2017年8月17日木曜日

IOAなる視点


IOTやAIの話題には事欠かない。新聞や雑誌で常に目にするものだ。その多くはその顕著な進歩に期待感と不安感の両サイドに触れるものが多いのだが、

今回は期待感の多い方にやや言及し、経済新聞の関連記事を紹介してゆきたい。

一つは昨今のAIの進歩な生物が進化したカンブリア紀に似通っていて、その要因は視力の獲得だとのカラム。AIと両立する昨今のデイープラーニングなる情報処理方法がそれに当たるとカラムは語る。確かに、AIは膨大なデータを必要とし、それに昨今の人間の能力を超えるセンサー類が更に加わり、天下無敵の解析結果を我々に突き付けてくる。だから、囲碁や将棋ではもうAIには太刀打ち出来なくなっている。だが、時代はこれを実産業へと繋げる段階になりつつあり、今こそ、モノつくりが得意な日本の活躍の時とコラムは述べる。

(但し、ドイツや中国の台頭が激しく、日本は既に遅れているとのマイナスの指摘も加わっているが)もう一つはこのAIを脅威として見るのではなく、協力者あるいはサポーターとして捉えるとの考えだ。それが冒頭のIOA、詰まりインターネット・オブ・アビリテイだ。ぶっちゃけて言えば、今までの電卓の拡張版をAI機器が肩代わりするという意味だ。電卓は万人が使えるが、数学の得意な人が使えば、その計算速度はかなり早くなるはずだ。よって、コラムが紹介するのは、アドバンスド医師、アドバンスド弁護士など、専門知識に記憶や過去の事例探索等のサポートを受けた高度知識と持つ職業群の新たな生成でもある。さすれば、膨大な過去の判例を勉強する必要性も、且つそれを出題して受験合否を決める司法試験も形が変わり得るかもしれない。その意味ではこれから、どうアドバンス出来るのかを既得権で守られている方々は考える必要が出て来たとも言えるのだろう。要はここでも競争原理は働き、AIを他人事と考えるか、否かで今後の将来も変わるという事だろう。




2017年8月16日水曜日

人生100年の計を考える


日本人の寿命が大台の百歳に限りなく近くなった現在、従来の人生模様とは違う設計が必要とされている。更には、それに男女の寿命の差異(女性が十歳ほど長生き)と婚姻率の低下によるおひとり様増加(これも女性比率が向上)が複雑な影響を与えている。これだけ考えると、男性側は死ぬまで女性にケアして貰えると安易に捉えるかもしれないが、世の中そう甘くない。経済新聞のダイバシテイ関連のコラムには、「卒婚」とか「死後離婚」とか耳慣れない言葉が出没する。前者は脱妻路線であり、後者は脱義親族路線である。詰まることろ、夫とは親族も含めて、二度と関わりたくないという自立宣言でもあるのだ。おひとり様など怖くない、むしろ積極的に独立し、我が道を行きたいという強い女性の決意とも見えてくる。何となく、理解出来る。男尊女卑の父母を見ていると、もう時代遅れなのは明白だし、かと言って、やはり働き手(社会から収入が得られるという意味での)が男性に依存する現状では、男を立てて生き抜くのが現実的な女性の人生処方術だと思うのだ。但し、それも男性側がしっかりと働ける間であり、年金生活に入った場合の存在力はかなり低減することを改めて感じ取る必要があるのだ。老齢労働力の確保を述べた経済新聞の別コラムから、それに適応できない人材例を引用すると、「勘違い型」「評論家型」「会社依存型」「割り切り型」だそうだ。要は、過去の実績や職位に胡坐を掻いて、現状の自分の能力を過剰評価している点に問題があるのだ。前述した「卒婚」や「死後離婚」も結局は日頃からの奥さんとの会話が欠け、且つ、家事・育児等への長きに渡る協力不足が仇となっているのだろう。夫婦と言えども、それは人間関係だ。そして、非常に重要で且つ、難解な関係でもある。それを重々理解しておくことが男性陣には必要な時代である事を肝に銘じた次第だ。



2017年8月15日火曜日

時を語る和菓子の味わい


蕁麻疹やら体調不調で、大好きなお酒や甘いものを控えている昨今だが、昔からの和菓子は客へのもてなしや休憩時の一品として、重宝していたようだ。「和菓子を愛した人たち」:虎屋文庫を読んでいる。出版元をみれば、あの虎屋さんではないか。何時もお世話になっている名店(尤も戴くだけだが)だ。但し、このまま本の紹介をしても面白くないだろう。著名な作家(結局は過去を振り返るには、当時の事を記述した書物に頼るしかないし、逆に書き物には必ず食べ物は記載されているという必要十分条件が整っている。そう言えば、このブログでも紹介した作家同士の対談にも、小説群に載っている食べ物を紹介したものがあった)に因んだ和菓子を当ててもらう方式でいきたい。では、最初に著名人から登場して貰おう。紫式部、清少納言、和泉式部、源頼朝、吉田兼好と古きから遡ろう。さて?答えは椿餅、餅だん、母子餅、矢口餅、おはぎだ。次は戦国時代へと進むと、松尾芭蕉、織田信長、明智光秀、千利休、豊臣秀吉、徳川家康と並べよう。答えは?ところてん、金平糖、粽、ふの焼、のし柿、嘉承菓子だ。さて、更に江戸時代に来ると、市川團十郎、井原西鶴、徳川光圀、大岡忠相、紀伊国屋文左衛門となれば、ういろう、饅頭、福寿饅頭、幾世餅、饅頭だ。幕末・明治時代になると、外人が欠かせない。ペリー、ハリス、ケンベル、ゴンチャローフは?この他に、坂本竜馬、高杉晋作にも曰くつきの菓子があるのだ。もちろん、明治以降の作家には和菓子は付きもので、多くを語る必要はあるまいと思う。本に紹介されているように、和菓子の起源は縄文時代まで遡り、日本の貴重な文化遺産としても重要だ。但し、日持ちをしない点が唯一、和菓子の欠点でもあり、利点でもあるだろう。それによって、各地で各様の発展と継承が続いた要因かとも思えるのだ。さて、皆さんのお好きな和菓子は何だろうか?地元に残っている和菓子のルーツを調べるのも一興かも思うが如何だろうか。


2017年8月14日月曜日

乳がんを考える


最近、経済新聞に検診用のマンモグラフェイ検査が人によっては診断ミスを起こす事が掲載されていた。これは困ったものだ。何故なら、会社の薦める方法にこれを採用しているので、気になっていた。「最新 乳がん治療 (「あなたが選ぶ治療法」シリーズ)」:福田護氏を読んでいる。私は一応男性だが、家人も居るし、何かしらにサポートが出来ればと考えての行為だ。これにはきっかけがあり、身内で癌に罹った者が居て、前回学んだ胃がんの知識が多少役だったので、男性にはやや縁遠い本件にアクセスした。本は1)乳がん検診で「異常」と言われたら?、2)治療法を決断するとき知っておきべき事、3)術後の症状、副作用の緩和、4)退院後安心して生活する、5)再発・転移がわかった時、だ。まず、乳がんの起点は乳頭で、拡大する部位は外側上部が半数以上、関係する要因は女性ホルモン、飲酒、喫煙。更に閉経後は肥満が大敵との事。よって、発症し易い年代は30代後半から60代前半と幅広い。11人に一人の高い割合に相当する。尤も、検診を受けている割合は4割程度。冒頭で紹介したマンモグラフェイはX線検査だが、乳腺密度が高い人には不向きらしい。それを補うのが超音波検査。更に細胞診、組織診、生研、もう少し高度なものは、MRI検査、CT検査、PET検査。最近では、遺伝子による事前検査も可能らしい。但し、保険は効かないのでやや高価だ。これを利用したのが、かの有名な米国女優だ。何と、彼女は予防的に乳房切除まで決断している。親から子供への遺伝確率は50%程度と言うから、実際、身内に乳がん疾患者が居れば、かなり説得力を持つのかもしれない。治療法は全身療養(薬物)と局所療法(手術)の二通りだ。ここで問題は手術の方だろう。全摘の場合はその再現方法が問題になる。早期発見で早期治療が可能な癌ゆえに、日ごろの注意と監視が必要な事には間違いないのだ。その為に、こうした適切で十分な知識を保有することも重要であると思うのだ。



2017年8月13日日曜日

2017(平成29年).08.13書評

先週の評点:
「ゼロから分かる! やきもの入門」(◎):河野恵美子、「これからの地域再生 (犀の教室)」(◎):飯田泰之、「ひまわり8号と地上写真からひと目でわかる 日本の天気と気象図鑑」(◎):武田康男、「日本の麦 拡大する市場の徹底分析」(〇):吉田行郷、 農林水産省農林水産政策研究所、「貘の耳たぶ」(-):芦沢央、「ここから先は何もない」(〇):山田正紀
ノンフィクはどれも詳細な調査と訴える力が在った。一方、小説群、山田氏は意欲的なSFだと称していたが、あの「ドローンランド」に比べると、想像力が不足気味にではないか?と感じた。やはり、新しい時代の息吹を肌で感じるには若さが必要かも。
今週のお題:
「和菓子を愛した人たち」:虎屋文庫、「マンモス ―絶滅の謎からクローン化まで」:福田正己、「その食べ物、偽物です! ――安心・安全のために知っておきたいこと」:ラリー オルムステッド、依田光江、「最新 乳がん治療 (「あなたが選ぶ治療法」シリーズ)」:福田護、「静寂 (ある殺人者の記録)」:酒寄進一、 トーマス・ラープ、「誰かが見ている」:宮西真冬。
近況:
懸案だった身内の見舞いを済ませてきたばかりだ。予想以上に状況は悪く、予想以上に周囲は冷静だった。どちらにせよ、医師は明確には言わないが、末期症状には違いなかった。暴走するがん細胞を薬や放射線で抑制する治療方法が取られていた。傍証証拠でしか判断できないのは人の大切な命だからだ。更に、世間は盆休みで手薄で且つ、道路も含めて混雑している。対応しようにも最悪なのだ。理不尽な事は常に起きる。それに耐えれるか、どうかは普段のリスクに対する心構え次第ではある。尤も、リスクヘッジのやり方は色々ある。がんになるかどうかは、日ごろの健康管理次第ではあるが、それだって限界はある。もっと不条理なのは地震や嵐や津波だが、じゃあ、もっと安全な場所に住んだところで、今度は人間相手の治安面で、日本以上に安全な場所があるかと言えば、これも若干不安だ。人間は産まれた途端に、死ぬ運命を背負う故に、それが目の前に突然具体化されると、より戸惑うものだ。嫌な週末になったが、何とか乗り越えたいものだ。





2017年8月12日土曜日

地方再生はあるのか?


地方にいる身から、地方再生はその過疎ぶりから中々手強いと感じるのだが、一方で身の丈を超えなければ、それなりの生活が出来るソフトヤンキーの存在も地方には健在で、その辺りを考える日々だ。丁度、手に入ったのが、「これからの地域再生 (犀の教室)」:飯田泰之氏だ。但し、対象は私が住む僻地ではなく、もう少し大きな、中心地10万人、近郊20万人の中都市だ。これに対し、私も異論はない。ある程度のボリュームが無いと、社会は自立できない。その辺はこの本でも説明がある。章は1)地域再生を巡る基礎理論、2)センチュアス・シテイから見る地方都市の魅力、3)開発のあとに拡がる消費空間の二極化、4)地域再生における建物利活用の工夫、5)都市にとってのナイトタイムエコノミー、6)地域経済を支える企業人たち、7)地方都市住民に貢献する地域農業モデルに分かれる。まずはその中都市を選ぶ根拠となる理論は、収穫逓増と逓減のバランス論・適切な人口・人口増減のメリット&デメリット・地域間再分割の方法・クリエイテイビリテイの地産地消・重層的なネットワーク・多彩な人集めなどだ。続く2章では米国のオーステインが事例として挙げられ、シンシュアス・シテイ(官能都市)化へのアプローチが紹介される。指標としては、関係性(共同体帰属、匿名性、ロマンス、機会)、身体性(食文化、街、自然、歩く)だそうだ。この評価で日本の主要都市をランキングすると、何と1位は文京区(流石T大が在る)、2位大阪北区(道頓堀)、3位は武蔵野市。やや住み易さとはやや異なる評価にはあるようだ。氏はその具体例で、金沢市、盛岡市、松山市、長野市を挙げる。何となく、分かる気がする。3章では、消費空間として、製造業の衰退(空洞化)と反比例して、増大するショッピングセンターを事例に挙げる。この傾向は欧米諸国も同じであり、逆に古い商店街が飲食街や地下風俗街に変貌したりする事例を紹介している。4章では経済活動を終えた建物の再利用の視点だ。空間用途の検討・新たな担い手&価値観の変容・実施体制の検討が重要と説く。実例ではさっぽろ大通りコワーキングスペース(ドリノキ)、まま勝川、習志野未来プロジェクトなど。

5章では現代人の生活様式の変化(昼型→夜型)に伴い、アフターファイブ・観光資源としての夜の世界・ドン・キホーテの展開が挙げられる。海外ではロンドンのナイトタイム政策が紹介されている。具体的には地下鉄の終業時刻の延などだ。日本は東京が一部採用しつつあるが、風俗法が邪魔をして必ずしも活性化の道へと公然とは進めない事情もあるようだ。この様に地域活性化は色々な面での検討が必要だ。単に政治家が地域創生なんて謳っても、前には進まないのだ。この他、「ヤンキーの虎」「地元産野菜」「生産・流通・加工」「農業と畜産」等。キーワードが続く。是非参考にしたら良いかと思う。



2017年8月11日金曜日

やきものという神秘


「ゼロから分かる! やきもの入門」:河野恵美子氏を読んでいる。まさにゼロに限りなく近い知識の私にとって、最良の本である。冒頭で「好き」になることから始めようと氏は述べる。至言である。まずはそのイロハから。陶器と磁器の違いから。前者は「土もの」後者は「石もの」。次は文様の有無。無いものは「釉景」「貫入」「窯変」が肝、三番目は器の形で、菱、亀甲、扇面、木瓜、輪花、高坏、四方、隅切、手付、半月等々。更には、染付(技法)、草花蜂文(文様)、輪花六角(器の形)、小鉢(種類)等の見分け方があるようだ。一番取っつき易い文様を例にすれば、植物:牡丹、菖蒲、椿、蘭、動物:兎、鹿、犬、龍、鳥・昆虫:鳥、蜻蛉、蜂等。貝類、山水、人物、吉兆、幾何学文字もその一部だ。蛸唐草を知っていればもうセミプロになれる?2章からは色と装飾になるが、余りの多様性にお手上げ状態だ。用語だけ並べてゆくと、焼締(自然釉)、下絵付(染付、鉄絵、辰砂)、上絵付(赤絵、色絵、染錦、金彩、銀彩)、釉掛(灰釉、鉄釉、志野、織部、白磁、青白磁、青磁)、白化粧(粉引、刷毛目、三島)。加工(象嵌、掻落、イッチン盛り、錬込、飛鉋、布目)だ。3章では器と盛り付けに移る。これは器本来の目的に叶うものだが、ここも奥が深い。4章では全国やきもの産地に移る。読者の方の近くにはきっと名産があるはずだが、私が知る限りを述べれば、萩、信楽、九谷、笠間、有田、伊万里ぐらいか。やきものの歴史を振り返れば、紀元前に始まり、縄文土器を手始めに、弥生土器もある。その後、朝鮮半島から人間と同様に、陶器も輸入され、安土桃山時代に一気に和器が花開く。戦国武将が戦いの報酬として、あるいは自分自身のステータスの証として、茶碗を利用したからだ。そして、今は希少価値を問われ、骨董品として売買がされる。どちらにしても、人間に絡むと美しい土器もやや妖しげな色合いを持つのは、こうした人間の欲深さが見えてくるからだろうか。やきもとが出来るには、土作り→土練り→成形→素地加工→乾燥→素焼き→(下絵付け)→施釉、白化粧→本焼き→(上絵付)→窯出しの長い過程が必要だ。その分、世界に一つしかないやきものが出来る理由でもあるのだ。