2017年4月24日月曜日

不眠症の人は是非読まれたし


「枕と寝具の科学 (おもしろサイエンス)」:久保田博南氏、五日市哲雄氏を読んでいる。不眠症というよりは、睡眠不足で悩む私にとっては、効率的な睡眠はどうしたら良いか?を探るに丁度良い本だ。前回に「SLEEP」でそのノウハウをたらふく仕込んだが、その実、何故、そうしなければ?のノーホワイはやや欠けていたようにも思える。その点、この本は理屈が豊富で、説得力がある。

章は大きく分けて、睡眠とは何者の前半と、それをベースにした枕を中心とした寝具への展開となる。前半の睡眠は視床下部から命令が出て、メラトニンが放出されることで睡眠が発起される機構と、ヒプノグラム、サーカデイアンリズム、光、冬眠と理論が続く。後半は待望の寝具。まずは必須用品の枕。その歴史は随分と古く、石器時代にも埋葬品としての石枕が存在するので、人間がこれだけ巨大な脳を持ったことによる、必然性を証明している。さる博士は自作品を6つも持っていたというから驚きではあるが、それほど枕は時と場所、あるいは人の体形、性格に依存して選択すべきことが分かる。枕だけではない、布団の選択も重要だ。その肝は体圧分散と本では紹介されている。歴史的には、食物の蒲の葉を乾燥させて敷いていた所から、蒲団の名前の由来がある。一般庶民が寝具として当たり前に使うようになったのは、ほぼ1世紀前にしか過ぎないことも本には紹介されている。布団と現在称する寝具分化こそ、日本独自の進化でもあったようだ。更にはベッドだ。西洋からの輸入物と考えがちだが、日本古代にもベッドは存在し、聖武天皇(700年)の寝台が最古の証明品だ。

ラストはパジャマ。パジャマの効用は安心感にあり、セロトニンの少ない日本人(悲観的と呼ばれている)には打ってつけとか。その他、スマホの就寝前の使用禁止とか、食事制限とかは、前回の「SLEEP」にも記載されてうて、紹介済みだ。冒頭で人間は無理して、1/3程度の睡眠時間に耐えているとの記載があり、これほど多忙で光豊富な時代になった故の順応の証ではあろう。その分、失ったものは、安らぎとか他人に対する思いやりであったりしたならば、平和な社会にするためにも、我々はもっと睡眠時間を確保できるように、生活習慣の見直しをすべき時期なのかもしれないと自戒を含めて、思ったりしている。



2017年4月23日日曜日

CGコレクション 2017.4月販売開始

古い羅針盤の表紙を飾ったCG画像を本に纏めました。


2017(平成29年).04.23書評

先週の評点:
「Tの衝撃」(△):安生正、「なかなか暮れない夏の夕暮れ」(△):江國香織、「文士の遺言 なつかしき作家たちと昭和史」(〇):半藤一利、「ビッグデータという独裁者: 「便利」とひきかえに「自由」を奪う」(◎):デュガン,マルク,ラベ,クリストフ、「超一極集中社会アメリカの暴走」(◎):小林由美、「国際テロリズム:その戦術と実態から抑止まで」(〇):安部川元伸。
フィク4、小説2.安生氏は意外に評点低い。その通りだった。臨場感が細かい自衛隊の上下関係や組織の説明で分断されてしまっている。江國氏は久しぶり。どうだろうか?これって他の書評では高く評価されている作品だが、私は気だるすぎて、且つ、読み難くて、苦手だ。それに比べ、半藤さんの独白的エッセーは昭和の初期段階の息遣いが聞こえてくるようで、楽しい。名だたる文豪たちの日常が見えるようで、今のスマートな作家では出せない色だろう。最後にBDは今回の表題の中心だ。他社との懇親会でこれに触れたら、アマゾンをワンクリックするだけで、我々は皮が一枚めくれているとのコメントが帰ってきた。確かに恐ろしい時代。考えれば、このブログも一部がグーグル様のフリーサイト。不味いよなあ。きっと今頃は、私の履歴書がしっかりと解析。生成されている気がする。困った。
今週のお題:
「ともに読む古典: 中世文学編」:松尾葦江、「枕と寝具の科学 (おもしろサイエンス)」:久保田博、五日市哲雄、「知らなかった、ぼくらの戦争」:ビナード,アーサー、Binard,Arthur、「データブック 格差で読む日本経済」:みずほ総合研究所、「毎日っていいな」:吉本ばなな、「星をつける女」:原宏一、「血」:新堂冬樹。
少し、多めのチョイス。吉本さんの日常には興味あり。ややスケベ根性でチョイス。さて、どうだろうか? 
現況:
桜も散り、穏やかな初夏の香りがすると思ったら、突然の雷雨と猛烈な風。どうも、落ち着かない。本では健全な睡眠の必要性と方法について、十分な知識を与えてくれているが、どうも実践に結びつかない。色々考えることが多いのだと思うが、せめて、就寝時間22-2時の間は死守しようと思っている。その時間帯に目が覚めたら、兎に角じっとベッドの中で息を潜める。そう努力しているが、春眠暁を覚えず状態は日中発生しており、困ったものだ。家人は束の間の休暇で、家事に勤しみ、家内安全だ。やはり、家事と仕事の両立が難しい。何処かでどちらも手を抜かないとやりきれないものだ。愚息は新学期で頑張っているが、これから半年後の受験勉強を考えると、親子ともども遣り切れず、受験終わったら何しよう?なんて、楽天的に考えたりしている。競争は社会には付き物だが、どうも現実的にはシンドイテーマだ。


2017年4月22日土曜日

AI不要の世の中で在りたい 古い羅針盤52章 発売開始

AI不要の世の中で在りたい 古い羅針盤52章 発売開始
AI不要の世の中で在りたい
古い羅針盤52章
●怖いぞ!デスクワークが
●内から見る経済の極み
●マッキンという嫌な言葉
●離婚を男の立場から考える
●RE100をご存じか?
●ロボット課税の真意
●失う知性もあるのか?
●頑張って読み解こう
●価値を考えてみる
●向かう先は同じ
●二兎追う者は?
●当たり前の事が出来ない辛さ
●マスコミの道具変遷を見る
●アストロバイオロジーなる学問を知る
●断捨離という言葉が嫌い
●医療のLCC化が始まった
●コンピューターが好きになる本
●美術館の楽しみ方とは
●イップスという名の病気
●知ってるようでしらない毛のお話
●怪魚を釣れたらと
●AI農業とは如何なるものか
●電話ひとつの思いやり
●つじつま合わせは政治家だけではない
●草花の声を聴く
●犯人探しの愚を憂う
●シーズとニーズから見るAIとは
●決して他人事ではないこと
●あとがき
 本編は筆者ブログ「古い羅針盤」(2017.03月)掲載されたものを纏めたものです。
●引用文献
「座りっぱなしが、あなたの健康を蝕む 本当は怖いデスクワーク」:佐々木さゆり
「わが子に会えない 離婚後に漂流する父親たち」:西牟田靖
「AIが同僚」:日経ビッグデータ
「人体-消化の旅 (ニュートン別冊)」:ムック
「先生、それって「量子」の仕業ですか?」:大関真之
「血圧の科学 (おもしろサイエンス)」:毛利博
「科学者18人にお尋ねします。宇宙には誰かいますか?」:佐藤勝彦
「バグは本当に虫だった-なぜか勇気が湧いてくるパソコン・ネット「100年の夢」ヒストリー91話」:水谷哲也
「新生オルセー美術館」:高橋明也
「イップス―スポーツ選手を悩ます謎の症状に挑む」:石原心
「ITと熟練農家の技で稼ぐ AI農業」:神成淳司
「毛の人類史 なぜ人には毛が必要なのか」:カート・ステン、藤井美佐子
「怪魚を釣る」:著者小塚
「大切な人が病気になったとき、何ができるか考えてみました」:井上由季子
「つじつまを合わせたがる脳」:横澤一彦
「草花たちの静かな誓い」:宮本輝
「ルポ 希望の人びと ここまできた認知症の当事者発信」:生井久美子



国際テロリストとは?



「国際テロリズム:その戦術と実態から抑止まで」:安部川元伸氏を読んでいる。

先日のビッグデータ関連の記事で、このITを巧みに使っているのが、テロリスト達であるとの指摘があったが、それは要を得た指摘だろう。この本を使って、再度その活動や手口、そして抑止策について学んでみたい。章は9に分かれ、1)テロリストの教科書、マニュアル、2)9・11を防げたか、3)航空機テロの脅威、4)西側に対する報復テロ、5)日本攻撃の可能性、6)自爆テロの脅威、7)恐るべきスリーパー、8)資金、9)市民を守る方法が主題だ。1章では180ページに及ぶアルカイダ・ハンドブックの存在を提示し、

秘密隠匿、資金管理、身分証明書の偽造、武器調達、西側のサバイバル方法等が詳しく書かれている様だ。又、新兵士を得る為のリクルート手口や対象(若者で世間から孤立し、都会から離れて居住するもの)もある。本では実際の勧誘事例の紹介もあり、生々しい。2章は9・11に至るテロリストたちの足取りを追う。襲撃計画を立てたマレーシア、そして米国西海岸(ダンデイエゴ)入国・滞在、航空学校への入学等、何度か異常はあったが、見逃した事実が記載されている。3章はテロ活動の組織ぐるみの行動に触れ、如何に航空関係者からテロリストを支援する者を排除するかに言及する。4章は西側のテロ被害の実態、2015年以来、10件で死亡者500名、負傷者2000名。5章は一番関心の高い部分。一応、国内では水際である程度防げるだろうと、氏は語るが、永い潜伏期間を掛けて、東京オリンピックをターゲットにしている可能性は皆無ではないと警鐘を鳴らす等だ。氏は公安調査管理官としてのキャリアが永い。参考になる点が後半にも盛沢山だ。他人事と考えず、自分の身は自分で守る姿勢が大切な世の中である。


2017年4月21日金曜日

相反する日本経済の真実


経済系週刊誌に、現状の日本経済を分かり易く解析したものが掲載されていたので、その一部の紹介と私見を交えたい。国家経済には国民の税金から支えられた国家財政と国民自身の資産の両面を考えてみる必要がある。マイナス面からすれば、日本の国家財政は最悪でGDP230%を超える340兆円。一方で、個人金融資産は1706兆円、民間企業の対外純資産残高340兆円と随分とお金持ちに見える。もう一つは、今後の経済成長の行方だ。少なくとも1956年来からGDP成長率は低下する一方で、人口のピークであった2008年より以前から発生している現象である。逆に言えば、高度成長で貯めた資産を今は食い潰すか否かの境界点に来ているとも言える。国家財政を支えるべき国家収入の源泉であるGDPのベースとなるインフレ2%アップを目標とした、強烈な金融緩和、公共投資増大は結局の所、失敗に終わり、いよいよ、財政破綻の暗雲が立ち込めて始めているというのが、週刊誌の見立てだ。そして、そのきっかけは貯蓄率の低下、赤字の膨張に端を発し、経常収支の赤字、財政赤字の穴埋め不能という経路を経て、国債の外国人の保有率アップ&信用力の低下なる最終段階を通じて、最後には国債価格の下落、政府の資金繰りの行き詰りに至るストーリーだ。もちろん、それが何時かは誰にも答えられないが、少なくとも社会保障制度の破たんは運用利回りが0%であれば、2052年には破綻との計算結果も提示されている。私見ではもっと早く、その警鐘は発令されるようにも思うが、どちらにしても、現行貨幣制度ではいずれ限界が来るのは、永い過去の歴史を見れば分かる事だろう。それが戦争による特需、あるいは貨幣・土地制度の抜本的改革(これは政権転覆に近いか)とか、どちらにせよ、国民にとって劇薬以外の何物でもない政策が行われるはずだ。その時を踏まえ、我々庶民が出来る事は限られてはいるが、健康で且つ賢く、何時でも労働力として社会に寄与できる体力を知力を携えておくことかもしれない。少なくとも、AIやロボットに負けない、何かを自分自身として持っておくことが肝要な時代なのかもしれない。



2017年4月20日木曜日

上位0.1%の閾値


「超一極集中社会アメリカの暴走」:小林由美氏を読んでいる。ビッグデータの横暴・暴走を読んだ後だから、更に、それを後押ししている、米国の超リッチ階層の行動は現実味がある。そして、もうどうしようもない位の所まで、彼らはこの世界を席巻し、支配し、天上に棲み付いて、本来当たるべき太陽の光さえも、一般庶民には届かない感すら抱いてしまうのだ。冒頭の閾値は米国での超富裕層の占める割合で、その平均所得は6億円、だが、更にこれを0.01%に限ったら、所得は29億円に膨れ上がる。まずは0.1%に固定しても、彼らの稼ぐ所得の全所得に対する比率は7.5%。これに匹敵する日本の富裕家の比率は1%。要は、幸か不幸か、日本では米国ほど経済格差が進んでいないとも見える。まずはこれは収入面から見た格差だが、借金の面から見ると、逆な事が生じる。0.1%のリッチ層の占める割合は僅かの1%。逆に下位90%の庶民が80%の借金を背負っているのだ。要は儲ける人々は僅かであり、殆どの米国庶民は膨大な借金に喘いでいるという構図が透けて見えてくるのだ。

前置きはこのぐらいにして、本文の章は2章「高騰する勝ち組へのパスポート」で経済格差が更に教育格差を呼ぶ説明があり、3章「実は復活しているアメリカ製造業」でオイル輸入からシェールガス(オイル)輸出への転換が大きなエポックであることの説明があり、4章「強欲資本主義は死なず」で、金融産業と投資ファンドの癒着とも言える資金の移動メカニズムを解き、5章「シリコンバレーの錬金術師たち」で、先のビッグデータを武器として、暗躍する、エリート達を映し出す。この中で象徴的文章は、「データはモノとは本質的に異なる資産で何回使っても売っても減らないもので、ユーザーから無料で得られたデータが膨大に価値を生み続け、繰り返し売った収益が積み上がり、より寡占的で支配的企業に成長してゆく」はまさに、現代社会の闇を表現した記述だろうと感じる。6章「情報革命が人間を駆逐する」、7章「超一極集中が社会を破壊する」と続き、気持ちは暗澹となり、読まなければ良かったと思うくらいなのだ。8章にそうした近未来の世界でのサバイバルについて、氏は幾つかの提案をしている。それは本を読んで学んでほしい。いずれにせよ、時代は確実に寡占化の方向に進んでいることは確かだ。その大きな潮流の中で、我々個人が生き抜く為の方策として、世の中で起きている事のまずは理解こそが重要だと考えている。



2017年4月19日水曜日

BDというモンスターを考える


「「ビッグデータという独裁者: 「便利」とひきかえに「自由」を奪う」:デュガン,マルク,ラベ,クリストフを読んでいる。BD=ビッグデータは恐らく、21世紀の一番の技術開発アイテムだろう。私自身もこれに依存し、これを事業の柱にしている。で、この本を読むと、BDの現状と未来が見えてくる。そして、その未来は暗い。章は17に分かれている。2章はテロリズムとBD。BD無くして、今の様にISは活躍出来なかっただろうという指摘だ。3章はBDが夢見る世界、これは言い換えれば、BDを操作できる、あるいは獲得できるプラットホーム企業の将来。彼らにとって、国家権力程ウザいものはない。4章、プラトンの予言はBDに埋もれる人格の喪失を憂う。5章、ある契約はインターネットでID契約した途端に、丸裸になり、いずれは選挙権さえも取り上がられる恐怖を説く。6章、ブラックボックスの存在とその秘匿性。これはまさにもう一つの最大権力の誕生でもあると。7章、モノのインターネット化。8章、王者たちの夕食会。9章、グーグルに殺されるでは、ネット依存症を懸念する。10章と11章は、0と1の呪いと未来は方程式であるというデジタル神話を恐れ、12章では時間の支配者と題し、グーグル等が秘密裏に開発している未来人間研究を憂う。13章は完全失業者の到来。唯一救済されるかもしれない章が16で自分を取り戻す道、それはなんと悪者を称されているハッカー集団。氏が最後に語る唯一の抜け道は、データ社会から離脱し、感性、直感、混沌とした知能を守り抜く事と結論付けている。だが、それが又、非常に困難である事も示唆している。それは一寸とした便利さを得る為に、膨大な自由を奪われることに、我々が実に無頓着だからでもあるのだから。



2017年4月18日火曜日

意思決定というコスト


出る杭は打つ、あるいは引っこ抜く。日本型社会の欠点と言われている現象だ。だが、ここ新入社員の入社式では、「尖った人材になれ、個性を出せ」と経営者は若者の発奮を促している。さて、どちらが正解なのか?きっと経営者はその前提に議論の場の雰囲気を弁え、更にはセクハラ・パワハラも無く、コンプライアンスもしっかり守り、出来れば英語もちゃんと使えて…なんて、考えている可能性がある。否、私であればきっとそうした条件を付帯する。会社と言えども一つの社会だ。基本的な社会人マナーやルールを守った上での果敢なチャレンジは好まれるが、それを越えた行動はやはり問題だろう。学生時代のクラブ活動や友人関係でも同様のはず。間違えたメッセージは送らない方が良い気もするし、第一、草食系と揶揄されている昨今の若者であれば、社内で暴れる行動に出る可能性自身も低いのかもしれないのだ。但し、何が何でも空気を読んでいたら、社会は進化しない。往々にして、チャレンジャーが新たな文化や風土を創るのだから、若い人には其処は期待したいのだろう。だが、日本企業の問題は若者の非積極性ではなく、寧ろ長く社内に滞留する中間管理職のリスクを回避する態度であろうと、経済新聞でとある人事研究者が語っている。良く有る、何十個と連なる稟議書がその事例だ。多分、最終印を押すか経営者のリスクを回避すべく、中間管理職がありとあらゆる問題点を事前に吟味した結果と好意的には取らえられる。しかし、最終責任者はそれを負っての職務のはず。更には、その何十個という押印過程で生じる中間管理職達が浪費する時間ロスは生産性を低下させている大きな要因にもなる。どんなに考えても、どの事業にも環境変化によるリスクはあるし、決して0にはならない。絶対安全が存在しないように、事業もリスクを負うからこそ、先行者利益が生まれるものだ。だから、海外の経営者は経営判断が早く、解雇というリスクを負う分、手にする報酬も高いという結果に結びついている。但し、即座に欧米式経営形態に変更できる訳ではないから、徐々にハンコの数を減らす努力、詰まり権限規定を明確にし、年棒に従ったリスク負担も視野に入れてゆくべきだろう。若者に訓示を垂れる時間があるのではあれば、何個もハンコを押させている現状の意思決定方法の改善こそ、組織の生産性を高める一番の方法かもしれない。



2017年4月17日月曜日

醬油顔が好まれる時代

新学期や新年度を迎え、テレビニュースなどのキャスターが一新されている。家人、曰く、最近のキャスターって醤油顔が多くなり?と。醤油顔、ソース顔自身かなりの死語であろうが、要はさっぱり系の北方系が多いのかなと思ったりした。そう言えば、最近逆転優勝で話題を浚った、稀勢の里や羽生選手も醤油顔かも。素顔が分かり難く、その分周囲の空気に馴染みやすく、且つ自己主張も敢えてしない、そんな草食系のイメージが強い。何故か?ここで経済系ブログの登場になる。昨今、男性の婚姻率が著しく低下している理由の中に、相手の女性から見ると20代後半は最低年収の要求に応えられない、20代前半から見ると共稼ぎでも可というアンケート結果があるそうだ。要は、金が稼げないなら、家計&育児で頑張れという事だろう。いわば、必然的なイクメン志向を夫に求めているらしい。当然の要求である。こうした風潮が特に若い男女に蔓延し、よって、テレビなんかのキャスターも自然とイクメン風になる?まさかとは思うが、そんな空気を感じ取っている。さる右翼系週刊誌では、少子化対策に、高所得者には一夫多妻制を認可させろ!なんて暴言が書かれていたが、貧すれば鈍す、貧すれば結婚も出来ないし、未来も描けない時代になっている。尤も、イスラムの世界でも一夫多妻制はあるが、全ての男性がこの制度を使っている訳ではない。一部の裕福な家庭、例えば、王族関係者あるいはそれに近い者だけだ。日本でもほいほいと多くの奥さんと結婚出来るほどの甲斐性を持つ男性は少ないだろうし、妊娠率が低下する女性に対し、遺伝子進化(異常変異)に観点からは男性も若い時に子供もつべきと言われている。だから、若い男女が明るい未来を信じ、且つ、少なくとも最低限の生活保障の中で育児が出来る環境整備が必要なのだろう。因みに、家人曰く、愚息も私も醤油顔でもソース顔でもないようだ。将来、愚息が醤油顔に化けて、奥さんの手伝いに励む姿を想像するのは、それほど難しくないのは何故だろうか。


2017年4月16日日曜日

2017(平成29年).04.16書評

先週の評点:
  「東山魁夷 唐招提寺御影堂障壁画展」(〇):東山魁夷、「毒々生物の奇妙な進化」(◎):ウィルコックス,クリスティー、 Wilcox,Christie、「SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術」(◎):ショーン・スティーブンソン、 花塚恵、「定年男子 定年女子 45歳から始める「金持ち老後」入門!」(◎):大江英樹、井戸美枝、「処刑の丘」(△):ティモ・サンドベリ、 古市真由美、「源氏姉妹」(◎):酒井順子、「自由なサメと人間たちの夢」(△):渡辺優。
ノンフィク4、小説3のバランス取り。小説は翻訳ものが入っていて、重たい気がしたが、最近は結構ダメだしの判断が早く、上記△評価はそんな結果と判断して欲しい。新聞や雑誌の評点が高くても必ずしも自分に合わない本とは良く有るものだ。そんな中、「・・睡眠」も「定年・・」も家人にかなり近い話題なれど、多忙を理由に併読を断られてしまった。残念。心配ばかりしてどうするの?なるようにしかならない!と。なるほど、それはその通りなのだが。
今週の課題:
「Tの衝撃」:安生正、「なかなか暮れない夏の夕暮れ」:江國香織、「文士の遺言 なつかしき作家たちと昭和史」:半藤一利、「ビッグデータという独裁者: 「便利」とひきかえに「自由」を奪う」:デュガン,マルク,ラベ,クリストフ、「超一極集中社会アメリカの暴走」:小林由美、「国際テロリズム:その戦術と実態から抑止まで」:安部川元伸。
フィク4、小説2.安生氏は意外に評点低い。困った。江國氏は久しぶり。どうだろうか?
近況:
社外提携先を探して、上京。どこも、身内で何でもできる時代は終わったと言われている。いわんや、中小など悲惨だ。一人辞めたら、干上がる。そんな状況下で色々動いているけど、何処も人出不足。厳しいと実感。そんな中、多忙感で満足度もダウン。でもなあ、何もしなければ、暇からしれないが、いつの間にか、会社が潰れるって事、T芝やT電を見ていると、考えてしまう。一言で、経営者のせいだと片付けられるが、それを選ぶ日本の方法は減点主義の和合主義。大胆な取り組みなど出来るはずがないし、と思うのは私だけだろうか。
一方、お休み中の家人とは遅めの花見と「君の名は」で有名になったカフェでランチを頂いた。開店前にはそこそこの列待ちで、且つ、店内からは始業前カツ入れが聞こえてきたりしたで、何処も厳しいなあと、ほっとしたりした。まあまあの初夏の一日で、どうにか今週も此処までやってきた感じだ。



2017年4月15日土曜日

睡眠を極める方法


SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術」:ショーン・スティーブンソン、 花塚恵訳を読んでいる。一番読みたくて、一方では一番読むのが怖い本だ。明らかに睡眠不足であることが分かっていて、それをどうしても克服できないからだ。出張宿泊先ではもちろんだが、自宅でもどうしても早起きしてしまう癖は本当に退職したら改善するのか?と自分に問うと確信が持てない自分が居るのだ。この本はまさに睡眠を中心に全てを語るので、そんな睡眠不足自覚の自分が嫌になってくるのだが、謙虚に読むのが良いかと思う。さて、章は睡眠は人生のすべてを左右する、から始まる。認識編が洒落ている。まずは睡眠をスケジュール化する&人生の質を睡眠が握っていると考える事と。2章は睡眠ホルモンを自らつくりだす。ここもサブ編が良い。午前6時から8時半の間に太陽光を浴びる&休憩時間に外出&サングラスは外せ。3章は電子機器の使い方をみなおす。ここもサブ編を紹介すると、就寝90分前にはブルーライトは遮断&スマホ以外の楽しみ見つける。4章はカフェインの門限は午後2時。サブ編では、コーヒーは午前中に飲む&禁断症状から逃れる。5章は体深部の温度を下げる。サブ編では、室温20度C前後&寝る2時間前に風呂に入る&靴下の活用。6章は午後10時~午前2時の間に寝る。サブ編では、起きたらすぐ太陽光を浴びる&睡眠サイクルの維持&一回90分のカウント。7章は腸内環境の整備。8章は寝室。9章になると夜の生活にまで言及している。総計章は21章。全部は紹介出来ないが、是非睡眠不足でお悩みの方、当然私も含めて必読の本だ。兎に角、具体的提案が豊富だ。ここまで拘るのは、冒頭の睡眠こそ、人生で一番重要と氏が考えているからだろう。科学的根拠も豊富だし、何となくこうすれば良質の睡眠が取れるのでは?と勇気を貰える気もする。早速、私も幾つかは採用したいと思う。例えば、スマホをベッドに持ち込まないのは当然だが、アラーム代わりに持ち込んでいる家人の同意が得られるかどうかは定かではない。最後にアーシングという聞き慣れない対策が登場する。これも注目の睡眠促進方策かと思うので、ネットで検索し、参考にして頂ければ、幸いである。



2017年4月14日金曜日

毒を食うなら皿までも?


「毒々生物の奇妙な進化」:ウィルコックス,クリスティー、 Wilcox,Christieを読んでいる。これはまさに毒に魅せられた生物学者の書き物だが、生物から生命科学あるいは社会の犯罪者に至るまで、毒尽しの本で大変面白い。冒頭で登場するのは、米国漫画で有名になった、「カモノハシ」。あの探偵ペリーの登場だ。あの動物が極めて特異な形態をしている事を知っている人であれば、足の爪には猛毒が隠されている事をご存じかもしれない。可愛い顔をしているからと言って迂闊に寄ると痛い目に遭うはず。まずはご注意を。次はやはり毒蛇だ。
世界で10万人近くが未だに彼らによって命を奪われていると聞くと、ぞくぞくしてくるのは私だけではないだろう。以前、脳の発展に、ヘビへの畏敬、及び恐怖が関係していると紹介した事があるが、氏も同様の指摘をしている。人類に近い生物はヘビに関して独特の視覚能力を持っているのは有名な話である。但し、一番のキラーは蚊である。(もっと多い殺人を犯しているのは、実は同胞の人間であることはブラックユーモア的に語られる事実ではあるのだが)何とマラリアだけでも60万人が未だ一年間で命を落としているからだ。さて、こうした毒生物に対し、我々人類を含め、何もして来なかった訳ではなく、抗体手法という、いわば、事前感染させて生き残った優秀なタンパク質取得という方法がある。自然界では毒蛇を食料にしている哺乳動物が48種も居るらしく、有名なものには、あのマングースも登場する。彼らに負けない人類も居る。自らヘビの毒を注射し、自己免疫化にチャレンジしているのだ。又、其処まで強烈な対抗策ではないが、あのアレルギー反応もこの毒素感知機能の一種であるらしく、進化とはやはり凄いものだと感心する。結局、毒とは人間から見たある種のタンパク質に過ぎず、それも又、その保有生物の進化の過程で必然的に生まれたものでしかないのだ。毒がどういう機構で人間の神経を麻痺させるかは、最近では経済系週刊誌にも掲載されていたので、参考にされたい。ちなみに、氏はキュートで若い女性生物学者だが、猛毒生物も何のその(と言っても何回か命の危険に晒されながら)世界を飛び回っている猛者だ。いやはや、蓼食う虫も…の例えだろうか。だが、こうした献身的且つ意欲的?科学者たちのチャレンジで私たちは日常平穏な生活が守られていることに感謝しなくてはならないのだ。




2017年4月13日木曜日

贈答文化が後押しするもの


日本には慣習として、独特の贈答文化がある。お中元、お歳暮だ。更に最近はこれに父の日、母の日が加わり、誕生日にバレンタインデイにホワイトデイと、商魂逞しい小売業者に煽られている。気は心だと言いながら、ほぼ毎月、何を贈るかで、家人と結構いざこざを起こす。その多くは私の無関心さに根付くものなので、聊か閉口もしているのだが、丁寧に越したことはなく、便りの代替品をして取り組んでいる次第。問題はこの習慣が株やふるさと納税にも反映している点だ。我が家でも家庭用品や食品が届くと、イッキに父親の株の方も上昇するので、NISA&株主優待株を優先して購入しようとしている。しかし、上には上がいるようで、経済新聞を読むと、優待クロス取引なる、決算日前後での株取引の裏技もあるようだ。但し、この株主優待制度は日本特有なようで欧米では数十社に留まるようだ。物を媒体として、コミュニケーションを豊にする独特の贈答文化がこれを後押ししている様なのだ。ふるさと納税も根っこは同じ。住民税の代わりに、ふるさと物品を返礼するシステムで、かなりのお得感もあり、利用する人も急激に増えているようだが、こちらは政府がその過熱ぶりに水を掛けようとしているようで、暫し様子見であろうか。我が家でも掛け声倒れ(要は、私はやらねば、誰もやらない訳で)の状態がここ数年続いている。第一、大量の肉や果物を一度に貰っても、三人家族では食べきれる訳もなく、コストコなどそのボリューム感に圧倒され、二度と行かなくなった経緯もあるからだ。いずれにせよ、個人投資家割合が少なく、預金志向の強いと言われる日本人を如何に株へと感心を持ってもらえるかに、各企業とも四苦八苦しているのが現状なのだろう。物を貰ったり、上げたりが好きな文化こそ、日本人の他人を利する利他的行為の象徴でもあるが、気を読む、気を感じる気難しい日本社会の中では、意外に効率的で手っ取り早いコミュニケーションツールでもあることも確かではある。



2017年4月12日水曜日

100年という人生設計


「定年男子 定年女子 45歳から始める「金持ち老後」入門!」:大江英樹氏、井戸美枝氏を読んでいる。何と、この本はベストセラーなのだそうだ。という事は皆が老後の事を心配している表れでもあるだろう。近々破産だと煽られている過度な財政負債の中、将来の社会保障制度の存続に、国民の皆が不安を抱いている証拠でもあろう。本の名前には45歳とあるが、これより若くても、あるいは老いていても、参考になる本なので一度、手に取った方が良いかもしれない良書だ。会社では私の所に、退職金の使い道や年金その他で助言を求める社員が居るが、こうした具体的な老後の生活方法については、意外に不安を煽るものしか存在しないので、こうした具体的且つ実際例に即した本は役立つと思う。さて、章は金持ち老後のために知っておくべきこと、月8万円の収入で老後の赤字は消える、病気と介護にかかるお金、幸せな老後のために45歳からやっておくべきこと、の4つだ。1章の知っておくべきことはお金のインプットとアウトプット。前者は公的年金、後者は日常の経費だ。定年後は無駄な出費を抑えるべきことは当然。2章の8万円の根拠は前章でアウトプットがインプットを上回るからで、しかも定年と公的年金の支給年に隔たりがある為に、これが起きる。よって、再就職すべきと説く。但し、変なプライドを捨てると共に、嫌な仕事はしない事等だ。3章は健康とお金のバランスの話。ここは自分の自己資本との相談部分だ。残るは4章。ここは会社員と自営業で大きく異なるようだ。会社員の場合は、孤独対策。自営業は蓄え。共通的サジェッションは熟年離婚の回避、定年後の家計収支は月5万円程度の赤字、そして、三つの「ひ」。これは本で読んで欲しい。お金も人付き合いも皆、手段にしかない。夫婦という形態も一つの手段だ。長い人生だからこそ、自分に素直になって楽しく生き抜いてみたいものだ。この本はやや不安勝ちになる老後に大いなる勇気を持って船出するに良い羅針盤ともなるかもしれない。



2017年4月11日火曜日

異訳も一興かと



「源氏姉妹」:酒井順子氏を読んでいる。負け組、勝ち組ですっかり著名になった氏だが、しっかりとこの様に、古典を凡人たちに分かり易く紹介してくれる達人でもある事に少々驚いている。しかも、閨事に拘り、華のある光源氏をここまで貶める手口は、やはりイケメンの良いとこの出のジゴロには深い恨みあり(現代で言えば、お金持ちで、イケメンでのホストクラブの男の子?)と推測したが如何だろうか。それにしても、秀逸なのは光源氏と「しちゃった」年表で、桐壺の方から、雲隠の方まで、計44名。何と、百人斬りには及ばなかった訳だが、光源氏の歳は12から果ては60までの展開となる訳で、いやいやお盛んな事には違いない。冒頭の姉妹は光源氏としちゃった女人たちは、皆兄弟ならぬ、姉妹という下りも何処まで本気で、何処までパロデイにしているのかは、氏らしい取り組みなのかもしれない。時折、氏の女性?としての本音がちらちらと見えるのも一興で、女性たるもの、金や力を持った男に弱くてはいけないと格言を述べたりしている。そして、究極は源氏物語の中心的役割を果たしている、ヒロイン、紫上方を取り上げた部分だ。これを氏は少女誘拐がきっかけと論じて見せ、嫉妬を演じない愛人に育て、真の恋人である藤壺の身代わりである事も知りながら、ひたすら源氏に仕えるのだが、其処には子供の出来ない弱みと同時に、深く黒い感情を源氏に抱いていたに違いないと断じる。下に女性は怖いものだと実感。否、再認識。ピロローグは図表に取り上げられた女人たちの座談会。最初に登場するのは、六条御息所、葵上、夕顔、紫上、女三の宮だ。言うなれば、天皇の未亡人、初妻、賤しい産まれの女、愛人、正妻となろうか。ここは入り組んだ愛憎ありきの会談となる。次は…ブス会、ママ会、エロ会、最後は源氏ツアーまで用意する周到ぶり。なんだこんだと言っても、源氏物語には深い憧憬があるようにも見える。面白い。流石、氏である。お薦めの本でもある。


2017年4月10日月曜日

10年という重み


「東山魁夷 唐招提寺御影堂障壁画展」:東山魁夷氏を読んでいる。美しい日本画の大御所とだけでしか、氏を評価していなかったが、氏62歳で打診され、73歳で無事奉納に至った、唐招提寺御影堂障壁画は氏の総決算でもあっただろうし、鑑真という名僧との時空を超えた対峙でもあっただろうし、中国と日本、特に裏日本を中心とした、海を隔てた文化の違いをも超える偉業でもあったかと思う。言わば、絵画という平面的な、且つ、なお更に平面的な技法をベースとした題材を、逆に障壁画という空間を得ることで、自由かつ壮大に展開できる喜びに、東山氏がチャレンジしたのは、これが初めてではない(フィラデルフィア公園での松風荘)ものの、7世紀来の仏教との対話も必要であった事から、日本及び中国各地の何十か所という取材旅行を行ったのも、その意気込みが感じられるというものだろう。又、いきなり壁画にするのではなく、綿密な下絵から、縮小された構想絵等、11年間掛けて創り上げた熱意と努力と執念は氏ならではの偉業でもあったかと思う。もちろん、氏は唯我独尊で作品を手掛けたのではなく、鑑真像を中心にして、やはり足掛け10年という遍歴を受けての来日された、日本への憧れと残してきた中国への想いを、青を中心とした明るい日本画で日本を描き、水墨画で中国を描くというコントラクトも採り入れ、色彩を使った時空の深みを表現したのも、秀逸な作品でもあったのだろう。本には細部に渡る氏の作品が掲載され、海原や森林の自然の営みを克明に記す氏の素晴らしい技量も伺え、絵画のやはりベースは自然に存在し、それをどう自分の目で見切るかだろうなんて、少しイラストレーターの立場から考えたりした。この僻地から奈良は聊か遠方であるが、こうして学んだ視点で是非訪れてみたい壁画である。



2017年4月9日日曜日

CGコレクション 2017.3月販売開始

古い羅針盤の表紙を飾ったCG画像を本に纏めました。

2017(平成29年).04.09書評

先週の評点:
「中野京子と読み解く 運命の絵」(◎):中野京子、「東大が考える100歳までの人生設計 ヘルシーエイジング」(◎):東京大学高齢社会総合研究機構、「「ポスト真実」時代のネットニュースの読み方」(◎):松林薫、「この1冊ですべてわかる 情報セキュリティの基本」(〇):島田裕次、「出会いなおし」(◎):森絵都、「果鋭」(◎):黒川博行、「我らがパラダイス」(△):林真理子。
ノンフィク4、小説3.小説は大好きな黒川氏、久しぶりの林氏。黒川氏の今回の裏社会はパチンコ。林氏は今回もやはりだった。その分、森氏の短編集が秀逸。同じ作家でもこれほどの違いがあるのは何故か?知性の力か?
今週のお題:
  「東山魁夷 唐招提寺御影堂障壁画展」:東山魁夷、「毒々生物の奇妙な進化」:ウィルコックス,クリスティー、 Wilcox,Christie、「SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術」:ショーン・スティーブンソン、 花塚恵、「定年男子 定年女子 45歳から始める「金持ち老後」入門!」:大江英樹、井戸美枝、「処刑の丘」:ティモ・サンドベリ、 古市真由美、「源氏姉妹」:酒井順子、「自由なサメと人間たちの夢」:渡辺優。
ノンフィク4、小説3のバランス取り。小説は翻訳ものが入っていて、重たい気がするが頑張ろう。
近況:
先週から続く、操業不調が重い。機械も人も故障するが、普段からのケアが欠かせないのは同じである。私も夏に向け?若干の再ダイエットチャレンジ開始。要は暴飲暴食防止と睡眠強化なのだが、これが意外に出来ない。欲望と節制のバランスは愚かな私にはいつも前者が勝っている。来週から出張が重なり、又もや、体力勝負になる。要注意である。愚息は新学期を迎え、無事クラス換えも終了しホッとしている。嫌いな同級生と一緒にならず、やや表情が明るい。どちらにせよ、総体が控え、その後は受験勉強。どこまでストレッチ出来るのかに掛かっている。家人は暫し休養中。表情も穏やかで家内安全だ。一緒に桜でも観に行こうと誘っている所。まあ、平和ぼけした田舎の生活を堪能している。

2017年4月8日土曜日

ヘルシー・エージングとは?



「東大が考える100歳までの人生設計 ヘルシーエイジング」:東京大学高齢社会総合研究機構を読んでいる。このテーマは冒頭の言葉に集約される、定年以降の下り坂をどう生き抜くかを具体的課題で論じたものだ。老いも若きもこれは必読の本であろう。冒頭で本は、日本人の多くはダラダラ下り型が多く、①筋力低下や怪我による運動機能の障害、②脳血管障害の後遺症、③認知症が3大トラブルと語る。要はこの三大要素を如何に防ぐかがその改善ポイントと言う事だ。そして、その基本原則は「食う、寝る、遊ぶ・働く」と。章は、〇食事・運動・休養、〇住まい・身の回り環境、〇あそび・たのしみ・しごと・居場所、〇いざという時の為の4つに分かれ、具体的対策が書かれている。例えば、食事編であれば、一汁一菜、脂質重視、温野菜などがキーワードか。運動編であれば、ストレッチ、筋トレ、バランス運動、有酸素運動か。休養編では朝の習慣か。住まい編に転じれば、夫婦の寝室を別、睡眠環境の整備、IHコンロ、寝室の側にトイレやバスルーム、家事の男性参加、身だしなみか。生き甲斐編に進めば、定年後の夫婦関係の自立と連携の再構築、第三の居場所の発見、日記、街に出る、旅に出る、仲間をつくる、等。この章はかなり続く、音楽、コミュニケーション(はがき、手紙)、シニア起業・人材センターで働く、

おひとりさまを楽しむ、ペット、異性交際、シニア婚活等、具体的事例が山のように書かれている。最後は締めだ。身の丈にあった老後生活。これが何よりだと論じる。住まいのダウンサイジング、素食、光熱費の削減、生命保険の見直し、資産運用・不動産投資、公的介護サービスの熟知、地域包括支援センター、高齢者向け住宅の選択、ミニマムケアの原則、地域福祉権利擁護事業、エンデイングノート、遺言・相続、葬儀、お墓まで、しっかりと記述されている。

まあ、この世に生まれたら、誰もが死ぬのは運命だ。そして早いか遅いかの違いしか無い事も確かだが、出来れば人生をフル活用したいと思うのが人間。その為に、この本は人生航路の一つの指針にもなろう。一度目を通して、これからのやるべき事項を少なくとも頭でシミュレーションは可能だと思うが、如何だろうか。


2017年4月7日金曜日

運命を絵画で観る


先日、経済週刊誌に芸術関連の特集が掲載されていた。予想通りに、芸術とは食えない職業である事、権威主義である事、そして、日本はガラパゴス状態である事があからさまに書かれていた。確かに、食えない。これはイラストレーターとしての本音だ。小説の方がまだまし。多分、時流に乗ることがどちらも重要だが、絵画の方が数段難しいには違いない実感がある。逆にキュレーターだった過去をバネに、小説家に転じた原田マハ氏や、「運命の絵」の中野京子氏も、その一人になるだろうか。絵に触発され、あるいは絵に狂った絵師に触発され、物語を創ることは、ある意味で二次創造の世界ではあるが、又、それも芸術と呼べるのかもしれない。さて、冒頭での戯言はさておき、本の中で紹介される運命の絵は20作ほど紹介されている。まずは表紙には登場しているシェーフェルの「パオロとフランチェスカ」。中世時代の悲恋の実話がベース。

但し、双方が不倫の相手であったが故に、地獄に落ちた絵がこれに相当する。愛と死が同時背中同士にある運命の瞬間。次はビイクトルの「自画像」。不気味な自画像。片眼が溶け落ちているのだが、画家はこの絵を描いた7年後に喧嘩により失明している。運命が絵を描かせたのか?絵が運命を引き寄せたのか?その次はムンクの「叫び」だ。この絵は盗難に二度遭うと言う運命と、且つ4作も大きさの違う「叫び」が描かれている事、そして、精神病に罹っていたムンクがその治癒以降が全く、絵が描けなくなった事実もやはり、「叫び」の運命なのだろうか。官能的な作品はやはり想像力を刺激する。シュトウウック「スフィンクスの接吻」、モロー「オデイプスとスフィンクス」、更にはジョン・ウイリアム「ヒュラスとニンフ」等、文学者である氏の想像力を大いに刺激するのだろう。絵だけ見ていても、面白いが、その解釈を読むと、それ以上に絵の解釈が深まる。誠に贅沢な時間でもある。



2017年4月6日木曜日

米国でソフトヤンキーを考える



大国の新大統領が日々物議を醸す行動に出て、マスコミを賑わしているが、彼を選択したマジョリテイである白人中年の貧困さについて、経済新聞に解析記事が載っていた。その結論は地方に棲み付きながら、教会に自分の個人的自由を求め、結局は人生に絶えず失望し、薬物やアルコールに依存するのでは?という風景だ。更には銃自由社会更には、鎮痛剤と称した医療用麻薬の自由な入手環境は安易な自殺手法を助長しているとも指摘している。そして、これに追い打ちを掛けるのが、公的医療・失業支援の薄さで自己責任と言う名の過酷さの様だ。アメリカンドリームの裏には、失敗者には誰も手を差し伸べない競争社会の原理原則が存在しているのだ。では、ここで地方に根付き、同じく高卒程度で成功している日本のソフトヤンキーとの違いを考えてみる。日本も自殺者が多いが、それが地方で多いかと言えば、必ずしもそうではなく、中年一般であるし、寧ろ都会の方が比率は高い。更には無宗教故に、頼るべき教会も無く、地縁、血縁が唯一のセイフテイネットである。逆に都会は人口密度は異常に高いものの、土地代が高く、地縁、血縁を張るほど資産を形成するのは、かなり困難だ。それに比べ、田舎の土地代は安く、且つ相続&継続可能である故に、地縁、血縁を維持し易い環境にあるとも言えるのだろう。更には、経済格差が確かに存在するとしても、それが学歴という形でしか明快には現れず、第一、そうした知性の微々たる格差など元々、田舎に置いては気にしないのだ。故に、日本の地方に永く広く住む人々の方が、都会で狭いマンション等の中で押し潰されそうになっているよりは、ずっとマシという構図が見えるのだろう。但し、都会の利便性に目覚めてしまった現代の日本人にそれを唱えても空しい限りではあるのだが。


2017年4月5日水曜日

新たな真実を求める為に


「「ポスト真実」時代のネットニュースの読み方」:松林薫氏を読んでいる。問題提起は実は1970年頃かららしい。言わば、ネット社会が登場して、この変化は起き、そして、問題点として顕在化し出したのが最近という事らしい。事件とは、あの某ゲーム会社が興した似非情報サイト。似非が真実のように拡散する恐ろしさを氏は憂い、警鐘的にこの本を書いている。この手の警鐘とならばどう真実を手取るかは、「僕らが毎日やっている最強の読み方」池上 彰, 佐藤優両氏のマニュアル本の方が手っ取り早いが、逆に氏は日経記者だった経験を踏まえての執筆なので、じっくりその理由と現象、そして対策について読み砕く必要があるだろう。章はネットで変わったジャーナリズム、ネット情報を利用する前に、ネット情報の利用術、高度な読み方&活用法、メデイアのこれからの5つに分かれている。一番面白いのは、1章のネットで変わったジャーナリズムか。ここはジャーナリズムの本質的変化、ネットの信頼性をめぐる問題、メデイアが提供する7つの価値、メデイアと世論の4つに分かれる。その大きなものは双方向性、読者側の影響力大(不買運動)とタブー化、そして、フェイクニュースを防止する為の団体もしくはプラットフォーム責任等だ。そして、メデイアの存在価値に触れて、娯楽・暇つぶし、共通の話題、意思決定に必要な情報、多様な意見の提供場所、アゲンダセッテイング、教養・学習・実用情報、歴史の記録の観点が重要と。世論との関係も複雑だ。広め、動かし、逆に動かされる媒体でもあると、だが、ネット流通により、メデイア側の発信力が弱まり、広め、動かす力が激減している点を氏は指摘する。そして、その為には受け手である読者側の冷静な報道への対処も必要だと氏は諭す。2章からはメデイア自身への理解だ。まずは、ネット上での情報の旧来型の情報との違いは、活字なのか手書きなのかが判別つかない点、書き直しが可能であるとの前提である点、未完成でのあっても許される点等だ。又、メデイアの限界も知るべきだろう。取材、時間、字数、読者、収益だ。3章は対策。メデイアを生態系として捉えるとして、新聞と週刊誌の相互棲み分け、ネット専業メデイアや個人ブログ&SNSの台頭、裏どり(公的機関情報、金融機関・大手シンクタンク、一般紙、学術誌、専門家によって引用されている書籍で確認)、複数の情報比較、信頼性の確認(誤字脱字無い事、ポジショントークが可能かどうか、執筆者や資料の出典が明確かどうか)、教材としての紙媒体の利用等だ。

最後に、氏は読者としての自分の立ち位置を定める必要性を説く。前作「新聞の正しい読み方」に次ぎ、良書だ。是非、メデイアに関わる方々は目を通す必要があると思う。私もブログの書き手として、幾つかの示唆を受け、今後の作成に留意してゆきたいと思う。



2017年4月4日火曜日

パチンコ業界の闇再び


「果鋭」:黒川博行氏を読んでいる。直木賞受賞以来、生まれ変った?ように、多数の作品が又出版されるようになって嬉しい。だからなのか、一旦死んだ?もしくは、そのシリーズが終了したかの様に思えた主人公たちが次々と再生してきて、楽しい。先日、紹介した「破門」のヤクザの桑原と自称建設コンサルタントの二宮コンビ、そして、今度は「悪果」で滅びたはずの悪徳警官の堀内と伊達が市民として復帰してきた。そして、その悪を展開するのが、パチンゴ業界というから、これを読まない手はないはずだ。以前であれば、山崎豊子といった情報小説の帝王が居たが、今はそんな面倒なことに時間を費やす作家は少ない。唯一、石田衣良氏の「池袋ウエストゲートパーク」位か。だが、あれでは、新聞の一寸した記事をやや拡大した程度。それに比べ、黒川氏の世界はかなりホンモノっぽい。普段は正当に見える表社会の裏を見せる事で、徐々にではあるが、本来は社会のダークヒーローを段々と正義のヒーローに見えてくるから不思議だ。パチンコ業界は、このブログでも何度かギャンブル依存症と並行して、紹介してきている。その時には、超低確率の宝くじのからくりや、こうしたギャンブルと官僚(各種許認可関連の役所、警察諸々)との何とも言えない癒着についても、絶望的に紹介したと思う。故に、黒川氏がそれをより鮮明に劇場化しても、それほどは驚きはしなかったが、逆に何処までが真実の世界なのか?と真偽も含めて読んでしまった。特に、既に電子機器になってしまたパチンコ台の勝率の遠隔操作や、パチンコ玉交換機であるジェットカウンター操作等、その裏手口を知る限りに置いて、ギャンブル依存症に手助けしているのが、公僕である官僚であるとしたら、何とも言えない気分に落ち込むのは私だけだろうか。尤も、黒川氏は金でしか動かない人間全てに厳しく、夢見る事もない。それは又、このグローバル化という名のもとで拝金主義に陥っている現代社会への絶望感が書かせているかもしれないと考えたりしている。



2017年4月3日月曜日

訴求性のある電力自由化とは


経済新聞に電力自由化の1年目の通信簿が各見識者から述べられていて、面白く読ませてもらっている。その中で京大教授の訴求性あるセット料金が中々説得力がある。氏が指摘するように、自由化一年目で低減した価格と拡大したシェアは予想通りであり、そこそこの結果であるようだ。そして、その理由として期待されたほどの売値低下が無かった点を挙げている。これは私の目から見れば当然である。電気にしてもガスにしても、その多くは輸入される燃料価格とリンクしていて、余程の省エネ型の発電機を導入しない限り、売値の原点であるコストの削減は期待出来ないからだ。美しく、楽しいCMだけで売値が下がるのなら、これほど楽な商売はないし、それはまやかしだ。その意味で言えば、下がられる余地は固定費。詰まり、並列販売による人件費等々の経費削減が可能だ。これがセット料金という形で表現されることになる。但し、小売り側の電気と自前の商品との親和性が悪いと、無理が生じ、それほど値段を下げるには至らないという羽目にも陥る。今回それでも、価格が5%程度下がったのは、元々大手電力会社で占有していた市場故に人件費等も高めだったせいもあるだろうと思う。そこを長年虐げられてきたガス会社、あるいは競争社会で凌ぎを削っている携帯電話会社などに狙う打ちされたのだ。それをセット料金というマイルドな表現で取り進めているだけだ。よって、これはある意味では、電気(あるいはガス)販売の過当競争の始まりであり、一般消費者にとっては短期的には売電価格の低下というメリットはあるものの、長い目で見れば、従来大手電力会社から享受していたサービス(安定性、顧客重視性)はやや低下する懸念はあるのだ。確かに、氏の言うように、市場の自由化はサービス料金という訴求性の高い販売がカギを握るだろう。しかし、出所が同じの発電所を使う限りに置いては、幾ら親和性の高い産業の新規参入が可能になったとは言え、その値下げの裏側で起きるサービス劣化に関しては、決して安易な見解は述べるべきではないかもしれない。



2017年4月2日日曜日

2017(平成29年).04.02書評

先週の評点:
「つじつまを合わせたがる脳」(〇):横澤一彦、「大切な人が病気になったとき、何ができるか考えてみました」(〇):井上由季子、「ルポ 希望の人びと ここまできた認知症の当事者発信」(〇):生井久美子、「強制収容所のバイオリニスト―ビルケナウ女性音楽隊員の回想」(◎):ヘレナ・ドゥニチ‐ニヴィンスカ、田村和子、「産業遺産JAPAN」(〇):前畑洋平、「草花たちの静かな誓い」(◎):宮本輝。
ノンフィクは情報としては良いが、もう少し突っ込んだ議論や私見があっても良かったのでは?事実や事例の羅列では書籍とは言えないかも。宮本氏の小説は驚いた。この作家の間口に広さに脱帽です。
今週の課題:
「中野京子と読み解く 運命の絵」:中野京子、「東大が考える100歳までの人生設計 ヘルシーエイジング」:東京大学高齢社会総合研究機構、「「ポスト真実」時代のネットニュースの読み方」:松林薫、「この1冊ですべてわかる 情報セキュリティの基本」:島田裕次、「出会いなおし」:森絵都、「果鋭」:黒川博行、「我らがパラダイス」:林真理子。
ノンフィク4、小説3.小説は大好きな黒川氏、久しぶりの林氏。黒川氏の今回の裏社会はパチンコ。林氏は今回はどうだろうか。振れ幅の大きさが氏の問題。今回は高齢社会。身の丈に合ってるかも。   
近況:
家人と愚息は春休みに入り、リラックス中。それが家庭内にも広まり、少し穏やかな日々が送れるようになったと思った途端、会社で重トラ発生し、土曜日出勤と相成った。その付けを何とか、月曜日に取り戻そうとすれど、生憎の悪天候。家族には気の毒な事をした。トラブルのきっかけは10年前の大トラブルの残骸のようだ。温故知新。中々、中小では上手く回らないのが現状だ。それにしても人手不足。世の中にはニートが25万人、一方では留学生待遇で働く外国人は100万人を超えたと聞く。何処かが狂っている気がする。このままでは、70歳定年もありきの時代は間もなくやってくる気がする。定年して悠々自適の団塊世代以前の人々が恨めしく見えてくるのは、私だけでは無い様にも思える。


2017年4月1日土曜日

無料キャンペーン 4月分開始 「愉快な政治は好き?」

無料キャンペーン 4月分開始 「愉快な政治は好き?」
期間 4/1~5
愉快な政治は好き?
古い羅針盤38章
モノ申す人の取り扱いとは
情報発信の在り方を問う
一富士二鷹三茄子はみたか?
猿のお話し
ラーメンという歴史が見える
脳には取締役が必要!
パイオニアという宇宙視点を問う
翻訳家という理性の橋を問う
残業という偽証
歴史に翻弄される日本住居
不愉快な政治
六百万年前発生した1%の奇跡
がんと言う金銭感覚
6秒を競い合うメデイアの世界
毒親という新たな就活
オムニとフィンテックの根っこにあるモノ
1兆個のセンサーが世界を俯瞰する世界とは?
男こそアンチエイジングが語るもの
パリの地下には何がある?
賞取りは寿命を左右するらしい
愉快な政治家とは?
囚人がハーバード大卒となる日
親には一人暮らしをさせなさいが、肝!
大学という入・出口論
資本主義の必然的終焉を問う(1)
●あとがき
 本編は筆者ブログ「古い羅針盤」(2016.01月)掲載されたものを纏めたものです。



決して他人事ではないこと


「ルポ 希望の人びと ここまできた認知症の当事者発信」:生井久美子氏を読んでいる。今後の老後を考えると、認知症は避けて通れないゲートだろう。そのゲートを如何に上手に潜り抜け、現実の生活として活かして居るのかがこの本には沢山書かれている。ある意味では、そうした報道に応じるだけでも勇気がある方々だ。故に、我々はそれに真摯に耳を傾け、素直に自分の事として聞き取ることは重要だと思う。皆さんが語るのは、十年ほど前までは、痴呆と揶揄され、差別の対象にまでなっていた病気がある程度、社会的に認知症と改名され、誰でも起きるという真実が伝わった事で、自らもアルツハイマーであると宣言出来た事が大きかったと述べる。逆にアルツハイマーと宣言するがきっかけとなり、人生にも周囲の人にも素直になれた事が大きかったとも述べる。そして、もう一つはその消えゆき記憶を強力にサポートしてくれるパートナーだ。概ね、それは夫であったり、恋人であったりする。やはり普段から支え合えるパートナー育成?が必須であることの証でもある。又、信心の心が別な支えになるようだ。本中にはパスカルの賭けという事例があり、神や天国があると思って祈って置いた方が得であるという単純な発想だ。無いと思っていれば、それで終わり。もしあれば、ちゃんと天国に入ることが出来るからお得。そんな考えだ。軽くて明るくて良いと思う。そして、最後は認知症同士の交流だ。それは傷のなめ合いではない。素直に認知症を認め合う心の交流とそれにどう対処するかの貴重な情報交換の場でもあるのだ。但し、現実的には皆、当初は悩み、自殺まで考えたようだ。それだけ深刻な病気であり、人間を否定されるようにも思えるのだと言う。記憶を糧に行動パターン認識している現代人には、記憶を失って行くこと自体が死亡宣告をされたも同様に感じるのだろうと思う。

そして、最後はサポートすべき周囲の気配り、例えば、徘徊は不安解消歩行等、深く思いやりをもって理解することが重要と語る。何処かの前都知事が盛んに記憶に無いと弁明していたが、本当に記憶にないことで苦しんでいる人々が多く居る事、そして、その症状は何時でも誰でも、何処にでも発生することを知っているだけでも大切な一歩かと思う。是非、読んで、自分の事をして考えてみて欲しい本である。