2017年4月18日火曜日

意思決定というコスト


出る杭は打つ、あるいは引っこ抜く。日本型社会の欠点と言われている現象だ。だが、ここ新入社員の入社式では、「尖った人材になれ、個性を出せ」と経営者は若者の発奮を促している。さて、どちらが正解なのか?きっと経営者はその前提に議論の場の雰囲気を弁え、更にはセクハラ・パワハラも無く、コンプライアンスもしっかり守り、出来れば英語もちゃんと使えて…なんて、考えている可能性がある。否、私であればきっとそうした条件を付帯する。会社と言えども一つの社会だ。基本的な社会人マナーやルールを守った上での果敢なチャレンジは好まれるが、それを越えた行動はやはり問題だろう。学生時代のクラブ活動や友人関係でも同様のはず。間違えたメッセージは送らない方が良い気もするし、第一、草食系と揶揄されている昨今の若者であれば、社内で暴れる行動に出る可能性自身も低いのかもしれないのだ。但し、何が何でも空気を読んでいたら、社会は進化しない。往々にして、チャレンジャーが新たな文化や風土を創るのだから、若い人には其処は期待したいのだろう。だが、日本企業の問題は若者の非積極性ではなく、寧ろ長く社内に滞留する中間管理職のリスクを回避する態度であろうと、経済新聞でとある人事研究者が語っている。良く有る、何十個と連なる稟議書がその事例だ。多分、最終印を押すか経営者のリスクを回避すべく、中間管理職がありとあらゆる問題点を事前に吟味した結果と好意的には取らえられる。しかし、最終責任者はそれを負っての職務のはず。更には、その何十個という押印過程で生じる中間管理職達が浪費する時間ロスは生産性を低下させている大きな要因にもなる。どんなに考えても、どの事業にも環境変化によるリスクはあるし、決して0にはならない。絶対安全が存在しないように、事業もリスクを負うからこそ、先行者利益が生まれるものだ。だから、海外の経営者は経営判断が早く、解雇というリスクを負う分、手にする報酬も高いという結果に結びついている。但し、即座に欧米式経営形態に変更できる訳ではないから、徐々にハンコの数を減らす努力、詰まり権限規定を明確にし、年棒に従ったリスク負担も視野に入れてゆくべきだろう。若者に訓示を垂れる時間があるのではあれば、何個もハンコを押させている現状の意思決定方法の改善こそ、組織の生産性を高める一番の方法かもしれない。



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