2017年4月20日木曜日

上位0.1%の閾値


「超一極集中社会アメリカの暴走」:小林由美氏を読んでいる。ビッグデータの横暴・暴走を読んだ後だから、更に、それを後押ししている、米国の超リッチ階層の行動は現実味がある。そして、もうどうしようもない位の所まで、彼らはこの世界を席巻し、支配し、天上に棲み付いて、本来当たるべき太陽の光さえも、一般庶民には届かない感すら抱いてしまうのだ。冒頭の閾値は米国での超富裕層の占める割合で、その平均所得は6億円、だが、更にこれを0.01%に限ったら、所得は29億円に膨れ上がる。まずは0.1%に固定しても、彼らの稼ぐ所得の全所得に対する比率は7.5%。これに匹敵する日本の富裕家の比率は1%。要は、幸か不幸か、日本では米国ほど経済格差が進んでいないとも見える。まずはこれは収入面から見た格差だが、借金の面から見ると、逆な事が生じる。0.1%のリッチ層の占める割合は僅かの1%。逆に下位90%の庶民が80%の借金を背負っているのだ。要は儲ける人々は僅かであり、殆どの米国庶民は膨大な借金に喘いでいるという構図が透けて見えてくるのだ。

前置きはこのぐらいにして、本文の章は2章「高騰する勝ち組へのパスポート」で経済格差が更に教育格差を呼ぶ説明があり、3章「実は復活しているアメリカ製造業」でオイル輸入からシェールガス(オイル)輸出への転換が大きなエポックであることの説明があり、4章「強欲資本主義は死なず」で、金融産業と投資ファンドの癒着とも言える資金の移動メカニズムを解き、5章「シリコンバレーの錬金術師たち」で、先のビッグデータを武器として、暗躍する、エリート達を映し出す。この中で象徴的文章は、「データはモノとは本質的に異なる資産で何回使っても売っても減らないもので、ユーザーから無料で得られたデータが膨大に価値を生み続け、繰り返し売った収益が積み上がり、より寡占的で支配的企業に成長してゆく」はまさに、現代社会の闇を表現した記述だろうと感じる。6章「情報革命が人間を駆逐する」、7章「超一極集中が社会を破壊する」と続き、気持ちは暗澹となり、読まなければ良かったと思うくらいなのだ。8章にそうした近未来の世界でのサバイバルについて、氏は幾つかの提案をしている。それは本を読んで学んでほしい。いずれにせよ、時代は確実に寡占化の方向に進んでいることは確かだ。その大きな潮流の中で、我々個人が生き抜く為の方策として、世の中で起きている事のまずは理解こそが重要だと考えている。



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