2017年5月6日土曜日

単身急増社会と経済格差


「単身急増社会の希望 支え合う社会を構築するために」:藤森克彦氏を読んでいる。前編「単身急増社会の衝撃」に次ぐ著書である為、それを読むのがベストだろうが、本編だけでも未来予測は十分だろう。むしろ、その衝撃を全身で受け止めて、社会として、あるいは個人としてどう対処すべきかを自分の事として考えるべき時なのだと思う。氏はそれに関しては既に結論を提示していて、支え合う社会こそがその対策であると結論付けている。詰まり、単身になった理由は個人の自己責任と責めるのではなく、社会全体でその事実を受けとめる事から始めようとしている。第一に、社会保障の機能強化、主に公的年金保険制度・医療保険制度・介護保険制度の強化。第二に、地域づくり、地域包括ケアシステム・住民サイドのネットワーク化。第三に、働き続けられる社会の構築、働く事で孤立化を防止する事だと。以下、本文は三部に分けられ、1.単身世帯の実態、2.類型別にみた単身世帯の考察、3.単身世帯のリスクに対して求められる社会の対応だ。1で重要なのは未来予想だろう。2030年に掛けて、総人口における単身世帯の割合は16%(+2%)までアップする。特に未婚の一人暮らしの高齢者の増加(ほぼ2倍)がポイントだ。そして、意外にもその世帯は大都市に居住し、特に男性では顕著である。2で重要なのは、単身世帯にも類型があり、一つは勤労世代での存在で、主に非正規社員等との相関が強い。二つには高齢単身世帯に在り、公的年金の設計不良の問題がある。三つには単身世帯=要介護問題の発生実態。更には単身世帯予備軍の存在。最後に他国との比較。困った時に頼る対象として、日本が家族に集中し、且つ地域との接点が少ない事が特記として挙げている。更には老後になった時点での貯蓄や資産が少ない点も特記事項だ。3は冒頭で結論を述べたので、省略するとして、問題はその財源だろう。それに関しては、氏は生活安定機能、労働力保全機能、所得再配分機能、雇用創出機能として、社会保障制度の見直しを提案し、消費税の予定通りのアップを推進するように訴えている。そして、その根拠は他国に比べての社会保障制度への税金比率はまだまだ低い点にあるとしている。更に、筆者自身が消費税5%アップしても、社会保障に回る分は1%に過ぎず、残りは過去の借金へ回るという病んだ財政を嘆く。だからこそ、財政再建と社会保障制度の改善という両輪を上手に回すべきと主張している。ここでは単身世帯という切り口で、社会保障問題を取り上げたが、経済格差も根っこは同じである。問題の先延べは実に安易で簡単な処方箋ではあるが、既にその待った!は出来ない厳しい状況にあるのは確かだ。



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