2017年5月18日木曜日

やや劣勢な犬に思いを寄せ



このブログで、ペットとしての位置づけは、最近猫>犬の傾向の様で、猫好きを任じる人々に、犬好きな人々はやや劣勢である。しかしながら、その数は1千万頭と呼ばれ、バカにならない数でもある。そんな状況下で見つけたのが、「日本犬の誕生」:志村真幸氏である。日本犬のルーツから現状に至るまでを克明にレポートしているので、興味深く手にした次第。章は1.ルーツであるニホンオオカミはいつ絶滅したのか、2.ジャッカルと日本犬、3.本来の「日本犬」を求めて、4.明治期の日本犬たち、5.保存会と天然記念物、6.昭和初期の日本犬、7.朕と高安犬、8.戦争との関係に分かれている。まずは、日本犬のルーツと称されるニホンオオカミの絶滅は明治38年、それまでは心霊深き高野山に生息していた由。別名、ヤマイヌ。これと対比されるのが、2章の野犬と呼ばれる別種。いわゆるジャッカルだ。結論から言えば、飼育試験により、ルーツは日本犬のルーツはやはり、狼だと結論付けている。要は日本人のルーツさえ、北方から南方まで4通りの流入説があり、定かでないのは、以前このブログでも紹介した通りだ。故に、1ペットの存在である犬に関しても、その本質的なルーツは定かでないと言う所が事実ではないかと思う。但し、4章以降に述べられるように、明治期に大量に輸入された西洋猟犬の台頭が、逆に交配され、衰退してゆく純粋な?日本犬への見直しを促進し、認定保存会まで出来上がるのだから、肝心の日本に居た犬にしてみたら、やってられない気分?ではないかと思ってしまうのだ。今更、自分が雑種か、それ以外かなど、人間の勝手な差別だからだ。そして、当時の尊敬に値する皇太子が秋田犬を狩猟用として活用するようになってから、それまで西洋犬一辺倒だった日本が、にわかに日本犬へと回帰してゆく様は何とも微笑みがたいものがある。そして、明治後期になって、ようやく正式に、氏がその決定の過程が恣意的かつ偶然と称するように、秋田犬、甲斐犬、紀州犬、越の犬、柴犬、四国犬、北海道犬が唯一無比の日本犬となる。ちなみに、秋田犬は当初は闘犬としてかなり雑種化が進んでいたため、その系統は分離され、「忠犬ハチ公」で一躍人間に忠実な気質の日本犬としての地位を高めてゆく。一方、日本人が勝手に海外から日本犬と認定されていたにも関わらず、認定から外した犬に、狆があり、他国産であるという根拠に依る。更に暗い戦時中には、軍用犬の需要が増すが、それらの多くはシェパードを中心とした外国犬であり、日本犬はここでも肩身の狭い思いを強いられ、毛皮の活用にのみ使われたと言うのだから、人間の身勝手さには彼らも閉口した事だろうと想像してしまう。残念ながら、戦後の犬史には氏は触れずに、本を終えてしまっているが、少子&高齢化社会の到来で、傍にじっと寄り添ってくれるペットの存在は、今まで以上に、人間にとって重要な癒しと感情の共有化出来る、かけがえのないものにまで、昇華している。これも時代の反映と言えばそれまでではあるが、一方では捨て犬による野犬化、更には駆除といった哀しい運命に遭っているのも犬や猫たちでもある。過去から人間の勝手な取り扱いで右往左往しなければならない、弱い立場の彼らを知る事こそが、本来の家畜化したペットとの正しい付き合い方を学ぶ機会となれば幸いでもある。


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