経営者と置き換えて良い):いつも高級スーツでも眼鏡が汚れてる、オフィス:受付が汚い&煩雑&粗雑&不愛想、社員態度:トラブルを現場だけで対応等々。一番受けるのは、社長だろうから、本文中からもう少し抽出すると、高級外車に乗っている(しかも新車)。名刺交換態度。暗い態度。従業員愛が無い。製品・サービス愛が無い。等々だ。いや、俺はちゃんと有ると豪語せず、謙虚に自分と自分の周辺を見渡す事だろう。更に、BSやPLも読めない経営者が多い事を嘆く(流石日経記者!)。トップの挙動・態度も重要だが、その受け皿である社員や工場の在り様にも、氏は厳しいチェックポイントを設けている。本社が新しくなった会社は危ない!なんてのは、私も同感だ。お金はもっと別な事に使った方が良い場合が殆どだ。良い工場は綺麗だも、受付と同じことだ。人間だって、外出する時は、身なりに注意し、女性なら化粧もする。そんな気配りが社長以下ちゃんと出来ているか?を氏は問う。氏がエクセレントと事例を挙げる会社は幾つかある、サントリー&アサヒ緑健(コールセンターが本社にある)、京王百貨店新宿店(お客様視線に長けている)、花王(社長が社食を一緒に食べている)。又、尊敬する経営者も何人か登場する。土光さん、稲盛さん、盛田さん、飯田さん、豊田さん、松本さん、等。加えて、「トップセールスマンと繁盛しているスナックのママの共通点は筆まめであること」と紹介している。一方、後半はフリーライターに転じてからの経験が述べられ、これも又、有意義なコメントが並んでいる。そして、最後のあとがきはライターだけでなく、現役のサラリーマンにも応用できる情報の収集方法の鉄則が書かれている。一度目を通したら良いかと思う。



2017年8月1日火曜日

無料キャンペーン 8月度開始 「諦観もならぬ人生の極意」


無料キャンペーン 8月度開始 「諦観もならぬ人生の極意」
期間:8/1~8/5
諦観もならぬ人生の極意
古い羅針盤42章
黄金の天井
ギャンブルという闇の世界
進化という魔術
働くことを真剣に考えてみる
チョイ住みの極意
刑務所という異常空間
強くて恰好良い女性が好き
夫婦という社会ユニットを考えて
古代と現代を繋ぐもの
赤ワインが身体によろしい
ジャーナリズムの骨とは?
地下深くのお話
車の未来が見える?
お金をしっかり見詰めてみよう
時代考証が支える真田丸
不愉快が悲劇に変わる時
労働を定量化してみる
原子力という厄介なモノ
空気洗浄機と伊勢志摩サミットを考える
裸の王様のお話
老後破産という報道を観て
ルノワールとAI
人生って、本当に苦しいものだ。
地震立国に想う
百万分の一という確率
死後の世界が欲しくなる
●あとがき
 本編は筆者ブログ「古い羅針盤」(2016.05月)掲載されたものを纏めたものです。


戦争を知らない事を知る


人間は本来自分勝手なものだ。その人間がある予め定められたルールの中で暮らす事は窮屈だし、他の人間とも衝突が起きる。それが喧嘩になり、武器まで持ち出せば、互いを殺し合う事まで発展する。だからこそ、そこに至らないようにルールがあるのだが、多国間の必ずしも共通のルールが存在せず、勝手に自分のルールで暴走する場合もある。但し、現代社会はあの愚かな第一次、第二次世界大戦を経て、平和こそ人類の発展のベースだと学んだはずだ。だが、国内の保守派は改憲に向かって暴走しつつあり、愚かな過ちの道を又走ろうとしている。「消えゆく太平洋戦争の戦跡」:「消えゆく太平洋戦争の戦跡」編集委員会を読んでいる。兵どもの夢の跡を写真とエッセーで全面に紹介している。冒頭の日本軍の進出地図を見る限り、その範囲は中国のみならず、東アジア広域に広がっている事は分かる。これを見て、良くぞ此処までと思う人も居るかもしれないが、逆に技術力とその実直さで、今や世界3位のGNP国になった日本は世界中にその人と製品を輸出もしくは生産拠点を持つに至っている。平和こそ、やはり成長の第一基盤だ。さて、本はその戦禍を受けた世界各地を巡る旅だ。1)太平洋の島々(ハワイ、ガダルカナル、ニュージニア、サイパン、グアム等々)、2)東南アジア(インドネシア、インド、タイ、フィリピン)、3)国内(硫黄島、沖縄)に大別され、各地の戦場を克明に取材している。先頭に紹介されるのは、餓島と呼ばれるガダルカナル。二万人の戦士者を出し、6割が餓死だった。最後は有名なラバウル。随分と南方にあるこの島は元々火山島。兵站を断たれ、畑を耕し、自給自足で戦場を維持したようだ。そこまでして戦争をしなければならない狂気。そして、ここも3万6千人の死者を出した「墓島」としてその名を遺す。こうした戦地は今や、観光地として存在し、現地では地元民がその戦禍として残った兵器と共に、生きてる光景だ。どんな戦争でも終わらない事はない。だったら、何故愚かな戦争を始めたのか?それを私たちは学ばなくてはいけない。後書きで氏が語る様に、太平洋戦争は日本の負け戦だったので、国家としては語り継ぎたくないと。そして、戦地での第一の被害者は現地の人々である事、そして、忘れ去る事で二度戦死者を殺す事になると。