2017年8月17日木曜日

IOAなる視点


IOTやAIの話題には事欠かない。新聞や雑誌で常に目にするものだ。その多くはその顕著な進歩に期待感と不安感の両サイドに触れるものが多いのだが、

今回は期待感の多い方にやや言及し、経済新聞の関連記事を紹介してゆきたい。

一つは昨今のAIの進歩な生物が進化したカンブリア紀に似通っていて、その要因は視力の獲得だとのカラム。AIと両立する昨今のデイープラーニングなる情報処理方法がそれに当たるとカラムは語る。確かに、AIは膨大なデータを必要とし、それに昨今の人間の能力を超えるセンサー類が更に加わり、天下無敵の解析結果を我々に突き付けてくる。だから、囲碁や将棋ではもうAIには太刀打ち出来なくなっている。だが、時代はこれを実産業へと繋げる段階になりつつあり、今こそ、モノつくりが得意な日本の活躍の時とコラムは述べる。

(但し、ドイツや中国の台頭が激しく、日本は既に遅れているとのマイナスの指摘も加わっているが)もう一つはこのAIを脅威として見るのではなく、協力者あるいはサポーターとして捉えるとの考えだ。それが冒頭のIOA、詰まりインターネット・オブ・アビリテイだ。ぶっちゃけて言えば、今までの電卓の拡張版をAI機器が肩代わりするという意味だ。電卓は万人が使えるが、数学の得意な人が使えば、その計算速度はかなり早くなるはずだ。よって、コラムが紹介するのは、アドバンスド医師、アドバンスド弁護士など、専門知識に記憶や過去の事例探索等のサポートを受けた高度知識と持つ職業群の新たな生成でもある。さすれば、膨大な過去の判例を勉強する必要性も、且つそれを出題して受験合否を決める司法試験も形が変わり得るかもしれない。その意味ではこれから、どうアドバンス出来るのかを既得権で守られている方々は考える必要が出て来たとも言えるのだろう。要はここでも競争原理は働き、AIを他人事と考えるか、否かで今後の将来も変わるという事だろう。




2017年8月16日水曜日

人生100年の計を考える


日本人の寿命が大台の百歳に限りなく近くなった現在、従来の人生模様とは違う設計が必要とされている。更には、それに男女の寿命の差異(女性が十歳ほど長生き)と婚姻率の低下によるおひとり様増加(これも女性比率が向上)が複雑な影響を与えている。これだけ考えると、男性側は死ぬまで女性にケアして貰えると安易に捉えるかもしれないが、世の中そう甘くない。経済新聞のダイバシテイ関連のコラムには、「卒婚」とか「死後離婚」とか耳慣れない言葉が出没する。前者は脱妻路線であり、後者は脱義親族路線である。詰まることろ、夫とは親族も含めて、二度と関わりたくないという自立宣言でもあるのだ。おひとり様など怖くない、むしろ積極的に独立し、我が道を行きたいという強い女性の決意とも見えてくる。何となく、理解出来る。男尊女卑の父母を見ていると、もう時代遅れなのは明白だし、かと言って、やはり働き手(社会から収入が得られるという意味での)が男性に依存する現状では、男を立てて生き抜くのが現実的な女性の人生処方術だと思うのだ。但し、それも男性側がしっかりと働ける間であり、年金生活に入った場合の存在力はかなり低減することを改めて感じ取る必要があるのだ。老齢労働力の確保を述べた経済新聞の別コラムから、それに適応できない人材例を引用すると、「勘違い型」「評論家型」「会社依存型」「割り切り型」だそうだ。要は、過去の実績や職位に胡坐を掻いて、現状の自分の能力を過剰評価している点に問題があるのだ。前述した「卒婚」や「死後離婚」も結局は日頃からの奥さんとの会話が欠け、且つ、家事・育児等への長きに渡る協力不足が仇となっているのだろう。夫婦と言えども、それは人間関係だ。そして、非常に重要で且つ、難解な関係でもある。それを重々理解しておくことが男性陣には必要な時代である事を肝に銘じた次第だ。



2017年8月15日火曜日

時を語る和菓子の味わい


蕁麻疹やら体調不調で、大好きなお酒や甘いものを控えている昨今だが、昔からの和菓子は客へのもてなしや休憩時の一品として、重宝していたようだ。「和菓子を愛した人たち」:虎屋文庫を読んでいる。出版元をみれば、あの虎屋さんではないか。何時もお世話になっている名店(尤も戴くだけだが)だ。但し、このまま本の紹介をしても面白くないだろう。著名な作家(結局は過去を振り返るには、当時の事を記述した書物に頼るしかないし、逆に書き物には必ず食べ物は記載されているという必要十分条件が整っている。そう言えば、このブログでも紹介した作家同士の対談にも、小説群に載っている食べ物を紹介したものがあった)に因んだ和菓子を当ててもらう方式でいきたい。では、最初に著名人から登場して貰おう。紫式部、清少納言、和泉式部、源頼朝、吉田兼好と古きから遡ろう。さて?答えは椿餅、餅だん、母子餅、矢口餅、おはぎだ。次は戦国時代へと進むと、松尾芭蕉、織田信長、明智光秀、千利休、豊臣秀吉、徳川家康と並べよう。答えは?ところてん、金平糖、粽、ふの焼、のし柿、嘉承菓子だ。さて、更に江戸時代に来ると、市川團十郎、井原西鶴、徳川光圀、大岡忠相、紀伊国屋文左衛門となれば、ういろう、饅頭、福寿饅頭、幾世餅、饅頭だ。幕末・明治時代になると、外人が欠かせない。ペリー、ハリス、ケンベル、ゴンチャローフは?この他に、坂本竜馬、高杉晋作にも曰くつきの菓子があるのだ。もちろん、明治以降の作家には和菓子は付きもので、多くを語る必要はあるまいと思う。本に紹介されているように、和菓子の起源は縄文時代まで遡り、日本の貴重な文化遺産としても重要だ。但し、日持ちをしない点が唯一、和菓子の欠点でもあり、利点でもあるだろう。それによって、各地で各様の発展と継承が続いた要因かとも思えるのだ。さて、皆さんのお好きな和菓子は何だろうか?地元に残っている和菓子のルーツを調べるのも一興かも思うが如何だろうか。


2017年8月14日月曜日

乳がんを考える


最近、経済新聞に検診用のマンモグラフェイ検査が人によっては診断ミスを起こす事が掲載されていた。これは困ったものだ。何故なら、会社の薦める方法にこれを採用しているので、気になっていた。「最新 乳がん治療 (「あなたが選ぶ治療法」シリーズ)」:福田護氏を読んでいる。私は一応男性だが、家人も居るし、何かしらにサポートが出来ればと考えての行為だ。これにはきっかけがあり、身内で癌に罹った者が居て、前回学んだ胃がんの知識が多少役だったので、男性にはやや縁遠い本件にアクセスした。本は1)乳がん検診で「異常」と言われたら?、2)治療法を決断するとき知っておきべき事、3)術後の症状、副作用の緩和、4)退院後安心して生活する、5)再発・転移がわかった時、だ。まず、乳がんの起点は乳頭で、拡大する部位は外側上部が半数以上、関係する要因は女性ホルモン、飲酒、喫煙。更に閉経後は肥満が大敵との事。よって、発症し易い年代は30代後半から60代前半と幅広い。11人に一人の高い割合に相当する。尤も、検診を受けている割合は4割程度。冒頭で紹介したマンモグラフェイはX線検査だが、乳腺密度が高い人には不向きらしい。それを補うのが超音波検査。更に細胞診、組織診、生研、もう少し高度なものは、MRI検査、CT検査、PET検査。最近では、遺伝子による事前検査も可能らしい。但し、保険は効かないのでやや高価だ。これを利用したのが、かの有名な米国女優だ。何と、彼女は予防的に乳房切除まで決断している。親から子供への遺伝確率は50%程度と言うから、実際、身内に乳がん疾患者が居れば、かなり説得力を持つのかもしれない。治療法は全身療養(薬物)と局所療法(手術)の二通りだ。ここで問題は手術の方だろう。全摘の場合はその再現方法が問題になる。早期発見で早期治療が可能な癌ゆえに、日ごろの注意と監視が必要な事には間違いないのだ。その為に、こうした適切で十分な知識を保有することも重要であると思うのだ。



2017年8月13日日曜日

2017(平成29年).08.13書評

先週の評点:
「ゼロから分かる! やきもの入門」(◎):河野恵美子、「これからの地域再生 (犀の教室)」(◎):飯田泰之、「ひまわり8号と地上写真からひと目でわかる 日本の天気と気象図鑑」(◎):武田康男、「日本の麦 拡大する市場の徹底分析」(〇):吉田行郷、 農林水産省農林水産政策研究所、「貘の耳たぶ」(-):芦沢央、「ここから先は何もない」(〇):山田正紀
ノンフィクはどれも詳細な調査と訴える力が在った。一方、小説群、山田氏は意欲的なSFだと称していたが、あの「ドローンランド」に比べると、想像力が不足気味にではないか?と感じた。やはり、新しい時代の息吹を肌で感じるには若さが必要かも。
今週のお題:
「和菓子を愛した人たち」:虎屋文庫、「マンモス ―絶滅の謎からクローン化まで」:福田正己、「その食べ物、偽物です! ――安心・安全のために知っておきたいこと」:ラリー オルムステッド、依田光江、「最新 乳がん治療 (「あなたが選ぶ治療法」シリーズ)」:福田護、「静寂 (ある殺人者の記録)」:酒寄進一、 トーマス・ラープ、「誰かが見ている」:宮西真冬。
近況:
懸案だった身内の見舞いを済ませてきたばかりだ。予想以上に状況は悪く、予想以上に周囲は冷静だった。どちらにせよ、医師は明確には言わないが、末期症状には違いなかった。暴走するがん細胞を薬や放射線で抑制する治療方法が取られていた。傍証証拠でしか判断できないのは人の大切な命だからだ。更に、世間は盆休みで手薄で且つ、道路も含めて混雑している。対応しようにも最悪なのだ。理不尽な事は常に起きる。それに耐えれるか、どうかは普段のリスクに対する心構え次第ではある。尤も、リスクヘッジのやり方は色々ある。がんになるかどうかは、日ごろの健康管理次第ではあるが、それだって限界はある。もっと不条理なのは地震や嵐や津波だが、じゃあ、もっと安全な場所に住んだところで、今度は人間相手の治安面で、日本以上に安全な場所があるかと言えば、これも若干不安だ。人間は産まれた途端に、死ぬ運命を背負う故に、それが目の前に突然具体化されると、より戸惑うものだ。嫌な週末になったが、何とか乗り越えたいものだ。





2017年8月12日土曜日

地方再生はあるのか?


地方にいる身から、地方再生はその過疎ぶりから中々手強いと感じるのだが、一方で身の丈を超えなければ、それなりの生活が出来るソフトヤンキーの存在も地方には健在で、その辺りを考える日々だ。丁度、手に入ったのが、「これからの地域再生 (犀の教室)」:飯田泰之氏だ。但し、対象は私が住む僻地ではなく、もう少し大きな、中心地10万人、近郊20万人の中都市だ。これに対し、私も異論はない。ある程度のボリュームが無いと、社会は自立できない。その辺はこの本でも説明がある。章は1)地域再生を巡る基礎理論、2)センチュアス・シテイから見る地方都市の魅力、3)開発のあとに拡がる消費空間の二極化、4)地域再生における建物利活用の工夫、5)都市にとってのナイトタイムエコノミー、6)地域経済を支える企業人たち、7)地方都市住民に貢献する地域農業モデルに分かれる。まずはその中都市を選ぶ根拠となる理論は、収穫逓増と逓減のバランス論・適切な人口・人口増減のメリット&デメリット・地域間再分割の方法・クリエイテイビリテイの地産地消・重層的なネットワーク・多彩な人集めなどだ。続く2章では米国のオーステインが事例として挙げられ、シンシュアス・シテイ(官能都市)化へのアプローチが紹介される。指標としては、関係性(共同体帰属、匿名性、ロマンス、機会)、身体性(食文化、街、自然、歩く)だそうだ。この評価で日本の主要都市をランキングすると、何と1位は文京区(流石T大が在る)、2位大阪北区(道頓堀)、3位は武蔵野市。やや住み易さとはやや異なる評価にはあるようだ。氏はその具体例で、金沢市、盛岡市、松山市、長野市を挙げる。何となく、分かる気がする。3章では、消費空間として、製造業の衰退(空洞化)と反比例して、増大するショッピングセンターを事例に挙げる。この傾向は欧米諸国も同じであり、逆に古い商店街が飲食街や地下風俗街に変貌したりする事例を紹介している。4章では経済活動を終えた建物の再利用の視点だ。空間用途の検討・新たな担い手&価値観の変容・実施体制の検討が重要と説く。実例ではさっぽろ大通りコワーキングスペース(ドリノキ)、まま勝川、習志野未来プロジェクトなど。

5章では現代人の生活様式の変化(昼型→夜型)に伴い、アフターファイブ・観光資源としての夜の世界・ドン・キホーテの展開が挙げられる。海外ではロンドンのナイトタイム政策が紹介されている。具体的には地下鉄の終業時刻の延などだ。日本は東京が一部採用しつつあるが、風俗法が邪魔をして必ずしも活性化の道へと公然とは進めない事情もあるようだ。この様に地域活性化は色々な面での検討が必要だ。単に政治家が地域創生なんて謳っても、前には進まないのだ。この他、「ヤンキーの虎」「地元産野菜」「生産・流通・加工」「農業と畜産」等。キーワードが続く。是非参考にしたら良いかと思う。



2017年8月11日金曜日

やきものという神秘


「ゼロから分かる! やきもの入門」:河野恵美子氏を読んでいる。まさにゼロに限りなく近い知識の私にとって、最良の本である。冒頭で「好き」になることから始めようと氏は述べる。至言である。まずはそのイロハから。陶器と磁器の違いから。前者は「土もの」後者は「石もの」。次は文様の有無。無いものは「釉景」「貫入」「窯変」が肝、三番目は器の形で、菱、亀甲、扇面、木瓜、輪花、高坏、四方、隅切、手付、半月等々。更には、染付(技法)、草花蜂文(文様)、輪花六角(器の形)、小鉢(種類)等の見分け方があるようだ。一番取っつき易い文様を例にすれば、植物:牡丹、菖蒲、椿、蘭、動物:兎、鹿、犬、龍、鳥・昆虫:鳥、蜻蛉、蜂等。貝類、山水、人物、吉兆、幾何学文字もその一部だ。蛸唐草を知っていればもうセミプロになれる?2章からは色と装飾になるが、余りの多様性にお手上げ状態だ。用語だけ並べてゆくと、焼締(自然釉)、下絵付(染付、鉄絵、辰砂)、上絵付(赤絵、色絵、染錦、金彩、銀彩)、釉掛(灰釉、鉄釉、志野、織部、白磁、青白磁、青磁)、白化粧(粉引、刷毛目、三島)。加工(象嵌、掻落、イッチン盛り、錬込、飛鉋、布目)だ。3章では器と盛り付けに移る。これは器本来の目的に叶うものだが、ここも奥が深い。4章では全国やきもの産地に移る。読者の方の近くにはきっと名産があるはずだが、私が知る限りを述べれば、萩、信楽、九谷、笠間、有田、伊万里ぐらいか。やきものの歴史を振り返れば、紀元前に始まり、縄文土器を手始めに、弥生土器もある。その後、朝鮮半島から人間と同様に、陶器も輸入され、安土桃山時代に一気に和器が花開く。戦国武将が戦いの報酬として、あるいは自分自身のステータスの証として、茶碗を利用したからだ。そして、今は希少価値を問われ、骨董品として売買がされる。どちらにしても、人間に絡むと美しい土器もやや妖しげな色合いを持つのは、こうした人間の欲深さが見えてくるからだろうか。やきもとが出来るには、土作り→土練り→成形→素地加工→乾燥→素焼き→(下絵付け)→施釉、白化粧→本焼き→(上絵付)→窯出しの長い過程が必要だ。その分、世界に一つしかないやきものが出来る理由でもあるのだ。



2017年8月10日木曜日

EVなる脅威


表題は何も、HVやPHVで環境問題を解決しようとしている日本メーカーの懸念ではない(もちろん、内心では嫌な想いはしているだろうが)、もちろんデイーゼル車で昨今偽証問題にあくせくしている欧州メーカーの懸念でもない。

どちらかと言えば、政治的道具もしくはEVという単純明快(少なくとも既存の内燃エンジンを使用した車に対して)な産業をいち早く立ち上げ、環境改善と同時に巨大な自動車マーケットを席巻したいという中国や米国の一部企業家の想いが目立つ。これに輪を掛けているのが、昨今の英国やフランスのEV推進(と言うか、脱ガソリン車、脱デイーゼル車)の動きだ。日本は主流メーカーの圧力からHV→PHV→果ては水素自動車の方向で環境問題をクリアしようとしているが、水素の扱いのハードシップが高い事を知る私としては、どうみてもごり押しの戦術に見える。故に、EVをその戦略の主流とする中国(彼らは生産台数もさることながら、販売台数も半端ではない)と欧州、更には米国の大企業家の連合軍を前に、日本は旗色が悪いと言わざるを得ないのだ。まともあれ、そうした企業戦術はここでは深く立ち入らずに、経済新聞のコラムに掲載されていた別の懸念を紹介しておきたい。その一つは増大するEVの主要部品である。電池の原材料の手配は如何にするのか?二つはいずれ劣化する電池の廃棄処分は如何にするのか?三つは充電用の発電所は増設するのか?等だ。だが、コラムが述べる一番の懸念はEV化による雇用の喪失だ。かの大国の大統領が一番懸念する課題が猶更浮彫りになるのだ。但し、鉄鋼がそうであったように、そして、現在スマホの殆どが中国や台湾で大量生産される現実を見れば、その懸念がかなり正しいだろう。ロボット、AIの将来の雇用影響も含め、科学の進歩は慎重に推し進めないと、利便性は向上するが、衣食住の基本的生活レベルの低下を招くのではあれば、元も子もないのだ。EVはある意味で電力のケーブル代わりになるとは、とあるセミナーで聞いた電力会社の方の第三次電力革命の姿だ。要は電池を積んで移動する発電所にEVが見えるのだ。元々、EVに供給する電気自身の効率の議論のポイントにすべきだろう。中国の様に効率の悪い発電所で得た電気を使うEVは果たして、本当に環境に優しいとか言いかねるだろう。斯くも複雑な現象がEV反映の裏には隠されている。慎重な行動と発言が我々には必要な事に間違いは無いのだ。



2017年8月9日水曜日

素直になろう!


天邪鬼の私が謙虚になろうなんて事ではない。経済新聞に掲載されていた、とある会社のアイスクリームの話。その名前も「SUNAO(スナオ)」である。その製品開発の発端は「アイスを食べる罪悪感、うしろめたさの払拭」だったらしい。これ分かる。今は特に家族を挙げてダイエット中。だが、アイスだけは別腹らしく、家人と愚息はカロリーカウントから外して、結構カロリー高い甘~い製品を口にしている。斯くなる私もこの猛暑には勝てず、かき氷系アイスに特化し、且つ半分づつ食べる等の涙ながらの節食に努めている始末だ。さて、内輪の話は此処までにして、この製品、甘さとコクを排除するというアイスの基本を否定して製品作りに励んだのが特徴だ。こうした自己否定は兎角失敗する。なんちゃってビール(所謂ノンアルコールビール)も、やはり本物のビールには及ばないし、噓臭さが滲み出てくると、消費者は意外に冷淡にそっぽを向くものだ。その証拠に記事では、低糖質食品の規模が4割近く拡大している一方、低脂肪やカロリーカット市場は縮小傾向にある事実を述べている。やはり美味しく無い食品は飽きが来て、私の様な意思弱な人間はつい、従来の甘いモノやミルクたっぷり感の食品に手が伸びてくるものだ。日本企業は大きな改革は出来ないと揶揄されて半世紀、だがコンビニやスーパーに置ける品揃えは世界に類を見ない贅沢さがある。エンゲル係数が高いのは、後進国であるとの一般常識を覆す日常の平和と安寧を一番の幸せと評価する国民性が活きている証拠でもあろう。身近な商品開発がこれだけ少子・高齢化で低成長時代を心配・懸念される日本市場でも可能なのだ。安易に、一般的低成長指数を持って、出来ない・出来ないと連呼するだけの事業指針だけは避けたいものだと痛感している。



2017年8月8日火曜日

二番手の辛さ


「日本の麦 拡大する市場の徹底分析」:吉田行郷氏、 農林水産省農林水産政策研究所を読んでいる。本の冒頭にも書かれている様に、何時もお米の陰になっている麦だ。私の認識は海外産に押され、存在感も薄いというものだ。しかし、やや見直しをした方が良さそうだ。本は1)国内産業の需要の変化、2)変貌する主産地生産、3)サプライチェーン形成状況、4)国内産業の消費動向、5)フードシステムの変容と課題。まず小麦は国内生産量90t弱、輸入は600万t。大麦は国内生産量20万t前後、輸入は200万t。そして、小麦はパン用が25%、次につぐのが10%台の日本麺、即席麺、中華麺。意外に検討しているのが菓子の12%。一方、国内産の小麦は約40%が日本麺と特化されている。更に国内産地に視点を移すと、北海道が50万tと断トツだが、それでも海外産とのブレンド率は50%を超える。但し、最近ではたんぱく質含有量が高過ぎる外国産に対し、含有量の低い均質な国内産小麦を適切にブレンドする方法や、しっとり感や適度な弾力がある食感を出す効果を図っているようだ。片や、大麦は二条大麦がビール、六条大麦が麦茶、はだか麦が味噌、醤油等だ。大麦の使用量の多くは皆さんの好きなビールだが、その9割は外国産だ。これらの店頭での販売は外国産の価格が上昇すると、国内産小麦と表示する傾向にあるようだ。消費者としては要注意だ。3章の流通方法では小麦と大麦の違いがあり、一次加工(製粉)→二次加工(食品メーカー)に対して、味噌や醤油は直接加工するようだ。この様に、食品の多様化と外国産の小麦価格上昇により、少しづつ変化が見える業界だが、課題はまだ残っている。まず小麦に関しては、中間に卸業界や製粉会社が有る為に、生産者と消費者もしくは加工メーカーの情報が閉ざされ、品種改良や統一化の動きが鈍い事、一方、国内産大麦に関しては、味噌もしくは焼酎メーカー等との直接購買で改良の道は確かではあるが、未だ、生産量拡大への取り組みが不足している事が挙げられている。その為に、2014年から導入された入札制度の適用や製粉、精粉企業のコーデイネーションの更なる努力が必要なようだ。世の中、全て一番が評価され、注目を浴びるケースが多いが、意外に二番手、三番手が重要な事も多い。身近で意外に知らない麦にも温かい視線を与えることが重要だろうと思った次第。



2017年8月7日月曜日

天気を再び学ぶ幸せ


愚息が苦手にしているのが、数学の図形問題と科学の天気図。で、この本を読んでいるが、私自身が興奮している。「ひまわり8号と地上写真からひと目でわかる 日本の天気と気象図鑑」:武田康男氏だ。以前、ひまわり8号の記事をこのブログでも紹介したが、中々の優れ静止気象衛星だ。この本一つで、かなり衛星から天候まで、詳しくなれる事請け合い。又、嬉しいのはひまわり8号と連動してスマホで同一画面を検索できる点も中々凄い。7号との違いは空間解像度が2倍以上、観測間隔も10倍以上短くなった。可視画像も三種類(詰まり天然カラー)となり、中学で習った天気図と実際の空の雲の挙動を直感的に理解出来る。この優れもの衛星は重さ3.5t、全長8m、高度3万5800kmの赤道上を地球の自転を同じ速度で動いている。逆に米国やロシアは高度824kmの極軌道衛星で、気温や水蒸気の鉛直方向の分布も測定しているらしい。尤も、冷戦下にあった両国はこれはどちらかと言うと軍事上の利用も無視できない事実だろう。一方、天気に移れば、雲にも様々な種類があり、発生する高さで上層雲>中層雲>下層雲>対流雲に分類される。これを俗称別に並べると、すじ雲・うろこ雲>ひつじ雲・おぼろ雲>うね雲・きり雲>わた

雲・にゅうどう雲となる。ちなみに、雲粒の直径0.01mm、雨粒はその百倍だ。浮かんでいる様に見えるが秒速1cmで落下しているが、上昇する雲粒もあり、バランスが取れている様に見えるのが雲の実像だ。白く見えるのは散乱光のせい、黒い雲は厚みがあって、逆に太陽光を遮るから。序に、貿易風、偏西風、極偏東風が南北半球に存在する。ともあれ、ひまわり8号の登場でより詳細な気象情報が入手出来、正確な気象予測も可能になるだろう。期待したいものだ。



2017年8月6日日曜日

2017(平成29年).08.06書評

先週の評点:
「消えゆく太平洋戦争の戦跡」:「消えゆく太平洋戦争の戦跡」(◎)編集委員会、「経済ニュースの「なぜ?」を読み解く11の転換点 教養としてのバブル熱狂と閉塞感の裏側」(◎):田村賢司、「妄信 相模原障害者殺傷事件」(〇):朝日新聞取材班、「団塊の後 三度目の日本」(〇):堺屋太一、「血縁」(△):長岡弘樹、「女系の教科書」(〇):藤田宜永。
相模原殺傷事件はもう少し、原因追及に紙面を割いて欲しった。匿名か否かはマスコミサイドの問題。藤田氏の周囲が女性ばかりなのだろうか?あるいは女難の相?奥様が同じく小説家というのも幸せというべきか、不幸と言うべきか。
今週のお題:
「ゼロから分かる! やきもの入門」:河野恵美子、「これからの地域再生 (犀の教室)」:飯田泰之、「ひまわり8号と地上写真からひと目でわかる 日本の天気と気象図鑑」:武田康男、「日本の麦 拡大する市場の徹底分析」:吉田行郷、 農林水産省農林水産政策研究所、「貘の耳たぶ」:芦沢央、「ここから先は何もない」:山田正紀
近況:
いよいよ、家族の方は夏休み真っ最中。愚息は信州の方に科学研修旅行に行き、やや知性的?に変身したかも。受験勉強の最中の微かな休息になったのなら幸い。その間、家人と二人切りの生活を送った訳だが、それぞれ好き勝手に過ごし、偶には映画を一緒に見たりして、実に静かで穏やかな日々であった事に感謝。唯一の懸念は実家の老父母。入院したとの連絡を受けているので、来週にでも急遽私だけで帰省予定。やや波乱含みの夏休みになりそうだ。


2017年8月5日土曜日

必ず登場するヤリ手の政治家


「経済ニュースの「なぜ?」を読み解く11の転換点 教養としてのバブル熱狂と閉塞感の裏側」:田村賢司氏を読んでいる。氏も経済新聞社の元記者だ。この会社からスピンアウトしたライターの書籍をしばしば目にするが、それだけ視野が広いのか、あるいは不満が多かったのかなどと下賤な目で見てしまうのは聊か、恥ずかしかも。さて、戦後の日本、特に経済政策がどう揺れ動き、こんな財政赤字になったのかは、しっかりと歴史を紐解く必要があり、池上氏ではないが、こうした本がどんどん発行され、国民の反省に活かされると良いなと思っている。兎角、歴史に登場する人物は当時は熱狂的もしくは好意的に国民の支持を受け、ヤリ手の政治家、官僚として名を成していた訳だが、後の世にすればトンデモナイ過ちを犯していた事の方が多い。原発の積極的導入に動いたN首相、そして、公共事業への財政投資活用に動いたI首相、年金や医療制度に大盤振る舞いをしたT首相等だ。後者の三人がこの本にも登場する。但し、米国に敗戦し、半ば占領された日本は常にその顔色を窺い、その圧力を受け、政治・経済を進めなければならかった事実も受け入れざるを得ない事実でもあろう。さて、本は1)バブル経済、2)デフレ、3)人口減少、4)日米経済摩擦、5)日本型経営、6)一極集中、7)財政赤字、8)社会保険料の増大、9)貯蓄から投資へ、10)政治とカネ、11)日韓関係とに分かれる。

今や、GNPは世界3位に没落し、少子・高齢化というビハインドな状況下で、消費税アップ一つも決められない政治が続いている。それを氏は大型減税や財政投資という名の下に無責任に公共事業拡大した結果、国民義務である課税への過剰な嫌悪感を国民自身へと生んでしまったと結論付けている。過去の負債は現世代が負わなくてはならないのが自明の事実。それを先延べして、自画自賛する軍事強化に走る現政権はやはり、オカシイ。そして、それを又、ヤリ手の政治家と煽てるマスコミも又、同罪だ。それをこの本は暗に語っているようにも思えるが如何だろうか。



2017年8月4日金曜日

AIにも弱点あり


先日、業界紙に掲載されている漫画で、将棋対局中の棋士が休憩中、食事を摂っている場面で、一方のAIロボットがコンセントから電源補給している様が面白おかしく描かれていた。これはまさにAIロボットの欠点である。これを補うように、経済新聞に世界チャンピオンを破ったアルファ碁なるグーグル棋士の消費電力が人間の1万人以上の相当するとの記事が掲載されていた。要は、相手は機械だ。漫画の様に勝手にエネルギーを補給できる訳ではない。本ブログでもデーターセンターが寒い地区に集中している記事を以前紹介したが、これは大量の熱発生=エネルギーを大量に消費している事を意味しているのだ。情報プラットフォームを支配しつつあるIT大企業群がこぞって、再生可能エネルギーに特化しているのは、こうした背景があるからだ。もう一方、経済新聞は指摘するのは、AI利用の高額料金だ。AI開発には膨大な資金が必要だ。というよりは、天井知らずの給与をSEに与えるので、開発費が高騰し、その結果としてAI製品も高額化するのだ。これも又、AIの弱点だろう。高度医療費が目の敵にされ、折角開発された治療薬が一般には利用できないと同様に、金持ちや大企業しかAIを活用出来ない時代が来ているのだろう。依然しとして、情報プラットフォームの中心に位置する大手IT企業がその開発の中心にはあるものの、それに連携したERP系ソフト開発・製造会社、あるいはサーバー等の開発・製造会社、更にはデータを形成するセンサー群開発・製造会社等が連携・協奏し合って、収集したデータの高度な付加価値化に励むだろうから、自ずとその未来は人件費削減という対費用効果で評価される時代が来るのだろう。やっきになって自社開発を進めていたら、いつの間にか、自分のポストが無くなる時代が来るという笑えない喜劇が透かして見えるようにも思える。皮肉なことに、AIが依存するエネルギー業界は重厚長大且つ閉鎖的である故に、データ解析の草刈り場になりつつある。その意味では誰でも、参入できるチャンスがあるのだが、ベースとなるセンサー群は不足しているし、未だ、これからの気もしている。其処には規制緩和も必要だろうし、既得権に守られている古い体質の改善も必須だろう。AIの弱点は結局は人間社会への適応可否の検討が未だ不十分である点だろう。それは又、デジタル時代のある意味での弱点とも言えるのだ。



2017年8月3日木曜日

三度目の日本は在るのか?


「知価革命」でその先見性について、当時感動した私はすっかりファンになってしまった感がある堺屋太一氏。「豊臣秀長」も良かったが、元官僚で元閣僚ともなれば、今の閉塞感が漂い、且つ向かう方向性が違う政治を疎ましく思っているに違いない。そんな想いが詰まったのが、「団塊の後 三度目の日本」:堺屋太一氏だ。小説の形はしては居るものの、2025年というオリンピック後の日本を想定した日本復活劇のシナリオにも見える。登場人物は改革を進める徳永総理大臣を始め、明治維新の準えた坂本龍真、岩崎弥多、中岡慎二、井上香里、等、華々しい。氏曰く、戦後80年の官僚政治の本質は「国民人生の規格化、流通の無言化、東京一極集中であり、抵抗封じに食品の輸入規制やら高価格維持、補助金やら公共事業のばら撒いてきた」と。そして、2025年の日本は5年連続のマイナス成長、貿易赤字は拡大、輸出も低迷、自動車産業もガタガタ、下流老人の増加も深刻で空き家が益々増加している風景だ。そして、安全・安心・清潔・正確な「天国」に成り過ぎたと指摘する。そして、それが人間本来の持つ3Y(やる気、夢、欲)ない社会を造っていると。それを打破するには?と、物語が進んでゆく。冒頭で述べたように政治に直接関わった経験からその提案は具体的であり、大胆でもある。2025年と言えば、遠いようにも見えるが、数年先の事。こうした提案を幾つか出し合い、明日の日本を議論する場が在っても良い様にも思える。氏の提案の概略を紹介すれば、その核は明治維新の藩から統一政府の改革とは真逆の方向付けであり、二都二道八州化の日本改革なのだ。そして、それを機に消費税等の移管を視野にした税財政改革も並行して議論されてゆく。果たして、こうした内圧的な動機付けで日本人が自ら主導的に動くか?について、私はやや懐疑的ではある。但し、氏の予測した「知価革命」の知価を情報もしくはデータと置き換えれば、今や情報こそが貨幣を上回る存在として、その勢力を増大させつつある。従って、日本の改革も大なり小なり、行う時期に至っているのも事実なのだ。はてさて、支持率の低下を来した現政権にこれほどの改革が出来るとは思えないが、袋小路に入った感のある日本社会の脱出劇を我々は真剣に考えなくてはいけない時期であることは確かだと思うのだ。



2017年8月2日水曜日

しくじらない方法を学ぶ


業界紙に紹介のあった「しくじる会社の法則」:高嶋健夫氏を読んだ。面白い本だ。筆者は元日経記者で、その後フリーライターに転じた苦労人故に、その類推的結論は至って、具体的で説得力がある。冒頭での幾つかのチェックポイントを紹介すると、社長(経営者と置き換えて良い):いつも高級スーツでも眼鏡が汚れてる、オフィス:受付が汚い&煩雑&粗雑&不愛想、社員態度:トラブルを現場だけで対応等々。一番受けるのは、社長だろうから、本文中からもう少し抽出すると、高級外車に乗っている(しかも新車)。名刺交換態度。暗い態度。従業員愛が無い。製品・サービス愛が無い。等々だ。いや、俺はちゃんと有ると豪語せず、謙虚に自分と自分の周辺を見渡す事だろう。更に、BSやPLも読めない経営者が多い事を嘆く(流石日経記者!)。トップの挙動・態度も重要だが、その受け皿である社員や工場の在り様にも、氏は厳しいチェックポイントを設けている。本社が新しくなった会社は危ない!なんてのは、私も同感だ。お金はもっと別な事に使った方が良い場合が殆どだ。良い工場は綺麗だも、受付と同じことだ。人間だって、外出する時は、身なりに注意し、女性なら化粧もする。そんな気配りが社長以下ちゃんと出来ているか?を氏は問う。氏がエクセレントと事例を挙げる会社は幾つかある、サントリー&アサヒ緑健(コールセンターが本社にある)、京王百貨店新宿店(お客様視線に長けている)、花王(社長が社食を一緒に食べている)。又、尊敬する経営者も何人か登場する。土光さん、稲盛さん、盛田さん、飯田さん、豊田さん、松本さん、等。加えて、「トップセールスマンと繁盛しているスナックのママの共通点は筆まめであること」と紹介している。一方、後半はフリーライターに転じてからの経験が述べられ、これも又、有意義なコメントが並んでいる。そして、最後のあとがきはライターだけでなく、現役のサラリーマンにも応用できる情報の収集方法の鉄則が書かれている。一度目を通したら良いかと思う。



2017年8月1日火曜日

無料キャンペーン 8月度開始 「諦観もならぬ人生の極意」


無料キャンペーン 8月度開始 「諦観もならぬ人生の極意」
期間:8/1~8/5
諦観もならぬ人生の極意
古い羅針盤42章
黄金の天井
ギャンブルという闇の世界
進化という魔術
働くことを真剣に考えてみる
チョイ住みの極意
刑務所という異常空間
強くて恰好良い女性が好き
夫婦という社会ユニットを考えて
古代と現代を繋ぐもの
赤ワインが身体によろしい
ジャーナリズムの骨とは?
地下深くのお話
車の未来が見える?
お金をしっかり見詰めてみよう
時代考証が支える真田丸
不愉快が悲劇に変わる時
労働を定量化してみる
原子力という厄介なモノ
空気洗浄機と伊勢志摩サミットを考える
裸の王様のお話
老後破産という報道を観て
ルノワールとAI
人生って、本当に苦しいものだ。
地震立国に想う
百万分の一という確率
死後の世界が欲しくなる
●あとがき
 本編は筆者ブログ「古い羅針盤」(2016.05月)掲載されたものを纏めたものです。


戦争を知らない事を知る


人間は本来自分勝手なものだ。その人間がある予め定められたルールの中で暮らす事は窮屈だし、他の人間とも衝突が起きる。それが喧嘩になり、武器まで持ち出せば、互いを殺し合う事まで発展する。だからこそ、そこに至らないようにルールがあるのだが、多国間の必ずしも共通のルールが存在せず、勝手に自分のルールで暴走する場合もある。但し、現代社会はあの愚かな第一次、第二次世界大戦を経て、平和こそ人類の発展のベースだと学んだはずだ。だが、国内の保守派は改憲に向かって暴走しつつあり、愚かな過ちの道を又走ろうとしている。「消えゆく太平洋戦争の戦跡」:「消えゆく太平洋戦争の戦跡」編集委員会を読んでいる。兵どもの夢の跡を写真とエッセーで全面に紹介している。冒頭の日本軍の進出地図を見る限り、その範囲は中国のみならず、東アジア広域に広がっている事は分かる。これを見て、良くぞ此処までと思う人も居るかもしれないが、逆に技術力とその実直さで、今や世界3位のGNP国になった日本は世界中にその人と製品を輸出もしくは生産拠点を持つに至っている。平和こそ、やはり成長の第一基盤だ。さて、本はその戦禍を受けた世界各地を巡る旅だ。1)太平洋の島々(ハワイ、ガダルカナル、ニュージニア、サイパン、グアム等々)、2)東南アジア(インドネシア、インド、タイ、フィリピン)、3)国内(硫黄島、沖縄)に大別され、各地の戦場を克明に取材している。先頭に紹介されるのは、餓島と呼ばれるガダルカナル。二万人の戦士者を出し、6割が餓死だった。最後は有名なラバウル。随分と南方にあるこの島は元々火山島。兵站を断たれ、畑を耕し、自給自足で戦場を維持したようだ。そこまでして戦争をしなければならない狂気。そして、ここも3万6千人の死者を出した「墓島」としてその名を遺す。こうした戦地は今や、観光地として存在し、現地では地元民がその戦禍として残った兵器と共に、生きてる光景だ。どんな戦争でも終わらない事はない。だったら、何故愚かな戦争を始めたのか?それを私たちは学ばなくてはいけない。後書きで氏が語る様に、太平洋戦争は日本の負け戦だったので、国家としては語り継ぎたくないと。そして、戦地での第一の被害者は現地の人々である事、そして、忘れ去る事で二度戦死者を殺す事になると。



2017年7月31日月曜日

人・本・旅


先日、久しぶりに経済系ブログに出口さんのコラムが掲載され、したりと思ったので、ここの紹介したい。冒頭の言葉は人を賢くさせる方法で、人と出会う事、本を読む事、旅する事の三本柱だと言う。その通りだと思う。僻地で生活の糧を営む現役の私としては、人と旅を合体させた、出張にて、自分の活性剤とし、それでも不足する分は人の数倍以上の書籍(新聞や雑誌も含む)を読む事で補っている積りだ。出張はやはり上京するケースが多いが、多くの人々が活動する様だけでも、目まいがするほどのショックを受け、それはそれで自分自身への鍛錬になっているのだと我慢する事にしている。もう一つ、出口さんが触れている生産性向上の極意(これは他の人から聞いた話らしい)は無・減・代だ。上司からの指示をいちいちまともに聞かない(無)、作成するレポートを減らす(減)、手元にある昔のデータを使い回す(代)だと。私が以前、賢い人の行動を見ていた時、はたと気が付いたのは、「はい、はい」と上司の無理難題に応えながら、実際は一切やらない方法だ。これには理由がある。一つには、上司は大抵、作業業など考慮せずに、指示を出すことが多い。普通は此処で(愚かな私などこのパターンなのだが)「出来ません」と即答してしまう。もちろん、賢い人がやっても出来ないのだが、「はい」と応えれば、それはそれで済む。そして、やれなかった理由をグダグダ説明しなくても、上司はやはり無理だったかと自己判断するものなのだ。理不尽なのだが、兎角、上下関係など、そんなものだ。忠誠度あるいは仕事に対する積極性を見たい上司にはとっておきの宿題の与え方でもあるのだ。所詮、人事など、半端な人が半端な人を評価する制度だから、不公平さは当然生じるものだ。それを先読みすることこそが、上手な仕事の配分なのかもしれない。そう言えば、家人は屡々、家事・炊事の大変さを訴え、私と愚息を閉口させることが多いが、それも又、気付く事が少ない男性の理解力を喚起させるには良い方法かもしれない。但し、その頻度がこの猛暑でアップすると、流石に堪忍袋の緒が切れ、私の人格の閾値の低さを露呈してしまうのだが。



2017年7月30日日曜日

2017(平成29年).07.30書評

先週の評点:
「歌うカタツムリ――進化とらせんの物語 (岩波科学ライブラリー)」(◎):千葉聡、「すごい物理学講義」(◎):ロヴェッリ,カルロ、 Rovelli,Carlo、「1493――世界を変えた大陸間の「交換」」(◎):チャールズ・C. マン、 Mann,Charles C.、「お金の悪魔: フェおばさんの経済学レクチャー」(◎):エツェンスルー,H.M.、 Enzensberger,Hans Magnus 、「dele ディーリー」(〇):本多孝好、「新任刑事」(〇):古野まほろ。
相変わらず、う~んと唸らせるノンフィクに対し、小説群も今回は健闘したと思う。ベテランと新人作家の双方が面白かった。
今週のお題:
「消えゆく太平洋戦争の戦跡」:「消えゆく太平洋戦争の戦跡」編集委員会、「経済ニュースの「なぜ?」を読み解く11の転換点 教養としてのバブル熱狂と閉塞感の裏側」:田村賢司、「妄信 相模原障害者殺傷事件」:朝日新聞取材班、「団塊の後 三度目の日本」:堺屋太一、「血縁」:長岡弘樹、「女系の教科書」:藤田宜永。
近況:
蕁麻疹が中々治らないので、皮膚科から近くのホームドクター?に見て貰ったら、内臓には問題無さそうでひとまず一安心。僻地は人間ドックもままならず、且つ胃カメラは来年まで待たなくてはならないという悲惨さだ。自分のみは自分で守るが鉄則か。過去の自分のブログを振り返ると、体調が悪いとこの蕁麻疹が登場しているので、これも又、節制しろとのご加護かと考える事にした。かと言っても無策はダメなので、甘いものとお酒を当分控えることに。意志弱と家族からは揶揄されているので、何とか面目だけは保ちたいものだ。それに倣ったか、家人も愚息も食を控える傾向になり、家族全体が健康になるなら、頑張るっきゃないかも。それにしても、短い梅雨だった。いきなり盛夏に入り、皆がばて気味だ。精神力でカバーしないと厳しい季節だ。


2017年7月29日土曜日

老獪である為に


こうしたブログを書き始めて、何時もその壁になっているものに、量子力学がある。もちろん、これだけではない。無知なる自分を何時も、謙虚に且つ冷酷に諭してくれるのも、数々ある書籍ではある。しかし、この量子力学がこの世の全ての事象を説明出来るのでは?との期待感が逆に、これを理解出来ない自分自身へと失望を駆り立て、口惜しさを募らせている。それを少しでも前に勧めそうな本が出た。「すごい物理学講義」:ロヴェッリ,カルロ、 Rovelli,Carlo」。その概要は冒頭にあるこの文章で要約されるかもしれない。「時間も空間も存在せず、量子的事象の氾濫が世界を産み出し、量子場がある事象と別の事象のあいだで情報を交換しながら、空間や時間や物質や光を描写し、現実とは粒状の事象の網の目にほかならず、各事象を結びつける力学は確率論に支配され、ある事象と別の事象のあいだでは、空間も時間も物質もエネルギーも確率の雲の中に溶け込んでしまう」と。これは古典物理学者のニュートンに始まり、ファラデー、アインシュタインを経て、現代の量子重力理論(共変的量子場)の人間が居住する世界の分かり易い?記述の一つだ。ご存じのように、量子力学は未だ発展途上にあり、これからも世界の多くの物理学者が研究と観測を続けてゆくのだろう。我々凡人はその結果を有り難く、待って居るしかないのだが、一つのインスピレーションは受けるかもしれない。例えば、量子力学から導かれる結論として、速度(最大値)、情報(最小)、長さ(最小)は有限であること、そして、時間とは微視的な物理学を無視することで生じる現象であり、わたしたちの無知であるとも、氏は語っている。だが、それは又、過去の歴史から学ぶべきことは無いとの結論とは違って、有限である量子世界の中で、ある確率がどの方向へと動き易いかを知る作業の様にも思えてくる。あるいは、情報と関係が量子力学での重要な要素であると言う指摘も、世の中がビット信号からなるデジタル化社会の大きなうねりを受けざるを得ない現代に置いて、情報が我々の従来保持していた時間概念を追い越してゆく様は、当然の現象なのかもしれないと考えたりした。分かった積りでも結局は良く分からない量子力学だが、氏は最後にこう、呟いてくれる。「「自らの無知にたいする確固たる自覚こそ、科学的思考の核心である」と。是非、精神的余裕のある時に熟読をお勧めする本である。

2017年7月28日金曜日

グローバル化という悪魔


1493――世界を変えた大陸間の「交換」」:チャールズ・C. マン、 Mann,Charles Cを読んでいる。ここには例のコロンブスが登場する。そして、このブログでは二回目の登場だ。「コロンブスの不平等交換 作物・奴隷・疫病の世界史」:山本紀夫氏を覚えているだろうか?古い羅針盤51章でその概略は紹介したが、此処では作物及び疫病を中心とした世界的交換を見たが、氏の視点はもう少し広く、経済・政治にまで及んでいる点が米国でベストセラーになった理由かもしれない。この作品の前作は「1491-先コロンブス期アメリカ大陸をめぐる新発見」であり、スペイン人のクリストフォロ・コロンボが中国と間違ってアメリカ大陸を発見した因縁か、米国人は結構執拗に、彼をフォローするような気がする。尤も、このコロンブスのアメリカ大陸発見、もう一人の英雄、ウルダネーダによって、アジアの一角であるフィリピンが引き続いて発見され、当時の超大国中国と欧州は中間地帯に位置していたイスラム社会によって隔離状態だった貿易(スペインは銀、中国は絹や陶器)が一気に花開くきっかけになったのだ。要はグローバル経済の原点が此処で始まったと言えるのだ。だが、現実にはこの一番の恩恵を銀を中心とした貿易で当初受けたスペインは、その覇権主義で自らを亡ぼし、逆に欧州の疫病を南アメリカ大陸に持ち込んだことで、彼らの高度文明さえも亡ぼしてしまったのだ。これは何となく、今の米国が金権型経済主義を世界中に広め、その反動として世界中に経済格差を生んでしまっている現代社会を暗示しているかにも見える。続く3章では米国に置けるタバコ流通、4章ではマラリア流行が如何に歴史を変えた蚊を説明してゆく。5,6章では当時世界一の国家である中国がスペイン人が持ち込んだ銀、及びタバコとトウモロコシで国力を一気に取り崩してゆく様を描写している。7章ではジャガイモ、8章ではゴム、9章ではサトウキビが登場する。前回のブログでこの辺りは紹介したので、こうした作物が大きく、世界を変えた事実を思い返す事だろう。時代は巡り、今や、全ての物質が交換出来ているかの様に錯覚しているが、昨今の地球温暖化も相俟って、従来は懸念されなかった疫病や害虫が多数、我が国にも流入されるようになっている。経済だけを中心にしたグローバル化視点では、本当の意味での世界的影響について、見落とす懸念があると思い直す良書でもあるかと思う。


2017年7月27日木曜日

色々な動物の教えるモノ


このブログには、色々な動物が登場する。もちろん、植物も大切にしたいのだが、人間に近いのは動物なので、類推する相手としては前者を選ぶのは当然かも。今まで、登場したのはカタツムリ、たこ、イルカ、鷹、犬だったか。そして、再び、カタツムリ。小さな動物ながら、人気が高い。前回はカタツムリとナメクジの違いで考察したものを紹介したが、今回はカタツムリの螺旋に注目した本をセレクト。「歌うカタツムリ――進化とらせんの物語 (岩波科学ライブラリー)」:千葉聡氏だ。この小さな動物はまず、あの有名なダーウィンの「自然選択」説をギュリック(大阪で活躍!)によって「突然変異」説で覆す役目をガラパゴス島で果たす。次に20万匹を採取して、遺伝の仕組みにチャレンジしたのが、クランプトン。その後は遺伝子という定量的解析が発展・導入され、あるいはカタツムリの生育地域を変える事で、又、多くの議論・対決を呼んでゆくのだ。3章の「大蝸牛論争」はイギリス南部で起き、4章の「日暮れて道遠し」は日本で起き、5章「自然はしばしば複雑である」は実験室で起きた。DNA解析の登場だ。そして、この研究の進化は更に続く。6章「進化の小宇宙」だ。結論から言えば、この小動物の進化説は未だ決着を見ていない。

そして、それは「小さな自然のひとかけらにも、サイエンスのローカルな細部にも、偶然と必然が織りなすストーリーがあり、遠い過去から引き継いだ歴史がある、そして、どんな小さな特殊な対象からも、なにかしらの大きな普遍的な意義を学ぶことができる。それを見出して伝えることも、科学者の役割に違いない」との最終章の括りこそが、氏の言いたい事だったに違いないのだ。そして、それは現代のIT企業群がこっそりと蒐集したデータから普遍的と思える法則を私的に見出し、私利私欲の為に利用している姿とは大いに違う崇高さを覚えるものだ。さて、冒頭の歌う?は本当かは、本のエピローグに記されている。是非、長い研究者たちの戦いの歴史をこの本で学んで欲しいと思う次第だ。


2017年7月26日水曜日

ダイエットの果てなる道とは


最近、犬が歩けば棒に当たる風で、自分の諸生活に触れる話題に即した書籍に出会う。それが幸か不幸かは別にして、色々考えさせてくれるきっかけになるのだから、やはり読書は止められない。同じように止めれないものに、甘い食物とアルコールがある。前者は中東勤務時代も採取可能だったし、家人や愚息の大いなる楽しみでもあり、積極的に参加してきていた。但し、昨年半年ほどのダイエット時期を除いてだが。しかし、昨今の体調不調に鑑みて、あの夢をもう一度とばかりに、一念発起して、再度アルコール抜き&甘いモノ排除のダイエット生活に突入している。そんな状況下にあり、出くわしたのがこの本。「人類はなぜ肉食をやめられないのか: 250万年の愛と妄想のはてに」:マルタ・ザラスカ氏だ。どうみても、肉食は身体にも地球にも優しくないとの前置きで書かれているのだから、私のダイエットにもこれを加えるべきか?悩むところである。章は、1)肉食動物の進化、2)肉が私たちを人間にした、3)肉食の栄養神話、4)惹き付けられる味の秘密、5)肉を美味しくする方法、6)もっと欲しくなるように、7)人は食べたもので出来ている、8)菜食主義が失敗したわけ、9)ベジタリアンになる人、なりにくい人、10)肉のタブーの訳、11)急速に肉のとりこになるアジア、12)肉食と地球の未来。1~2章では、まさに今のような大きな脳(多大なカロリーを消費する)を支援するかのように、肉食になった経緯が丁寧に示される。3~4章では本来必要とされている量以上(タンパク質、鉄分、ビタミン12等は他でも十分採取出来る)に肉を採取している現状とその理由(芳香と脂肪、うまみ)を解く。5~8では肉食を促進する食肉業界等のロビー活動が紹介され、肉が結局は権力、富、セックスと結び付けられ、利用されてきた歴史を振り返る。そして、それは宗教(キリスト教)にさえ適用され、ベジタビリアンが異教徒扱いまで受けた事にも言及している。そして、そのベジタビリアン主義が結局は肉以外に、代わりになる物がないと言う事実の前に平伏す現状だ。更に、11章ではあのインドでさえ急速に肉食化が進行している事例により、アジアで広まる肉爆食化の傾向を示す。一番重要なのは、こうして肉食から逃れられず、且つ拡大化してゆく現状をどう筆者が見ているかだろう。それは12章に書かれているので、是非一読することをお勧めする。はてさて、私の場合はまずは目の前の甘いモノ、そして魅力高いアルコールの魔力から解き放たれる事が大切で、その後出来得れば、肉食から野菜中心の食事へと転換出来ればと考えているが、皆さんは如何だろうか?



2017年7月25日火曜日

IT企業は雪国がお好き


以前、このブログで、アマゾンの日本に置ける倉庫(ストック)の面積が東京ドーム200個に当るという紹介をした。今日は、業界紙コラムに掲載されていた、彼らのデータセンターの規模についてのニュースだ。マイクロソフトはアイスランド、FBはスウェーデン、グーグルはフィンランドにそれぞれの情報ストック拠点を持っているらしい。何故か?ストックセンターに勤める人々がスキーが好きだから?と冗談をかましている時ではない。要は寒い地域では冷房を必要としない。例え、真夏としてもだ。今や、お金より価値のあるものとされるデータ。このデータ保存センターの維持・管理はIT企業には、必須の事業戦術である。お金より価値があると言う意味は、お金は一旦使うと無くなってしまうが、データは永久保存されるし、錬金術ならぬビッグデータ解析により、数倍、あるいは数百倍の価値に肥大化する宝の山でもあるのだ。業界紙によれば、アマゾンで70億以上の注文、グーグルで2兆回以上の検索回数があると言われ、個人情報あるいは企業・政府・国単位で整理され、解析しゆくのだ。兎に角、映像もしくは音声入力されたものは徹底的に解析されるので、データこそ命なのだそうだ。ゴールドラッシュならぬ、コールドラッシュとコラムでは皮肉られていたが、このデータ収集には各政府も神経を尖らせ、最近では欧州がグーグルを独占法で訴えるという動きも起き始めている。時既に遅しとも思えるが、さて、我が身はどうしたら良いのだろうか。でも、この僻地で何とかそれなりの文化レベル(意識だけの話)を維持出来ているのは、ネット通販や通信のお陰であることは間違いない。電話線を切り、山奥に暮らす手も無きにしも在らずだが、やはり不便には家族も含めて我慢ならないだろう。という事は、いずれ、我が家は我が身も含めて、丸裸状態になると言う事かもしれない。誠に残念であるが、事実はその方向へと着実に進んでいるのだ。



2017年7月24日月曜日

「同時性の魔術を知る」 古い羅針盤55章 発売開始

同時性の魔術を知る
古い羅針盤55章
●近くて遠きは日本の神様也
●ピーターの法則
●私が注目の野菜とは?
●CKDという、もう一つの厄介病
●人生100年設計のアラモード
●ださくない経営概念とは?
●色々なカフェが在って良い
●貴方は俗人?
●ワインもワンコイン時代?
●利益と開示性の器
●忖度という虎の威
●ジェンダーというまやかし
●招かれない殺し屋とは?
●ポピュリズムという幻想
●街歩きのプロ
●転職というビジネスチャンス
●ITという大きな消費の波
●親切が仇にならない方法
●PTAを良く知ろう
●虹色のチョークを創る
●漢字の魔力とは?
●芸術に死んだ88歳
●安心できる老後とは?
●いつか、又、来た道
●物流という究極ビジネスを問う
●音楽はアルツハイマーに効く
●あとがき
 本編は筆者ブログ「古い羅針盤」(2017.06月)掲載されたものを纏めたものです。
●引用文献
「氏神さまと鎮守さま 神社の民俗史 (講談社選書メチエ)」:新谷尚紀
「タマネギとニンニクの歴史 (「食」の図書館)」:服部千佳子、 マーサ・ジェイ
「腎機能が低下したときにすぐ読む本 (しっかりわかる新しい医療)」:塚本雄介
「働けるうちは働きたい人のためのキャリアの教科書」:木村勝
「ようこそ、認知症カフェへ:未来をつくる地域包括ケアのかたち」:武地一
「俗語入門: 俗語はおもしろい!」:米川明彦
「はじめてのジェンダー論」:加藤秀一
「招かれない虫たちの話: 虫がもたらす健康被害と害虫管理」:日本昆虫学連合
「ポピュリズムとは何か」:ヤン=ヴェルナー・ミュラー、 板橋拓己
「百年の散歩」:多和田葉子
「転職に向いている人 転職してはいけない人」:黒田真行
「ある日うっかりPTA」:杉江松恋
「虹色のチョーク」:小松成美
「書のひみつ」:古賀弘幸
「もっと知りたいミケランジェロ: 生涯と作品」:池上英洋
「Q&A 日経記者に聞く 安心老後、危ない老後」:後藤直久
「宅配がなくなる日 同時性解消の社会論」:松岡真宏&山手剛人
「音楽療法はどれだけ有効か―科学的根拠を検証する」:佐藤正之


お金の使い道を教えてくれる



「お金の悪魔: フェおばさんの経済学レクチャー」:エツェンスルー,H.M. Enzensberger,Hans Magnusを読んでいる。主人公はフェおばさんとそれを受け入れる家族の物語風であるが、実際はにやりと考えさせる諺が各所に配置されていて、面白い。例えば、「哲学者は富と軽視、貧困による屈辱の守るため」「お金は堆肥、捲いた時役にたつ」「お金がなければ、敬虔な人でも無意味」「お金は引き摺りながらやってきて、踊りながら去ってゆく」「お金は鋳造された自由」「政府は人々のポケットからお金を抜き取る」「食事は笑い、酒は人生を楽しみ、銀は全て応える」「お金は人間をひざまずかせる」「人間にとってお金は呪い」「お金が無ければ、考えるしかない」「賢者でもお金を持ってくる人を歓迎する」「お金が無ければ、名誉も病気に過ぎない」「健康でも、お金が無ければ寒気がする」「お金のない男は歯のない狼」「お金がたくさんあるのは罪、全然ないのはもっと大きな罪」等。章は1)フェおばさんの訪問、2)フェおばさんの帰還、3)フェおばさん、フェダーマン家に越してくる、4)フェおばさんの遺産。氏は詩人であり、作家・評論家でもある。シニックにこの世を見透かしている。家族の子どもたちに、フェおばさんが、お金について語ってゆくのだが、それは現実的でかつこの世の中の好い加減さとその隙を狙い金稼ぎをする狡猾な人々を事例として挙げながら、物語が進んでゆく。例えば、1章では、何と発券銀行、BIS、通貨改革、有価証券、オークションなど豊富な経済用語が分かり易い事例と共に、説明されてゆく。資本主義のOSとして、好景気、過熱、停滞、リセッション、破たんはあるなんて、比喩は味わい深い。2章では如何にお金もちになるかを説く。兎角、お金は汚いもの、普段は口には出さないものなんて、思う人が多いだろう。それは怖いもの見たさみたいな所があり、ちゃんと向き合う必要がある。そうでなければ、お金持ち達もしくはそれに繰られる政治家たちによって、変動的且つ政治的な価値を持たざるを得ないお金の本質に振り回される事になるだろう。この一見牧歌的にも見えるこの本のそら恐ろしさが理解出来ないだろうと思う。


2017年7月23日日曜日

2017(平成29年).07.23書評

先週の評点:
「子ども格差の経済学」(〇):橘木俊詔、「人類はなぜ肉食をやめられないのか: 250万年の愛と妄想のはてに」(◎):マルタ・ザラスカ、小野木明恵、「世界の美しい市場」(◎):澤井聖一、「人間はだまされる―フェイクニュースを見分けるには」(〇):三浦準司、「ワンオペ育児 わかってほしい休めない日常」(◎):藤田結子、「ぷろぼの」(△):楡周平、「アノニム」(〇):原田マハ。
ノンフィクはいずれも秀作だろう。小説群は楡氏はやや暗すぎる。唯、これが今の斜陽家電メーカー現実像かもしれないが。原田氏は作品に振れが大きい。氏自身のチャレンジ精神なのか、定かではないが、しっとりと19世紀の絵画をテーマにした作品が私は好きだ。
今週のお題:
「歌うカタツムリ――進化とらせんの物語 (岩波科学ライブラリー)」:千葉聡、「すごい物理学講義」:ロヴェッリ,カルロ、 Rovelli,Carlo、「1493――世界を変えた大陸間の「交換」」:チャールズ・C. マン、 Mann,Charles C.、「お金の悪魔: フェおばさんの経済学レクチャー」:エツェンスルー,H.M.、 Enzensberger,Hans Magnus 、「dele ディーリー」:本多孝好、「新任刑事」:古野まほろ。
近況:
家人と愚息は夏休みに突入。但し、例年と違い、今年は受験勉強まっしぐら!という事で帰省もなく、それによる実家との衝突も無く、平和になるかも。尤も、エアコンばかり付けていられない我が家。節電と快適さの指針は家族バラバラなので、やはり小さな諍いは起きそうだ。もちろん、私の部屋にはエアコンなど無いので、暑い中での副業強化しかないか。そう言えば、11年間乗った自家用車がガタが来たので、乗り換える事に。但し、先立つモノが見当たらないので、中古5年落ちの安い車に決定。外ズラだけ良いのは誰に似たのかな?なんて思っている。どちらにせよ、車無しでは生活できない超僻地なので、車は必須。暫し、お世話になるだろうと考えている。




2017年7月22日土曜日

ワンオペ育児を考える


「ワンオペ育児 わかってほしい休めない日常」:藤田結子氏を読んでいる。元々、若き頃、仕事ばかりで家庭を顧みず母子家庭とダメ出しされ、離婚に至った私だから、あるいは再婚後も、又、日常の家事・育児非協力でダメ出しされる私だから、お母さん方の孤軍奮闘と一方でのお父さんたちのダメさ加減が分かり、ぐさぐさと胸を刺す事実及び指摘が多いのだ。やや都会寄りの子持ち主婦に話題が集中し、では、田舎の女性はどうか?と問い掛けたくはなるが、似たり寄ったりの事象が日本全体のお母さんにはあるんだと理解出来るのだ。但し、それでも、実際は中々身に付いた錆は落とせないだろうと尻込みしてしまう。だからこそ、現状の悲惨さを憂うより、まずは我が家の改善から為すべきだろうと思うようになる本でもある。章は、1)産みにくい社会、2)自称イクメン問題、3)孤独なワンオペ育児、4)保育園落ちた、5)職場と上司の厚い壁、6)若者の理想と現実、7)ワンオペ育児を乗り切る方法と分かれているので、1~6をたっぷり読み込んで、最後の結論に至る必要があるだろう。冒頭で述べた深い失敗を踏まえても、中々思い通りにはいかないのが人生なんだと、最近諦観気味ではあるのだが、それでも、この社会問題は放置できないと痛感するばかりだ。要は日本の働く主婦は凄く大変なのだ。何時も見て観ぬ振りはきっと彼女たちの優しさに甘え切っている、日本のお父さんたちの怠慢なのではあるが、社会全体がそうした人生設計をベースにしている事も確かなのだ。このブログを読んでいるお父さん方は是非、一度胸に手を当てて、思い当たる所が多々あると思うので、お母さん方の大変さを少なくとも理解する努力はして欲しいと痛感する。又、お母さん方は決して、自分が不出来な母親だと思い込まず、とっても大変な事をこなしているとの自負を持って、お父さんをじっくり役割分担について、再度話し合いを持たれたら良いかと思う。本ブログでも主婦の仕事は経済性評価すると130兆円近くなるとの推算を紹介した事がある。「改・無償労働130兆円は主婦のお蔭」一度是非向かい合わなくてはならないテーマでもあると思うが、如何だろうか?



2017年7月21日金曜日

教育格差の根っこ

この夏、愚息は地元の塾通いで精を出す予定だ。目的は高校受験準備。その費用は軽く、iPAD・Proが買えるくらい、高額だ。だが、前のめりになっている家人以下に反論すれば、家庭内紛争が起きそうな熱い時節。父親は沈黙を守るしかないのだ。事の発端は、3年前の中学受験。甘く見ていたら、本人のやる気の無さ(実は私も全く無かった)も加味され、且つ塾の選定ミス(我が家ではこれを主原因にしている能天気さがある)で見事大敗を帰した苦い経験がるからだ。で、「子ども格差の経済学」:橘木俊詔氏を読んだ。丁寧に教育費の現状を統計的に紐解いた良書だ。最終結論自体は、まさに受験を控えている親には受け入れ難いものでもあるが、長い目でみたら、経済格差が教育格差を生んではいけないだろうとは思う。だが、それは総論であって、各論且つ我が子が対象となると、考えはがらっと変わるものだと思う。さて、議論は先送りして、章は、1)塾に行っている子と行っていない子で、どれくらいの差が付くのか、2)ピアノやサッカーの習い事はどんな効果があるのか、3)一人の子供を育てるのにいくらかかるのか、4)なぜ日本は教育を親まかせにしたのか、5)子供たちに親の出来ること、社会が出来ること、に分かれている。これから塾通いさせる私にとっては、1章が重要だが、結論から言えば、中学生の殆ど(70%弱)は塾通いをしている。又、父親が大卒で裕福である場合ほど、その比率が向上し、且つ勉強時間も増えるらしい。やはり。2章はふっ飛ばして、3章の結論から言えば、幼児から私立学校で且つ、下宿ケースは凡そ2千万円の教育費が掛かる。又、公立大学&私立大学の差は昔ほど大きくないようだが、東大の様な有名国立大学に占める高所得者の割合が極めて高い事も特記事項だろう。4章では海外に比べると、日本では教育格差がそれほどの深刻な経済格差にはなっていないとの指摘があると同時に、親の方も子供の教育を負担すべきだとの意識もあり、公的教育熱が生まれないと指摘している。確かに、私が以前から論じている地方のソフトヤンキーの裕福さからすれば、一概に「大学出たら、末は博士か大臣か?」等のジャパニースドリームは既に崩壊しているのかもしれない。それでも、大卒の親は必死でよりレベルの高い高校、大学を目指して我が子の塾通いを推進するしか手立てがなく、これも又、先の読めない時代の親の足掻きの一つなのかもしれない。5章では、国家教育支出と増加、少人数教育重視、区制の徹底、塾廃止、家庭内教育時間の向上、父親の役割、最適な高校、大学の選択が述べられている。やや理想論的で受け難いものもあるが、正論だろう。冷静に親として自分自身の行動を振り返るには良い機会を与える良書だと重ねて思う。


2017年7月20日木曜日

美と食物の微妙なバランス


マルシェとマーケットの違いって、何か?と問われれば、フランス語と英語の市場を示すだけなのだが、前者は何となく、洗練された感覚を抱くのは、欧州に弱い日本人ならではか?さて、「世界の美しい市場」:澤井聖一氏を見ている。

これは世界中の市場を訪問し、写真と説明が対比された市場集であるが、築地だ、豊洲だ、安全だ!と騒ぐ間に、もっと市場を魅力的にするには、どうすべきか、この本を眺めて勉強して欲しいと思う位だ。築地は個人的には嫌いではないが、この本で紹介のある各マルシェやマーケットに較べる(実際、現地を訪問した事がある経験と併せて)と、文化面での劣勢が理解出来ると思う。それはインバウンド景気を日本で本物にする為の方策にも繋がると思えるのだ。さて、前置きが長くなったが、本の紹介に入ると、世界中のマーケットが欧州、南米アメリカ、中東・アフリカ、アジア・オセアニアと列記されている。その数は約100か所、そして、その半分が欧州を占めるのは、長い文化の重みか、はたまた、その観光資源としての力量かは定かではない。しかし、食物を一つの文化の象徴として利用する辺りの強かさは、日本人も是非学びたいものだと感じる。逆に言えば、スマホでクリックしただけで瞬時に買い物できる現代だからこそ、売り手と買い手が顔を突き合わせ、その熱気が籠っている市場こそ、今、とても大切な文化遺産でもあるようにも感じるのだ。さて、私自身が訪問し、且つ本中に紹介されている事例を幾つか述べると、欧州ではやはり、マドリッドのサンミゲル市場、サンタカリーナ市場か。残念ながらエンカンツの蚤の市は見逃している。ロンドンのポートベローも見逃している。一方、クリスマス市で有名なドイツのニュルンベルクは結構渋い。本ではドレスデンが紹介されていたが、その代わりにフランクフルトも良かった。但し、現地はとっても寒いので、防寒着は必須なので、ご注意を。更には、パリのマルシェ。写真では果物や野菜が掲載されていたが、チーズや各種の焼きたてパンもお薦めだ。

買ったその場で食べながら、公園を散策できる手軽さがマルシェの良さだ。ロッテルダムも何度か訪問したが、残念ながら見逃しているのが、マルクトハル。カラフルな壁画は流石、ゴッホの国?ベルギー・グランプラスの花市も素敵だが、その時期に訪問出来ていないのも残念。ここは日本人ご用達のゴデイバの本店があるので有名。逆にアメリカに渡ると、件数も少ないし、私自身の体験も比例する。せめて、フィッシャーマンズワーフ(サンフラン)やクインシーマーケット(ボストン)に訪問しておけば良かったと、今更ながら反省。一方、中東に行けば、若干の経験が語れる。トルコのグランドバザール、ドバイのオールドスーク、モロッコのジャマ・エル・フナ広場など、今でも熱気を感じられるほど、異国感たっぷりの個性的マーケット群だ。アジアも台湾、ベトナム、タイ等、幅広く紹介されているが、何となく日本にも繋がる点が多く、やや興味が薄れてしまうのは、仕方がないかも。さて、皆さんは何処に行きたいと思うだろうか?



2017年7月19日水曜日

フェイクなニュースに惑わされ


「人間はだまされる―フェイクニュースを見分けるには」:三浦準司氏を読んでいる。最近、こうした本が増えているのは、それだけ、我々が気が付かない所で誤情報が当たり前の様に、流されている事実が歴然と存在するからだ。だから、自分の身を守るためには、その行動決定に不可欠な正確な情報をどう得るかが一番大切なのだ。その意味でも、このブログは出来るだけ、外部の文献や書籍を利用し、個人的見解はMINにしている積りだ。さて、この本は以下の章に分かれている。1)だましのテクニックを見破れ、2)何がニュースか、3)ジャーナリストの仕事場、4)ジャーナリズムとは?5)客観情報、6)これが特ダネ、7)人権と犯罪情報、8)情報源を守る、9)誰もがジャーナリスト、10)情報は一人歩きする、11)思い込みの壁、12)愛国心はほどほどに、13)世論が暴走しないように。このように、氏自体がジャーナリストだった関係上、そちら寄りの記述が多いので、ややフェイクニュースを見破る為のノウハウ本には適してはいない。むしろ、ジャーナリストからすれば、読み手を意識した行為である事と、全ての事件を正確に理解するのは不可能である等、客観性に欠け易い事を正当化している感さえある。確かに、現在の新聞の現状は厳しい。特に、通信環境の画期的発展で、市民がジャーナリスト化しつつある中、又、旧来型の政党が強権的な圧力をマスコミに与える事例も紹介されている。むしろ、最後の13章が重要になる。一つには、事実が感情に押し流される事、自分なりの確認方程式を作る事(三つの情報源を当たる等)、「世論」と「輿論」をしっかり区別する事、且つ発信源と受信側がもっとオープンに付き合うのが良いとも。若干、ホウハウ本にしては、具体性にも欠け、参考になる点はそれほど多くは無いが、国内外の誤報がどう生じたかの事例は豊富だ。古くは戦前の大手新聞社の転向(在郷軍人会の不買運動等)、サリン事件の初期誤報道された河野さん事例、海外ではイラク事件時のナイラ証言や原油まみれの水鳥等が登場する。これらを知ると、今だけではなく、何時の世も誤報や曲報は存在し、それが報道側にとって利があるからだ。昨今のかの国の大統領のマスコミをひたすら。「フェイク」と敵視扱いするのは、決して優れた態度ではないと感じる。そう言えば、この国でも、都議選で批判を受けた時に、「あんな危険な人の意見は聞かない・・」風に対抗した事があった。それは又、それで鷹揚さに欠けるものだろう。耳障りの悪いニュースは何時の世も、庶民のみならず、権力者にも不都合なものが多いのだ。



2017年7月18日火曜日

CGコレクション 2017.7月販売開始

CGコレクション 2017.7月販売開始
古い羅針盤の表紙を飾ったCG画像を本に纏めました。



13千歩の閾値


首都圏に住んでいた時は、通勤だけで優に8千歩を達成していたが、この僻地ではクルマ社会故に、中々達成が困難だ。よって、早朝ジョギングでカバーしていたが、雨天時はダメだし、パトロールカーに怪しまれたりで、今はエアロバイクと筋トレ&会社内の業務歩行で何とか7千歩ぎりぎりを維持している。本来はこれに昼休みのジョギングを加えていたが、どうも深夜脚が攣り、睡眠不足の要因になるので、控えていた。で、昨日。出張で上京した際、電車の代わりに日頃の運動不足を解消しようと、徒歩で移動したら、何と、深夜ホテルで脚が攣り一晩中、寝ては起きての睡眠不足状態に陥った。その歩数13千歩。

どうも、最近の私の筋力ではここが閾値のようだ。因みに、上京時には飲み会も多く、早一番の高速バスに乗って出社するのだが、サラリーマン風の方々が朝帰り?でお疲れの様子が同じく同席されている。残業時間削減、作業効率の削減などと巷では騒いでも、こうして第一線では体力を使って、早朝から仕事に向かう人々が居ることは未だ、日本人も頑張ってる!なんて感心したりしている。但し、皆さん、座席で殆どの方が熟睡をしており、中には座席で横に伏している勇者も居て、サラリーマンはやはり大変だと改めて、同類の苦労を思い知った次第。とあまれ、たまの状況は僻地で茹で上がったり、干上がったりしない為の私也の処方箋ではあるが、段々とその体力が枯渇しつつあることも若干の不安材料ではある。だが、それもムキになって徒歩を選択せず、都会故の利便性の高い電車やバスを使えば閾値を越えず、移動は可能だ。年寄りの冷や水ならぬ、過度な歩行距離は控えれば済むのだ。まあ、それだけ、僻地馴れして、都会生活からは縁遠くなった事実でもあるのだが、何とも情けない老体を露呈してしまったと猛省している。



2017年7月17日月曜日

空中戦を制するもの


制空権。これは人間が自由に空を飛べない為に起きる唯一のデッドスパースを機械で支配権を得ようとする仕掛けだ。スポーツなどでは、背の高かったりジャンプ力がある選手が瞬間的にはその権利を持つが、常時ではない。国家間でも当然それは生じる。国際法では一応制空権の領域を決めてはいるものの、国際法に準じない国家にはこれは適応されない。あるいは、戦争等非常時の場合は当然、無視される。例のならず者国家が粛々と強化する弾道ミサイル&核兵器開発も実は、この盲点を突いている。かの大国の宇宙空間での横暴な実力行使もやはり、これに当たる。自由は個人だけでなく、国家さえも魅了し、そこに自分の立ち位置を求めるものである。業界新聞のコラムによると、日本は米国の地上配備型砲撃ミサイル(GBI)と韓国に配備予定の終末硬度防衛ミサイル(THAAD)の代替化としての地上型イージスシステムとパトリオット(PAC3)の三弾構えで対峙するらしい。更に米国はこれにイージス艦搭載のSM3を用意し、今後は空中発射レーザーの開発に着手したらしい。かの国のミサイルがマッハ5を超す100秒以内に破壊するのが目的らしい。他方、別な方法として、ステルス機能を持つ大型飛行機を日本海と黄海上空に飛行させ、射程300キロ、マッハ14以上の高速空対空ミサイルを打つ事も検討しているようだ。威圧的な意味しか持ち得ない空母の回遊よりは、余程効率的な戦法なのかもしれない。今までは高が、東アジアの出来事と思っていた、かの軍事独裁国家の行動が、西海岸にまで届くミサイルを開発した事で、米国を本気にさせたとも言えるのだろう。但し、こうした物理的戦法とは別に、空中戦を制するものとしてサイバー攻撃がより効果的として、かの国もかの大国、更には北のかの大国もその開発に凌ぎを削っている。いやはや、制空権とは何処までも権力者たちの欲望を刺激し、魅了するものである事だけは確かなのだ。



2017年7月16日日曜日

生命の羅針盤3 時空とフローラを糧に 発売開始

生命の羅針盤3  時空とフローラを糧に 発売開始
生命の羅針盤三 時空とフローラを糧に
目次
●六百万年の反省を糧に
●ポスト資本主義とは?
●AIなる誤解と未来
●知性を磨く努力を見る
●Aではない希望
●葦の脚力を知る
●千二百年の時空を超えて
●青春というまほろば
●2016年の課題と展望とは
●中産階級という仕掛け
●脳には取締役が必要!
●パイオニアという宇宙視点を問う
●残業という偽証
●六百万年前発生した1%の奇跡
●がんと言う金銭感覚
●毒親という新たな就活
●男こそアンチエイジングが語るもの
●賞取りは寿命を左右するらしい
●親には一人暮らしをさせなさいが、肝!
●愛の反対は何?
●古き良き時代の終わりか
●シンプルな答えが一番
●死に方のレッスンをしよう
●ない々づくしの功罪
●二千万人は居る依存症という病
●超超高齢化という世界で生きる
●無戸籍人が日本で生じる背景とは?
●犬は家畜であるという事実
●私は腸内フローラである!
●味覚と消費のかけっこ
●ゲノム解析という近未来
●ホスピスとは宗教に似ている
●神々が死んでゆく様
●オフェンスが生きる事
●ソフトランディングが出来ますか?
●腰痛に要注意!
●引用文献
「人体600万年史(下):科学が明かす進化・健康・疾病」:ダニエル・E・ リーバーマン、塩原通緒
「600万年の知恵と欠陥」:佐伯一郎
「ポスト資本主義」:広井良典
「AIは「心」を持てるのか」:ジョージ・ザルカダキス、長尾 高弘
「東工大講義 生涯を賭けるテーマをいかに選ぶか」:最相葉月
「日本の若者はなぜ希望を持てないのか」:鈴木賢志
「空海」:高村薫
「95」:早見和真
「文藝春秋オピニオン2016年の論点100」:ムック
「十代の脳 反抗期と思春期の子どもにどう対処するか」:ジェンセン,フランシス、 ナット,エイミー・エリス
「限界コストゼロの経済」:ジェレミー・リフキン、 柴田裕之
「安心してがんと闘うために知っておきたいお金の実際」:内田茂樹
「男こそアンチエイジング」:伊藤和弘
「親には一人暮らしをさせなさい」:三村麻子
「女性と子どもの貧困~社会から孤立した人たちを追った」:樋田 敦子
「冬の光」:篠田節子
「おひとりさまの最期」: 上野千鶴子
「依存症の科学 いちばん身近なこころの病」:岡本卓、和田秀樹
「超高齢社会の法律、何が問題なのか」:樋口範雄
「無戸籍の日本人」:井戸まさえ
「人類と家畜の世界史」:フェイガン,ブライアン
「若返る!病気を防ぐ!腸内フローラ10の真実」:NHKスペシャル取材班
「季節のなかの神々: 歳時民俗考」:小池 淳一
「終わった人」:内館牧子
「からだにやさしい腰痛克服法 --徹底図解 腰痛の原因と対策-- (名医が教える健康バイブル)」:駒形正志
●あとがき
本編は筆者ブログ「古い羅針盤」に掲載されたものの中から、生命に関するエッセー分を纏めたものです。


2017(平成29年).07.16書評

先週の評点:
「図解 エコノミークラス症候群の原因と予防ストレッチ」(〇):原幸夫、「航空機産業と日本 - 再成長の切り札」:中村洋明、「無線ネットワークシステムのしくみ: IoTを支える基盤技術 (共立スマートセレクション)」(◎):塚本和也、尾家祐二、「みみずくは黄昏に飛びたつ―川上未映子訊く/村上春樹語る―」(◎):川上未映子、村上春樹、「まぬけなこよみ」(〇):津村記久子、「凄腕」(〇):永瀬隼介、「物語のおわり」(△):湊かなえ。
今週のお題:
「子ども格差の経済学」:橘木俊詔、「人類はなぜ肉食をやめられないのか: 250万年の愛と妄想のはてに」:マルタ・ザラスカ、小野木明恵、「世界の美しい市場」:澤井聖一、「人間はだまされる―フェイクニュースを見分けるには」:三浦準司、「ワンオペ育児 わかってほしい休めない日常」:藤田結子、「ぷろぼの」:楡周平、「アノニム」:原田マハ。
近況:
毎回、健康不調を訴えても、この梅雨なのか、そうでないかの初夏の時節、うんざりするばかり。何か楽しい事在りきかと思えば、この時期はトウモロコシやスイカなど美味しい食物が食卓を飾る頃だし、貰い物の高級ソーメンや桃なども有り難く頂ける。最近ではすっかり四季が薄れてしまった日本だが、こんな多彩な文化は他国では無いよなあ?とか言って、細やかな幸せに浸っている毎日だ。来週、愚息は通信簿を貰い、家人も学校が休みになるが、其処からが本格的な、高校受験の塾通いとなり、忙しい毎日は変わらない。更には、愚息が大学受験の時には試験制度が前面見直しになるとかで、それも又、可哀そうな事だと思う。少子・高齢化の中、年々より即戦力を求められてゆく新世代は、つくづく大変だ。ほのぼの青春なんて時代は、既に回顧調の風景としか残らない時代なのかもしれない。





2017年7月15日土曜日

AIが先か、人間が先かの価値判断


先日、快進撃を続けていた将棋の若手棋士が30連勝を逃し、話題になっていた。愚息が同級生(年齢という意味で)という事で、あんな天才を息子に持ったら、大変だなあと密やかに思っていたりする。どちらにせよ、トンデモナイ少年が登場したものだが、それにはAIなる将棋ソフトの台頭が伏線として存在しており、それを良く学んだ若手棋士の活躍でもあるのだ。一方、対局中にソフト検索したのでは?と疑われ、犯人扱いされた中堅の棋士が居たが、随分と将棋界はこの数か月で変化したものだと実感している。それはきっと、AIをひたすら脅威と考えるのではなく、どう共生すべきかと懐深く構えるようになったのかもしれない。冒頭のAIが先か、人間が先かの議論は囲碁と同様に、定められたルールの中での勝負事では、AIが勝るのは当然であり、ルールの中にプレイヤーは人間に限るという位の制限を設けるのが妥当なのかもしれない。それはオカシイと異論を抱く人が居たら、既にAIほど有能ではないにしろ、各家庭で御飯を自動で炊いたり、あるいは床の掃除を勝手に行ってくれる家電が存在する訳で、結局は使う側の人間の都合で、その妥当性や必要性は判断したら良いのではなかろうか。現にかの若手棋士は打ち始めの悪手をAIで定量解析で改良したり、定石でない手を勉強したりと、積極的だ。それは自分が強くなるためのトレーニングの一部と割り切れば済むはずなのだ。ビッグデータ解析の原理も同じだ。膨大なデータの前で委縮してしまう人間を脇に押しやり、果敢に無茶苦茶な原理や法則を産み出すAIの方が余程、過去の成功体験に依存しないチャレンジャーでもあるのだ。囲碁や将棋には対局相手が存在し、その勝敗が明確な点に人々は惹かれるのだと思う。奇しくも、経済系週刊誌の囲碁の井上棋士と将棋の藤井棋士が対談の中で、愚痴っていた様に、電力が供給される限り、疲労を感じないAIは既に、対局者としては相応しくない事にもなるのかもしれない。故に所詮は機械との対決など、無意味とも言えるのだろう。但し、それを利用し、短期間でプロ棋士として成長出来るのならば、それも一つの優れた学習方法だとも言える。どちらが先か?当然人間である。そうあって欲しいと思うのは私だけではないはずだ。



2017年7月14日金曜日

小説家の裏側のお話


「みみずくは黄昏に飛びたつ―川上未映子訊く/村上春樹語る―」:川上未映子&村上春樹氏を読んでいる。これはある意味で、小説家村上春樹氏の解剖劇でもあるのだ。此処まで、一人の小説家を追い掛ける事は普通ないが、あとがきに村上氏自身が書いている様に、インタビュー側の川上氏の鋭い質問が活性剤になり、より見えない、あるいは見てはいけないはずの小説家の裏側をのぞき見す出来、氏も含め、読者も面白いだろうとの認識の上で、こうして書籍化された経緯ようだ。よって、実際、面白い。綺羅星の様に、小説家の在り方が要所要所に書かれていて、一問一答が見逃せない。ここに羅列してみよう。(優れた)作家はキャビネットを持つ事と比喩が出来る事。長編小説を書く当初から結末は置かないが、多少の縛りは設ける。人称は複数必要。活性化、内的読書、リアリテイを超えるもの、外科医、マテリアルをくぐらせる、リズム感が大切。ここでひと休止すると、村上氏の略歴は早大卒後、ジャズクラブを7年間経営後、小説家に転向。長編小説を書く時は一日20枚のペースで一年間書き続けると。又、それを書き直すのに、計6~7回。それだけでは終わらない。まずは題名から始まると言う。それから物語が頭の中で煮詰まってくるのに、約半年。それからスワッと書き出すそうだ。これから長編小説が完成する期間を換算すると、3~4年は掛かることになる。ひゃ~と驚いてはいけない。最も、翻訳などは片手間に手掛けているようではある。最も、数年間長編小説に掛かり切れるにも、書いた本は十万部以上は確実に売れるから出来る訳で、ここに村上氏の言う、信用取引が読者との間に出来ているからこその、品質向上への努力なんだと理解も出来る。さて、後半の羅列。小説家はエッセーは止めた方が良い、体力が必要(村上氏は風邪もひかないし、一年に一度はフルマラソンに出場する)、現実の相手と戦う、地下2階で戦う、悪しき物語は大切、分かり易い文章で分かり難い事を書く、非リアリズムな物語をリアリズムの文体で書く、何でも文章に出来る訓練を続ける、主人公は自由が利く30代半ばが好適、結果はポジテイブに、常に驚きを設け読者を眠らせない事。等々だ。言葉の羅列で多分、理解し難かったと思うが、それはこの2015、2017年の二回に分けての対談集を読めばお分かりになると思う。実に面白い一流の作家の舞台裏が覗けることをお約束する。



2017年7月13日木曜日

短い々、電波の話


「無線ネットワークシステムのしくみ: IoTを支える基盤技術 (共立スマートセレクション)」:塚本和也&尾家祐二氏を読んでいる。かなり専門分野の話なので、途中でイヤになるが、紹介役の私がそうであってはいけないと、多少順番を変えながら、紹介してゆきたい。まずはヘミングの右手の法則を思い出して欲しい。高校、否、中学で既に習う力・磁力・電流の三方で起きる物理現象だ。そして、電界を平行に置き、且つ交流電位を掛けるとそこに磁界が生まれ、その磁界により、電界が発生しと、所謂電磁波が放射されてゆく原理が電磁波の基本だ。そして、周波数と周期とは反比例の関係になるので、周波数の高い所から、放射線(ガンマ線、エックス線)、光波(紫外線、赤外線、可視光線)、電波、電磁界と分類される。そして、ここで主題になる電波はサブミリ波、ミリ波、マイクロ波、・・短波、・中波・・と分類されてゆく。又、利用する側から分類するとしたら、電波が伝わりにくく、その分情報量が多いものがサブミリ波と呼ばれ、電波天文学等で活用される。一方、我々が昔から馴染むラジオ放送には、電波が伝わり易く、情報量は少ない中波が使われている。周波数:3MHz、波長:100m。もう少し、スマホなど詳しい人にとっては、無線LANで使われているマイクロ波が周波数:30GHz、波長:1cm。携帯電話では極超短波(UHF)が周波数:3GHz、波長:10cmとなる。詰まり、それらの電波の特性を上手に使い合う事で、我々は何時でも何処でも、そして誰でもが、通話や情報が交換出来るようになりつつあるのだ。氏は本で1970年代ハワイで始まった有線LANが無線化されてゆく、その開発歴史を紹介している。そして、今やそれも第五世代(5GLTE)に向かって進み、限られた周波数を上手に遣り繰りしながら、且つチャンネルアクセス制御、高速化(帯域幅の拡大・アンテナ数の増大等)が進んでいるのだ。時代はビッグデータ解析とAI且つIOT時代と言われている。そうした時代の変化と要望に応じて、ネットワーク設計と整備・開発も必要となってくる。そうした縁の下の技術者たちの努力が多く在ることを我々は知る良い機会となる本でもある。



2017年7月12日水曜日

日常的エコノミークラス症候群という病魔


「図解 エコノミークラス症候群の原因と予防ストレッチ」:原幸夫氏を読んでいる。海外渡航が多かった(今でも若干あるが)立場上、自らが罹ったり(後で分かって、実はそうだったと思い返した訳だが)、同僚がそれで命を落としたりして、身近なものなのだが、それが日常的にも起きる事を知り、手に取った訳。まずはこの病気の正体だが、下半身(特に脚で)で発生した血栓が肺の血管をふせぐ肺塞栓症を指す。要は下半身で起きた原因が結果として、肺で呼吸困難になるという因果ではあるのだが、この原因が飛行機の中だけでは無いのが問題なのだ。何故、血栓が脚で出来るのは、静脈戻しが脚の収縮&弛緩のポンプ効果なので、どうしても血管中の血栓等が滞留し易いからだ。よって、まずは血栓発生防止が対策となるようだ。予防対策のイロハとして、1.水をこまめに取る、2.リラックスできる服装、3.1時間に一度足の運動を。4.足組みは止める、5.貧乏ゆすりはOK等々だ。最近では、地震や河川の事故で避難所生活を強いられる場合もあるし、長時間デスクワーク、自動車の運転等、同じ姿勢で長く居る場合も多い。どれもこれも、血栓発生可能性が高いと注意すべきだ。もう一方、ストレスが高い事も問題だ。日ごろからのリラックスが重要だ。更には、むくみの気になる足のケア、つまりストレッチやマッサージ、あるいはツボ押しとなる。ここは氏が柔道整復師所以のお得意分野になるのは当然の帰結。どちらにせよ、日ごろから足が疲れやすい私などは、普段から血液循環を意識したストレッチが欠かせないという事だろう。皆さんも努々ご自愛、および日ごろからのケアを抜かさないように、ご注意有れ。



2017年7月11日火曜日

生命の羅針盤2 AIと宗教の関係 発売開始

生命の羅針盤2  AIと宗教の関係 発売開始
生命の羅針盤2 AIと宗教の関係
目次
●献体増加という貧困の世界
●性善説という罠
●貧困と無宗教の関わり
●南極に豊かな森林が存在した頃
●18歳という閾値を考える
●根が深いSTAP細胞偽証
●ダークマスターと生命
●イクメンが教科書に載る時代
●貧しても鈍しない生き様は?
●エウロバやエンケラドスなる生命の泉とは?
●宗教という仕掛けを問う
●オワハラをご存じか?
●気候のカジノは回ってる!
●1000万人の待機者なる欺瞞
●結婚とは何か?
●狭い間口と高層マンションの相似
●犬と花の関係
●蓼食う虫も様々が未来像?
●死刑廃止と冤罪
●医師ムラ社会はマイナンバー拒否
●知性という存在が人間の本質だ!
●腰痛は心の病だそうだ!
●やはり、犬は肩身が狭い?
●オトコと女の分かれ道
●恋愛は麻薬である
●「今から仕事をやめてくる」が受けている
●二十cmの恐怖がやってくる
●逃げるが勝ちを憂うるなかれ
●新たな人的資本投資の行方
●AIに年齢制限あり
●不確実性との闘い
●失敗は成功の元にならない日本
●電気なしで生き抜く老人
●本当のSF小説とは?
●火星探索は続いている
●超老々介護の未来
●肩の力を抜きなさい…
●引用文献
「文庫 リーガルハイ 2ndシーズン」: 古沢良太 (脚本)、百瀬しのぶ
「STAP細胞 事件の真相」:佐藤貴彦
「運命の選択1940-41(上)(下) 世界を変えた10の決断」:イアン カーショー、 河内隆弥
「植物が出現し、気候を変えた」:デイヴィッド・ビアリング、西田佐知子
「謝るなら、いつでもおいで」:川名壮志
「怒りのブレイクスルー―「青色発光ダイオード」を開発して見えてきたこと」: 中村修二
「Newton 宇宙空間が膨張するとは,どういう意味か」:科学雑誌Newton
「イクメンで行こう!―育児も仕事も充実させる生き方」:渥美由喜
「進化の謎を数学で解く」:アンドレアス ワグナー、Wagner,Andreas
「全世界史」講義 I古代・中世編: 教養に効く!人類5000年史」:出口治明
「オワハラ時代の大学と就活」:秋本裕子、池田正史
「気候カジノ」:ウィリアム・ノードハウス、 藤﨑香里
「保育士がたりない! ―待機児童問題が突きつけた日本の現実」:鶴蒔靖夫
「ビューティフル・マインド: 天才数学者の絶望と奇跡」:Nasar,Sylvia、塩川優
「レジリエンスとは何か: 何があっても折れないこころ、暮らし、地域、社会をつくる」:枝廣淳子
「花は咲く」:花は咲くプロジェクト
「絶歌」:元少年A
「ネアンデルタール人は私たちと交配した」:P¨a¨abo,Svante、スヴァンテ ペーボ
「Newton 男女を決める XY染色体 XとY」:科学雑誌Newton 
「ちょっと今から仕事やめてくる」:北川恵海
「富士山噴火と巨大カルデラ噴火」:(Newton別冊)ムック
「世界一やさしいイラスト図解版!ランチェスターNo.1理論」:坂上仁志
「ゼロから作るDeep Learning ―Pythonで学ぶディープラーニングの理論と実装」:斎藤康毅
「リスク 不確実性の中での意思決定」:Baruch Fischhoff、John Kadvany
「老後破産:長寿という悪夢」:NHKスペシャル取材班
「エピローグ」:円城塔
「ついに到着! 冥王星 太陽系探査の最前線」:(Newton別冊)ムック
「我が家のヒミツ」:奥田英朗
●あとがき
本編は筆者ブログ「古い羅針盤」に掲載されたものの中から、生命に関するエッセー分を纏めたものです。




空への夢物語を知る


経済新聞に自動車メーカーの本田で果敢にジェット機にチャレンジしたエンジニアの苦労話がコラムとして掲載されている。一から立ち上げたプロジェクトの苦労の度合いは計り知れないが、それに対する情熱が最終的には成功へと導いた夢実現物語で、同じ(元)エンジニアとして甚く共感している。で、この本を手に取った。「航空機産業と日本 - 再成長の切り札」:中村洋明氏だ。氏も元日系機械メーカーのエンジニア。しかも、航空機部品製作に永く携わった経験から航空機への情熱は半端ではない。氏曰く、世界の航空機市場は520兆円(関連企業分含むと1040兆円)。ボーイング747で1基400億円もするのだから、その存在価値は昨今のLCC台頭と相まって、成長産業であることに異論は無かろう。但し、これが日本側(氏)の視点からすると、やや不満が募る様だ。その理由は一番旨みの高い完成機ビジネスまで到達した日本メーカーが無い点だ。確かに、既に日本メーカーの部品比率は30%近いを報道されるが、それはエンジンや装備品を除いた機体構造部分であって、よって高々10%程度まで低下するようだ。氏はもしこの完成機ビジネスに日本が本格参入出来れば、凡そ10万人の雇用確保と数千億円の貿易収支の赤字を生んでいると指摘する。但し、巨頭ボーイング、エアバスを追い掛けろとは、流石に氏は言わない。これから伸びるだろうビジネスジェットを推奨する。何故なら、日本はこの保有数が米国の1%にも満たない貧弱さであるからだ。但し、これには日本人特有のビジネスジェットアレルギー(贅沢という意識)排除や各空港の受け入れ態勢の整備等が必要と述べる。氏の提案や考察はこれだけでは収まらない。航空機本体に対する環境適用の改善項目、オスプレイに対する安全性考察、沖縄下地島空港の代替案、中国の航空機産業の台頭、敗戦国として同様のドイツ航空機産業との比較(数倍の規模を有している)、わずか7年で閉じたYS11への想い、自衛隊からの受注減等だ。何故そうなっているかについては、氏が最後にその総括をしているので、本書で確認して頂きたい。但し、私自身はその結論が国家責任に殆ど依存する点に若干の違和感がある。確かに、巨大産業ではあるが、全てを国産化した先に未来が本当に見えるだろうか?それは他の機械メーカーでも同様の傾向があるように思える。近場で言えば船舶などはその良い例ではないかだろうか。完成機メーカーに格上げされるのは、エンジニアの本懐かもしれないが、少子・高齢化の日本社会の中で、重厚長大的要素が大きい航空機産業が成長する余地は少ないように思えてならないが、皆さんは如何だろうか。



2017年7月10日月曜日

2017年前半書評まとめ


以下、項目が◎評価されました。

小説

「土の記」:高村薫、「喧嘩」:黒川博行。「Good old boys」:本多孝好「不時着する流星たち」:小川洋子。「幻庵 上下」:百田尚樹。「出会いなおし」:森絵都、「果鋭」:黒川博行「やめるときも、すこやかなるときも」:窪美澄「百年の散歩」:多和田葉子

日本フィクション

「人間と機械のあいだ 心はどこにあるのか」:池上高志 石黒浩 「バブル:日本迷走の原点」:永野健二氏「ボブ・ディラン マイ・バック・ページズ」:河出書房新社編集部、「凸凹地図で読み解く 日本の城 ~この地にこの城を建てた理由」:島崎晋、 東京地図研究社、「半島をゆく 第1巻 信長と戦国興亡編」:安部龍太郎、藤田達生、「コンピュータが小説を書く日 ――AI作家に「賞」は取れるか」:佐藤理史、「芸術家の愛した家」:池上 英洋、「だから数字にダマされる」:小林直樹、「日本の防災、世界の災害: 日本の経験と知恵を世界の防災に生かす」:石渡幹夫 「デジタル・タトゥー──インターネット誹謗中傷・風評被害事件ファイル」:河瀬季 「知識ゼロからの健康オイル」:井上浩義 「おうちで学べるサーバのきほん」:木下肇 「コロンブスの不平等交換 作物・奴隷・疫病の世界史」:山本紀夫 「肝炎のすべてがわかる本 C型肝炎・B型肝炎・NASHの最新治療」:(健康ライブラリーイラスト版)、並木泉 「人体-消化の旅 (ニュートン別冊)」:ムック「先生、それって「量子」の仕業ですか?」:大関真之、「免疫はがんに何をしているのか? ~見えてきた免疫のメカニズム~ (知りたい! サイエンス)」:桂義元 「科学者18人にお尋ねします。宇宙には誰かいますか?」:佐藤勝彦、 縣秀彦 「バグは本当に虫だった-なぜか勇気が湧いてくるパソコン・ネット「100年の夢」ヒストリー91話」:水谷哲也 「 ITと熟練農家の技で稼ぐ AI農業」:神成淳司、「イップス―スポーツ選手を悩ます謎の症状に挑む」:石原心、内田直、「新生オルセー美術館」:高橋明也 「中野京子と読み解く 運命の絵」:中野京子、「東大が考える100歳までの人生設計 ヘルシーエイジング」(◎):東京大学高齢社会総合研究機構、「「ポスト真実」時代のネットニュースの読み方」:松林薫、「定年男子 定年女子 45歳から始める「金持ち老後」入門!」:大江英樹、井戸美枝、「枕と寝具の科学 (おもしろサイエンス)」:久保田博、五日市哲雄、「データブック 格差で読む日本経済」:みずほ総合研究所、「単身急増社会の希望 支え合う社会を構築するために」:藤森克彦、「ウルトラ図解 めまい・耳鳴り: 治療の不安をなくす知識と生活術」:古宇田寛子、「高校生からはじめる プログラミング」:吉村総一郎、「葛飾北斎の本懐」:永田生慈、「スポめし 賢く食べて結果を出す!」:細野恵美、「なぜ人はドキドキするのか?(知りたい! サイエンス)」:中西貴之、「そろそろ、部活のこれからを話しませんか 未来のための部活講義」:中澤篤史、「100歳までクルマを運転する」:桃田健史、「薬はリスク?: 薬を正しく知るために」:宮坂信之、「誰が日本の労働力を支えるのか?」:寺田知太,上田恵陶奈、「招かれない虫たちの話: 虫がもたらす健康被害と害虫管理」:日本昆虫学連合、「虹色のチョーク」:小松成美、「書のひみつ」:古賀弘幸、佐々木一澄、「ある日うっかりPTA」:杉江松恋、「超一極集中社会アメリカの暴走」:小林由美

海外フィクション

「超監視社会: 私たちのデータはどこまで見られているのか?」:シュナイアー,ブルース、 Schneier,Bruce、「MARS(マーズ) 火星移住計画」:レオナード・デイヴィッド、 関谷冬華 、「毛の人類史 なぜ人には毛が必要なのか」:カート・ステン、藤井美佐子、「毒々生物の奇妙な進化」:ウィルコックス,クリスティー、 Wilcox,Christie、「SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術」:ショーン・スティーブンソン、 花塚恵、「ビッグデータという独裁者: 「便利」とひきかえに「自由」を奪う」:デュガン,マルク,ラベ,クリストフ、「2050年の技術 英『エコノミスト』誌は予測する」:英『エコノミスト』編集部、 土方奈美訳、「国旗で知る国際情勢」:マーシャル,ティム、Marshall,Tim、「タマネギとニンニクの歴史 (「食」の図書館)」:服部千佳子、 マーサ・ジェイ、「ポピュリズムとは何か」:ヤン=ヴェルナー・ミュラー、 板橋拓己   



そこから各5点を選出しました。

小説

「土の記」:高村薫、「喧嘩」:黒川博行。「不時着する流星たち」:小川洋子。「やめるときも、すこやかなるときも」:窪美澄「百年の散歩」:多和田葉子

日本フィクション

「バブル:日本迷走の原点」:永野健二氏「コンピュータが小説を書く日 ――AI作家に「賞」は取れるか」:佐藤理史、「科学者18人にお尋ねします。宇宙には誰かいますか?」:佐藤勝彦、 縣秀彦 「ポスト真実」時代のネットニュースの読み方」:松林薫、「データブック 格差で読む日本経済」:みずほ総合研究所

海外フィクション
「超監視社会: 私たちのデータはどこまで見られているのか?」:シュナイアー,ブルース、 Schneier,Bruce、「毛の人類史 なぜ人には毛が必要なのか」:カート・ステン、藤井美佐子、 Wilcox,Christie、「SLEEP 最高の脳と身体をつくる睡眠の技術」:ショーン・スティーブンソン、 花塚恵、「ビッグデータという独裁者: 「便利」とひきかえに「自由」を奪う」:デュガン,マルク,ラベ,クリストフ、、 土方奈美訳、「ポピュリズムとは何か」:ヤン=ヴェルナー・ミュラー、 板橋拓己  




2017年7月9日日曜日

生命の羅針盤1 寄生虫と微生物 発売開始

生命の羅針盤1  発売開始

生命の羅針盤一 寄生虫と微生物
目次
●人生の半歩先を行く
●足で稼ぐ 
●人生と生命の在り方
●住処と人生
●出遅れ感
●古きを想う
●花散る時期
●サマータイムの在り方
●この世に残すもの
●ブラックボックスという名の幸せ
●IPS細胞開発の余波
●老兵の在り方
●血の繋がり
●アレルギーとの診断
●生物の中での統計学
●動的平衡の業
●ロング・ナウ・時計をご存知か
●ゴーストは居るのか、居ないのか?
●グリーフケアを考える
●緩い象牙の塔の敗北
●ビッグバンからIPS細胞まで人間は理解し始めた
●幕引きと言う言葉のあや
●60兆個の細胞と社会心理学と教誨師の反応
●進化と寿命の微妙な関係
●放任主義が、がん治療には良いらしい!
●青い血の心臓が三つもあるモノな~に?
●数字で煽られてるのは、誰か?
●バイオロギングをご存知か?
●寄生虫と微生物では大違いの我々(1)
●寄生虫と微生物では大違いの我々(2)
●冷めた目線が男を醒ます
●安全第一と言う原理原則は間違いか?
●運命共同体としての地球を見れるか?
●企業の寿命とサラリーマン人生との相関
●暗黒の夜を行く
●グーグルの揺るぎない自信は何処から来る?
●夜空の90%が宇宙ゴミで埋まっている?
●引用文献
「冷血」:高村薫
「美しい家」:加門七海
「沈黙のひと」:小池真理子
「ジヴェルニーの食卓」:原田マハ
「楽園のカンヴァス」:原田マハ
「ブラックボックス」:篠田節子
「切り裂きジャックの告白」:中山七里
「動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか」:福岡伸一
「動的平衡2 生命は自由になれるのか」:福岡伸一
「せいめいのはなし」:福岡伸一
「はじめて学ぶグリーフケア」:関本昭治、宮林幸江
「教誨師」:堀川惠子
「どうせ死ぬなら「がん」がいい」:近藤誠
「「余命2カ月」のウソ」:近藤誠 
「タコの才能 いちばん賢い無脊椎動物」:キャサリン・ハーモン・カレッジ、 高瀬素子
「改・人間ドックと命の値段 新古い羅針盤2」:佐伯一郎 
「ペンギンが教えてくれた 物理のはなし」:渡辺佑基
「寄生虫なき病」:モイセズ ベラスケス=マノフ、Velasquez‐Manoff,Moises
「気候で読み解く日本の歴史―異常気象との攻防」:田家康
「星々たち」:桜木紫乃
「探求――エネルギーの世紀」:伏見威蕃、ダニエル・ヤーギン
「星のかけらを採りにいく――宇宙塵と小惑星探査」:矢野創
●あとがき
本編は筆者ブログ「古い羅針盤」に掲載されたものの中から、生命に関するエッセー分を纏めたものです。



2017(平成29年).07.09書評

先週の評点:
「『魔女の宅急便』が生まれた魔法のくらし 角野栄子の毎日 いろいろ」(◎):角野栄子、「歩いてわかった地球のなぜ !?」(◎):松本穂高、「図説歴代アメリカ大統領百科:ジョージ・ワシントンからドナルド・トランプまで」(〇):DK社大間知知子、「NHK出版 なるほど! の本 あなたの その「忘れもの」 コレで防げます (なるほど!の本)」(〇):芳賀繁、「ダークナンバー (ハヤカワ・ミステリワールド)」(△):長沢樹、「成功者K」(△):羽田圭介。
今週の課題:
「図解 エコノミークラス症候群の原因と予防ストレッチ」:原幸夫、「航空機産業と日本 - 再成長の切り札」:中村洋明、「無線ネットワークシステムのしくみ: IoTを支える基盤技術 (共立スマートセレクション)」:塚本和也、尾家祐二、「みみずくは黄昏に飛びたつ―川上未映子訊く/村上春樹語る―」:川上未映子、村上春樹、「まぬけなこよみ」:津村記久子、「凄腕」:永瀬隼介、「物語のおわり」:湊かなえ。
近況:
体調不良が続いている。多分、睡眠不足から来ている自覚はあるが、昼が永い時期だからサマータイムになっていると思えば良いのかも。何度も睡眠に関わる本を読んでも、不足が改善しないのは、持って生まれた貧乏性(何かをしていないと不安になる)のせいだろうと高を括っている。だが、周辺で同世代の方のご不幸や、老父母の深刻な老いの情報が入るに連れて、もっと寝なくっちゃと思い心といや、もっと働かなくては!という心が何時も競争状態だ。困ったものである。因みに、愚息は渋々、受験勉強に突入し出し、夏休み返上で塾通いが始まりそうだ。何しろ僻地故に、送迎も車だから、家人と手分けしてゆくことになりそうだ。そう言えば、自家用車も買い替え時期に来ているのだが、先立つ者は愚息故に、こちらは当分我慢が続く。まあ、確かに昨今は乗ってみたいと思う車も少なくなったようにも感じるのは、私だけだろうか。あるいは、スマホの様に、もっと便利なものが手元にあるからだろうか。何となく、都会の若者の気持ちが分かる気がする。尤も、僻地のヤンキーたちには未だ、車はお宝だ。その熱気を多少、私も貰ってしまっているのかもしれない。




2017年7月8日土曜日

強欲の国主とは



日々、かの大国の大統領がマスコミに登場しない事は無いと言って良いくらいに、露出度の高いのは、ツイッターなるSNSの使い手という時代の寵児という一面と、そうでもしないと4年後に再選出来ないという焦りや不安からかもしれない。それでも、任期は4年。随分と長い。このブログで過去紹介した事のある日本の総理大臣は1885年の伊藤博文以来、既に97代。平均すると、1.4年の期間しか持たない訳で、現首相が4年以上になって、歴代何番だとか騒がれる事自体、短命で且つ重みのない職位なのかもしれない。それに比べて、かの国は1789年のジョージ・ワシントン以来、44代の大統領が就任し、5.2年の期間はやはり、迫力と影響力も違うのだと思う。「図説歴代アメリカ大統領百科:ジョージ・ワシントンからドナルド・トランプまで」:DK社大間知知子氏を読んでいる。ここには大統領とその夫人、更には未だ、建国二百年強の大国の歴史も書かれている。元々、移民の国、そしてイギリスやフランス、スペイン等々の国から、占領されていた土地を奪い取り、独立した歴史は輝かしいが、現地住民であるインデイアンの土地を強奪した歴史は、その強欲な米国魂の賜物であるかに見えてくる。又、南北戦争に見るような内紛もあり、奴隷制度の廃止、投票権、女性参政権、18歳の投票権等、自由との闘いを繰り返し行ってきた近代モデル国家でもあるのだ。尤も、日本人に有名な大統領はニクソン、ケネデイ、ブッシュ、クリントン、オバマくらいだろうか。かのラシュモア山に刻まれる顔は、建国の父:ジョージワシントン、独立宣言で有名なトマスジェファーソン、ノーベル平和賞を受理したセオドアルーズベルト、独立戦争の英雄エイブラムリンカーンだ。因みに、エアフォーズワンが最近話題になったが、キャデイラックワン(通称ビースト)、グランドフォースワン(時価:13億円)、マリーンフォースワンもある。いやはや、物々しい限りだ。出身州についても言及があり、ジョージア州、オハイオ州の順に数が多い。どちらかと言えば、東部しかも、東海岸沿いの州から多く輩出されている。唯一西部カリフォルニアからは、例のニクソンだけだ。又、大統領権限を抑制する立場の政党も連邦党、ホイッグ党、民主共和党を経て、今の民主党(1828年~)、共和党(1854年~)の二大政党に落ち着いている。経済力及び軍事力でかの国に勝てる国は何処にもない。故に、その強欲な国の行方は誰でも関心の高い所だろう。一度、かの国の短い歴史を勉強するのもそれなりのメリットはあるように思えるが、皆さんが如何だろうか。


2017年7月7日金曜日

攻める睡眠方法



経済系週刊誌の特集に、責める睡眠方法が掲載されていた。以前、このブログで「SLEEP」を引用し、睡眠方法の細かいノウハウに触れたが、それ以上に科学的?な理屈も付随しているので、ここに差異も較べながら、紹介したい。ここに二つのホルモンが登場する。一つは眠りを誘う「メラトニン」。日本人はやや不足気味のモノ。もう一つはオキシノン。起きるに文字ってかと思えるネーミングだが、これが脳幹にある睡眠中枢と覚醒中枢のバランス調整をコントロールしているらしい。活性化すれば覚醒し、抑制すれば眠くなる按配だ。このホルモンは体内時計、情動、栄養状態で決まるらしい。詰まり、決まった時間に穏やかな精神状態にて、満腹にさえなっていれば睡眠中枢をしっかりと刺激する事になるのだ。但し、現代社会に生きる我々は、どうしても生活が不規則で、且つ高ストレス故に、オキシノンを上手くコントロール出来ないでいるのだ。よって、ここからが、ノウハウになるのだが、週刊誌では睡眠不足かどうかの判定から、質の高い睡眠方法等について、事細かく言及している。以前の「SLEEP」と共通している項目を紹介すると、朝、太陽光を浴びてしっかり覚醒する事、寝る前にスマホ等弄らない、寝る直前に食事を摂らない等だ。逆に追加するノウハウとしては、寝るときはいい出来事を思い浮かべながら寝る、起きてからまず初めにやることを決めて置く、昼寝を積極的に取り、午後のパーフォーマンスを向上させる等だ。更に、夜寝れないときは、場所を変えて、寝れない&ベッドという関連付けを防止する事。疲れがとれるうつ伏せ寝方法、後は効能をしっかり確認した薬の併用も載っている。ちなみに、私は未だ十分睡眠が取れている感覚はないのだが、蕁麻疹対策で飲んでいる薬に抗ヒスタミンの副作用があるらしく、何となく以前より睡眠時間が確保されている気がしている。但し、続けて飲むと、この効能はあっという間に効かなくなるらしく、油断は出来ない状態だ。後、我が家ではこれからの寝苦しい夏を控え、病人用の氷枕を用意している。頭冷やし、足を温めの原理ではあるが、結構熟睡出来るのでお薦めだ。但し、常用すると本当に病気になった時に効用が減るので、注意が必要なのは当然ではあるのだが。睡眠不足は長期に渡ると、健康寿命にも大きく影響するようだ。早めの手当、改善活動は重要な事には間違いない。


2017年7月6日木曜日

認知症予防にもなるかも?



先日、お恥ずかしい話だが、高速バスに財布を忘れ、大失態を演じた。原因はスーツのポケットが不良で長期に座っていると、はみ出てしまう欠陥品なのだが、それを忘れてうっかり社内に落としたまま、下車したのだ。幸い、近くのトイレで忘れた事に気付き、直ぐにバスへと取り戻しに行き、事無きを得たのだが、その後の重要な会議にも遅刻しそうになり、ひやひやものだった。で、この本だ。「NHK出版 なるほど! の本 あなたの その「忘れもの」 コレで防げます (なるほど!の本)」:芳賀繁氏。章は4に分かれ、1)心理学で忘れ物は減らすことが出来る、2)忘れ物対処法、3)暗証番号や人の名前を忘れない方法、4)子供の忘れ物対処法。1では失敗には「ぼけ」:記憶、「どじ」:注意力に種類があると始まる。忘れ物は」ぼけ」が原因。更に、「スリップ」、「ラプス」、「ミステイク」の三つに分類でき、人間のあらゆる行動と判断は記憶が支えていると。そして、記憶するには心のエネルギーが必要で、「条件反射」「熟練技能」「認知的技能」「エピソード記憶」「意味記憶」と分かれ、短期と長期にも分類される。又、時間軸で言えば、展望的記憶はそれ自体を想い出すきっかけが無いので、一番忘却し易いとか。なるほど。2では早速実践だ。防止策のあれこれを単語で追い掛ければ、メモ・チェックリスト、場所、ひとまとめ、整理整頓、時間の余裕、すぐやる、順番、指さし呼称、他人、便利な機器利用、記録等だ。結構役に立ちそうなのが、カバンに入れるモノの確認暗号の「けさきめて」。携帯、さいふ、キー、眼鏡、手帳の頭文字を取ったもの。

傘の忘れは肌身離さず。不慣れなホテルでの充電器等の忘れ防止には、ドア内側にメモを貼り付けて置くとか。う~ん、だが、大体飲んで疲れた帰った先で起こす忘れ物はどうも防ぎきれない気もする。傘は過去、何度も飲み屋に忘れたし、海外のホテルでコンセントを忘れたのは先日の欧州出張だったし、中々難しい。特に後者は睡眠時間も3~4時間だったので、余裕も無かった事も反省材料ではある。後、カバンの中身の小分けというコメントはなるほどだ。あるいは、キーに鈴を付けるとか、鳴る音で注意を引く技も参考になりそうだ。脱いだコートも鬼門だ。膝に掛けて置くが正解の様だ。食事を零したら悲惨ではあるが。カートに引っ掛けた自分の荷物を忘れるは、カート内に置いてしまうとか、実用的な方法が列記されている。是非、一度目を通して、忘れ物防止の工夫を知ることが重要だ。3は更に役立つパスワードの管理だ。此処では流布されると残念なので、紹介は控えるが、氏も結構忘れ物をしている。人間は似たり寄ったりなのである。但し、日本は平和で親切な国。忘れ物も無事戻ってくるケースが多い。但し、これが海外では戻ってくるなど奇跡であり、他人を見たらドロボウか強盗を想像する位が一番似合っている。そうした置かれた環境の考慮も忘れ物防止には有効だと思う。さて、皆さんは如何だろうか。


2017年7月5日水曜日

何という素敵な時の過ごし方か


「『魔女の宅急便』が生まれた魔法のくらし 角野栄子の毎日 いろいろ」:角野栄子氏を読んでいる。冒頭の魔女の宅急便は宮崎氏のアニメしか知らず、その原作に振り返る事もしなかったので、聊か恐縮しながら、本書を手に取った次第。いやはや、宮崎氏が作品にするだけあって、この絵本屋さん、否、絵描きさん、中々の人生の達人だ。今回はマイホームからそれぞれのお部屋のデイテールを写真入りで紹介してくれている。まるで、マイホームも絵本のように、夢が一杯詰め込んでるように見えてくる。だが、ワープロはマックだし、しかも無線型のキーボードにマウスを使っている。一方、手書きの自由書き手帳を常時携帯し、且つ一日、絵と文章に1時間くらい均等に取り組む作家生活も何となく、羨ましい。テレビも見るし、本も読む。掃除もするし、炊事もする。ついで、外でランチやカフェにも寄る。中々鎌倉は暮らし易そうだ。その前は東京暮らしだったようだが、海近くに住みたくなったという背景には、やはり若き頃のブラジル渡航が影響しているのかもしれない。更には、欧州と米国を自家用車で横断した若い頃の経験がひょっとすると、魔女の作品の源泉になっているようにも伺える。又、日常生活に対する姿勢も自然体でありながら、独特の拘りがあり、興味深く感じた。20種類はあるという色とりどりの眼鏡、デザインは一緒だが、布地を自分好みでアレンジしているワンピース、それに合わせた靴。庭には夏みかんやら、果物が実を付ける果樹を植え、優雅なお一人様生活を満喫している風が妙に羨ましくなってくる。もちろん、絵本作家故に、その裏側の日々の苦労や老化や病気などもあるには違いないが、魔女の使う魔術のように隠して、見えないようにしているのだろう。唯、残念なのは、氏が大切にしている書棚の本は、私が見知っているモノは見つからず、やはり住んでいる世界は違うのだと実感した次第。絵本は私の憧れの世界ではあるものの、一向に目が出ず、小説とエッセーに転じる訳だが、作家の日々として参考になるものも多く、何となくほのぼのとした読後感が嬉しかった。




2017年7月4日火曜日

罪と罰の再現劇


後編から読み下し、且つ途中時間の都合上吹っ飛ばして読んだ手前、且つ相手はノーベル賞候補の常連であるだから、批評など誠におこがましいので、幾つか感じた点を五月雨式に述べたい。「騎士団長殺し :2部 遷ろうメタファー編」:村上春樹氏である。主人公が絵描きであり、比喩として登場するのが、学生時代に嵌まったドストエフスキーの小説であるので、ここはやはり、論じなくて、どうしよう。そんな意気込みで読み進んだ次第。村上式比喩の世界の中で、今回アートが主体として登場するのは初めてとは言わないが、特異性を持ち、且つ科学が異常に進み過ぎたこの時代へのアンチテーゼにも伺えた。その古き時代への拘りは、主人公も含めた登場人物のクラシックやR&B・ロックへの固執にも表現されているようだ。一方、ベースに流れる悪意と良心の葛藤は、密やかに進行しつつある現保守体制への危機感と時空を越えた戦争批判をも含んでいるかに見えるのだ。勧善懲悪の物語とまではいかないまでも、此処まで書かないと、目覚めない現状の世界の閉塞感を氏は深刻に悩んでいるかもようにも思える。旧態然とした経済成長論でやってる感を演じながら、誰も望まないのに、権力にモノを言わして、あるいは批判は聞こえない振りをして、保守体制の強化に走る現政権への批判にも見えてくるのだ。免色はその象徴であろうし、それに騙される秋川笙子は一般大衆であるようにも見える。一方で氏がその希望と置く主人公は未だ少女である秋川まりえを救う事で、再び妻を取り戻す幸運を与えれるが、まりえ自身は成長し大人の女へと成長する過程でその悪意への感性が失せてゆきそうで不安な未来が透けて見えてもいる。決して、勧善懲悪な結末には出来ない深刻な現状が、氏には見えているのかもしれない。最近の氏の作品はどちらかと言うと持て囃され過ぎて、やや遠目に見てきた私だが、この作品は比較的すっと胸に入ってくる気がした。それだけ老成したのか、あるいは何となく感じる嫌な世の中の感じが共感できるのか、それは未だ定かではないのだが。きっと、段々と違った書評が出てくるに違いない。それらを見比べながら、是非読まれたら良いと思う作品である。



2017年7月3日月曜日

何故を胸に旅すると


「歩いてわかった地球のなぜ !?」:松本穂高氏を読んでいる。これ、唯の旅行記ではない。何故なら、氏は高校教諭でおまけに、30か国訪問の旅行猛者であるからだ。そして、その専攻は自然地理学なので、多少お堅い。どこの食事が美味しかったとか、美人が多かったなどとは宣わらない。よって、無味乾燥的な旅行記になりそうな所を、何故?と最初に読者を惹き付けて、旅先に巻き込むのがお上手だ。但し、私は若干、地理を高校時代から苦手にしていて、何故?の共感が中々生まれず、誠に心苦しいのだが、幾つかを紹介したい。本の行き先場所は、大きくアジア、欧州・アフリカ、アメリカ大陸、日本に区切られている。アジアで登場するのは、万里の長城、朝鮮半島38度線、マレー島、フィリピン、ニューギニア、シンガポール、ヒマラヤ、エヴェベスト、アラブ諸国、カムチャッカだ。中でも、ヒマラヤ山中にあるスルナガルは水の都。高山地区の盆地に水が溜まっただけと言ってしまえばお終いなのだが、ここが周辺に住むイギリス入植者の別荘地になった故に、発展した。今は、イスラムとヒンズーが睨み合う微妙な土地柄になっているようだが、我々が親しむカシミール羊毛は此処で取れる。転じて、欧州とアフリカでは、イギリス、パリ、ピレネー、マッターホルン、スイスアルプス、ポンペイ、スカンデイナヴィア、ツンドラ、フィンランド、カフカス、モロッコ、ケニア、キリマンジェロだ。冒頭のイギリスは鉄道の歴史、パリではその街開発の歴史について触れている。

何故?の中で特異なものとして、ツンドラに何故蚊が多いのか?はその事実に驚き、水と湖の都であるフィンランドの謎が氷原平野の成す、氷床を作る氷河の浸食作用と共に、堆積作用だったとは、目から鱗の事実だった。アメリカ大陸では、ロッキー山脈、五大湖、ニューヨーク、モニュメンントヴァレー、コロラド川、アメリカデスヴァレー、エクアドル、アンデス、パタゴニア、ハワイ、オーストリア、ウルル、ニュージーランドだ。ここでも、奇怪且つ壮大な地形が登場するが、その誕生には氷河の存在が欠かせない事が分かる。但し、アメリカのグランドキャニオンへの訪問経験が無く、南米にはブラジル以外にあまり縁がないため、その荘厳さを写真でしか実感できず、やや残念だ。少なくとも、グランドキャニオンには一度行ってみたいと思っているのだが、実現するかどうか?最後に登場するのは、日本。さあ、何処か登場するだろうか?それは本を読んでのお楽しみにしたい。旅も何故という疑問を持つだけで随分と幅広い知識が身に付くものだと、唯々感心しているばかりの私だった。



2017年7月2日日曜日

2017(平成29年).07.02書評

先週の評点:
「Q&A 日経記者に聞く 安心老後、危ない老後」(△):後藤直久、「日本の人口動向とこれからの社会: 人口潮流が変える日本と世界」(◎):国立社会保障・人口問題研究所、森田朗、「音楽療法はどれだけ有効か―科学的根拠を検証する」(〇):佐藤正之、「宅配がなくなる日 同時性解消の社会論」(◎):松岡真宏、山手剛人、「もっと知りたいミケランジェロ: 生涯と作品」(〇):池上英洋、「騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編」(◎):村上春樹、「犬の報酬」(-):堂場瞬一。
「・・同時性解消・・」は面白い、と言うかショッキングが話題だ。ブログでもその辺りに触れたので、ここでは省略。「・・人口動向・・」も同じくショックだ。特に慣性力が働き、当分人口減は続き、過去の成功体験から離脱し、多数決論理からの未来志向の政治・経済システムを構築が必要を再認識。でも、総論賛成、各論は反対になってしまうのかも。「騎士団・・」は村上世界を堪能出来るのでは?今回も時空を使い、且つアートに踏み込んだ作品となっている。画家の端くれを自任する私としては、面白く読んだのだが…
今週のお題:
「『魔女の宅急便』が生まれた魔法のくらし 角野栄子の毎日 いろいろ」:角野栄子、「歩いてわかった地球のなぜ !?」:松本穂高、「図説歴代アメリカ大統領百科:ジョージ・ワシントンからドナルド・トランプまで」:DK社大間知知子、「NHK出版 なるほど! の本 あなたの その「忘れもの」 コレで防げます (なるほど!の本)」:芳賀繁、「ダークナンバー (ハヤカワ・ミステリワールド)」:長沢樹、「成功者K」:羽田圭介。
ノンフィク4、小説2。
近況:ビジネスは内外差で温度差があり、前には進まない。でも、前に進んだとしても茨の道でしかないのだが。愚息の方は、クラブ活動が終了。最後はユニフォームを貰えず、組織の冷酷さに、初めてぶち当たった。のんびり屋だった彼が初めて自我に目覚め、社会とは、あるいは人生とは思い通りにならない経験をした。誰でも通る道だが、未だ、勉学という別な道もある訳なのだから、頑張って欲しい。さて、これからは高校受験。いやはや、人生には次々と入場ゲートが登場するものだ。こちらは退場門ばかりを通過している始末だが。家人と共に、2年半の部活動ご苦労様と言いたい。何しろ、早朝練習、弁当準備、送り迎え、大変でした。又、指導して戴いた顧問の先生方、コーチの親御さん、お疲れ様でした。






2017年7月1日土曜日

無料キャンペーン 7月分開始 「分担という処方箋」

無料キャンペーン 7月分開始 「分担という処方箋」
期間:7/1~5
分担という処方箋
古い羅針盤41章
目次
自分の取説を創る
文春独走を憂う
フレンド アフター 3・11を観て
悪い社福を排除せよ
絶望的な格差の現実
良薬は口に苦し
毛染めとマニュキュアがIS武器となる
ランチが肝なるビジネス発想
LHCが地球を滅亡させる時
3Mという視点
昔、何て呼ばれたか?を考えよう
格差の是正に難しさ
子を持つという重みを考える
日本人のルーツは朝鮮なの?
生きている事に深く感謝する
50億年の余命を知る
社会の負担から分担へ
海から見て々、日本の力
空・雨・傘
富裕家にコンプライアンスを!
インターネットが変える政治とは?
ストーカー予備軍にならないために
新聞という知性を読む
BCPが活かせない現実
スマホと同じテスラが売れる
文明という歯車は未だ回るのか
●あとがき
 本編は筆者ブログ「古い羅針盤」(2016.04月)掲載されたものを纏めたものです。



人口という基本データを観る



「日本の人口動向とこれからの社会: 人口潮流が変える日本と世界」:国立社会保障・人口問題研究所、森田朗氏を読んでいる。少子・高齢化時代に入った日本。そのメインテーマである。章は12に分かれ、1)日本の人口動向と社会、2)人口学的要因からみた地域人口の変化と将来像、3)世帯の動向と将来像、4)人口動向と社会保障、5)長寿化とその影響、6)少子化とその影響、7)ライフコースと家族、8)その変化と社会保障、9)東アジアの低出産・高齢化問題、10)世界の国際人口移動、11)世界の人口と開発、12)仮想人口シミュレーションとその政策議論への応用だ。

まずは1の現状認識が重要であろう。以前にもこのブログでも紹介したように、日本の人口減少は2008年に既に始まっている。ピーク1億2709万人だった。そして、人口ボーナスからオーナスへの移行を始めていることも述べた。氏はこの現状の全てを「社会の失敗」とは捉えない。むしろ、健康・長寿なる価値を得たと述べる。逆に言えば、何故少子化という人口減の失敗を犯しているのか?そこにメスを入れる。2では人口減少を大都市、それ以外と分析し、3では世帯間に触れ、おひとり様まで考慮した分析がされている。4では一番肝となる社会保障だ。2012年の時点での社会保障費は福祉(20兆円)、年金(54兆円)、医療(35兆円)と対国民所得の30%まで占めるようになっている。そして、この総額110兆円近い保障費は2025年には150兆円まで膨張すると厚生労働省の予想データが示される。これは詰まり、国民所得が増えない場合、40%まで負担増になる。更にこれに上乗せされるものが、租税であり、且つ財政赤字の負担金だ。すると、2012年度に置いても、約50%という社会保障の優良国と言われる北欧並み(60~70%)の値に近付いてくる。やはり、このままでは持続可能な社会とは見えないのは当然かもしれない。5では、長寿化の原因には、感染病による影響、循環器系疾患、がん、老化へと移行し、日本ではがん時代に入り、それもいずれ克服するだろう、詰まり長寿化はより加速化されるという見通しなのである。6では少子化の原因として結婚行動の変化(未婚、離婚)が挙げられ、それにはカップルに成り難く、配偶者も子供も持たない生き方と親族の少ない中での生き方が余儀なくされる時代の到来を示唆している。7,8では変わってきたライフコースにメスを入れ、それに伴う社会保障制度の不備を問う。特に、非婚・離死別の独身者(おひとり様)の社会的リスクを取り上げている。但し、限られた資源・財源をそこに集中すると、逆に非婚・離死別の傾向を助長し、非家族化・少子化をより加速化する懸念もあり、十分な議論が必要と論じている。最終章は悲観的だ。例えば、今、少子化対策をとっても、人口減少にはさほど効果はない人口モメンタムがある事、高齢化という事は死亡数が益々増加するという事実、政治参加の世代間差が永遠に無くならない事等だ。そして、こうした深刻な課題には勇気を持って、思想を切り替え、旧体制の再構築に望むべきであると結論付けている。そして、既に十分幸せを享受する現世代こそがその責任を担うべきだとも。さて皆さんは如何お考えだろうか?