2017年9月22日金曜日

8月という反省&反戦の集い

この時期は70年前の終戦を振り返り、二度と愚かな戦争など起こしてはならないと言う決意を新たにすべき時期だ。その影響もあって、色々な書籍が出される。良いことだと思う。我々戦争を知らない世代はその悲惨さを実感として知らない為に、最近富に感じる保守的政治世相をリスクとして感じ取れないでいる。従って、兎にも角にも、もう一度あの敗戦を謙虚に定量的に理解する事が重要だろう。「データで見る太平洋戦争 「日本の失敗」の真実」:髙橋昌紀氏を読んでいる。1)230万人はどのように戦死したか?2)神風は吹いたのか?3)真珠湾攻撃は米国を砕いたのか?4)欲しがらずに勝てたのか?5)戦艦ヤマトは不沈艦だったのか?6)沖縄は捨て石だったのか?7)アジアは一つだったのか?の7章に分けて、データ(これ自身もしっかりとしたモノが無い事が今の日本の悪しき現状である)に基づき、あの戦争の過ちを定量化している。1)では230万人の戦死者(名古屋市の人口と同様)の6割が餓死、病死であり、兵站軽視が原因と断定する。戦線の異常な拡大が敗因であり、其処には1兵士という人間の命軽視という時代背景もある。2)では華麗な飛行機が映画や小説では登場するが、実際は特攻命中率11%、それを裏付ける終戦間際のパイロットの飛行履歴は半年以下が何と8割に達していた。更に哀しいかな、正規空母、戦艦、巡洋艦は一隻も撃沈出来なかったようだ。明らかな戦力不足(米軍の高性能レーダー、頑丈で馬力のある戦闘飛行機etc)斯くなる特攻隊員の死者は約6千人に及ぶ。文中では敢えて、特攻を恥部と表現する文も載せられている。何故か、命を慈しむ日本の本来の文化や伝統に反する行為だからと。反省すべきは軍関係はもちろん、それを甘やかした当時の国民もである。3)では当時の米国との経済力を比較。GNPで約4倍近い格差があった。しかも戦前の貿易相手国の多くは仮想敵国の米英オランダ。更に当時の輸出品は生糸であり、鉄、石油は米国から殆ど輸入していた。どう考えても勝てる戦争ではない。且つ、そうした良識も示されたが、無視をされていった。4)では兎角美化され易い戦中の国民の清貧生活だが、実際は慎重は6センチ低くなり、敗戦直前の食料は現在の半分以下、しかも当時米は輸入品に頼り、逆に戦中は軍事用に全てが転用されるので、農作物の生産性は寧ろ低下したと。更には人手不足、学徒出陣の中心は中学生と小学生でほぼ9割を占めていた現実。5)では無用長物であったヤマトの実態が語られる。ああ~、本当に戦争は愚かだ。今もそんなトップ集団による国民の命軽視があちこちに散見されるようにも思えるのは私だけだろうか。


2017年9月21日木曜日

怒りの考察

家人はしばしば反論する。絶対素直に謝った事がない。多分、謝ったら終わり、負けを認めるとの先入観があるのかもしれない。負けずきらいはこちらも中年になったとは言え、衰えない当方もかっとなって応戦する事になるが、どうも後味は宜しくない。先般の華僑の大金持ちの話によると、怒りは恐れの裏返しらしい。怖れているので、瞬間に自分を守ろうとして怒ってしまうのだと。特に日本人は良く怒ると指摘する。昨今、怒りのコントロールとして、怒りを感じても数秒じっと耐える事というマインドコントロールを薦めるものが多いが、じっと耐えてばかりでは面白くないに違いない。短気は損気と言われても、それが出来ないので、怒ってしまうからだ。但し、先人の言うように、その根っこに怖れがるとしたら、それを数秒間考えることは可能だ。例えば、家人が不条理な理屈を捏ねていても、もしそれを認めたら主人の沽券に関わると怖れているのかも(既に喪失していると心の中では認めている)と考えたら、怒りも諦めに変わるかもしれない。部下が大失敗をして、会社に大きなダメージを与えたとしても、それにより会社が潰れ、失職するもしくは更に親会社から叱責を受ける等の恐怖があるとしたら、怒りは収まり、善処策を共に検討する姿勢に変わるかもしれないではないか。親がしばしば子供を叱るのは、正しい行為としても、其処に怒りが混じってはいけないのだろう。怒りがあるとしたら、それは子供が他場所で何か仕出かすのでは無いか?という恐怖感からだろう。あるいは親として相応しくないと世間の目を怖がっているせいかもしれない。先の先人は怒らないそうだ。きっと、衣食住が十分事足りて、失う恐れの唯一は命だけ。それも万全な医療チームによって守られているとしたら、恐怖心など起きようがなく、常に笑みを絶やさないで居ることが出来るのだろう。日本人が怒りっぽいのは、自然の脅威に日々ストレスを感じ、且つ資源の少ない国に多くの民が暮らして居る状況故に致し方無いような気もしてくる。まあ、短気な私の微かなる言い訳にしか過ぎないのだが。


2017年9月20日水曜日

6時帰宅の極意とは?



6時だよ 全員退社! 生産性を上げる黄金ルール」: 田中健彦氏を読んでいる。

氏はIT企業の職歴を国内外で社長まで積み上げた経験から、日本の非生産性を憂い、その改善方法を提案している。現実に私も最近同僚が病欠で、四苦八苦な業務遂行をしている手前、やはり真剣に日頃の効率化は考える時期に来ているのだ。高々、一か月超の休みでも組織が吸収出来てしまう現実は、日頃から無駄が多い事の跳ね返しでもあり、謙虚にこの本を向き合う必要があるのだ。

無駄を徹底して省く、2)「ホウレンソー」は要らない、3)リーダーの質問力が高い程、部下の生産性は高まる、4)成果主義を徹底すれば社員は安心する、5)正しい残業の減らし方、6)日本の職場でも本当の効率化が図れる、7)付加価値を追求する「考える集団」へ、8)一目で分かる全員が6時に帰れる仕事のやりかた、なる8章で組まれている。途中の事例紹介は吹っ飛ばし、結論の8章に行き着けば、其処にも7つの具体的方法論が論じられている。1)オフィスの大改革(会議、メール、資料、パソコン、携帯電話、タブレットPC,フリーアドレス化)、2)仕事の割り振りとフォロー(上司の指示方法)、3)リーダーの質問力、4)成果主義、目標管理制度の新しい世界、5)正しい残業の減らし方(飛んで帰宅社員育成等)、6)日本の職場でも本当の効率化が出来る(定時退社日を増やす、4時のチャイム、社長のコミットメント)。要は社長の生産性向上への意欲に依存し、又、意欲に呼応した従業員のマインドチェンジ(例えば、会社ファーストから家庭or子供ファースト)が肝だと氏はあとがきで語る。恐らく、氏は成功体験をお持ちなのだろう。それぞれの指摘と改善案に現実性があり、その分、説得力があるからだ。尤も、成果主義については、私自身は?である。尤も、これからの日本は人手不足は深刻だ。大切な従業員が辞めてゆくのは、最も痛い経営課題にもなる。より魅力的な職場とは、従業員にとって一番大切な家庭との両立が出来る企業であるはずなのだ。さすれば、氏の提案する具体策はそれもが理にかなっているし、実現も可能だろうと思う。さて、皆さん色々な立場で実践を試みたらどうだろうか?


2017年9月19日火曜日

デフレの神様に聞く


世の中、象の鼻の如く、中間層の経済低下が叫ばれているが、それと同様に、日頃買い物は出来るだけ節約するデフレ経済状況は相変わらずだ。但し、そのデフレ性行をどう売り上げに活かすかは、各業界様々であるようだ。例えば、一律に販売価格を下げて消費者アピールする方法が一番だが、それには中身の重量を変えたり、原料を安価なものに変えたり、涙苦しい努力がある。だが、それも限界があり、その次の手として、顧客の囲い込みが熾烈になっている。例えば、カードに付与するポイント。ある特定の店で、そのカードを使う事により、購買により発生したポイント分のお金を還元する方法で、実質値下げをする方法だ。古くはTポイント、最近ではナナコ、ワオン等々がポピュラーだ。

又、クレジットカードでの支払いにもポイント付与がされるケースも多く、これも使われるお店の実質の値下げになる。上記のポイントは現時点で9千億円相当まで膨れ上がっているらしく、大きな収益の下振れ要因にもなる。一方、単純な値下げ方法ではなく、質と新鮮さで果敢にこのデフレ時代を突き進んでいるのが、100円ショップだろう。経済新聞を読むと、大手企業の社長曰く、約5千店で約30億個の商品を販売し、毎月7百個の新商品を開発・投入しているようだ。こうした事業努力で数パーセントの売上アップに繋がっているようで、市場は正直にこうした企業を評価した結果だろうと推測する。経済系ブログを読むと、世界のお金持ち達も日頃は質素な生活に徹し、その消費にはメリハリをつけているらしい。唯、安いだけでは売れない時代の中、特徴的な家電商品が売り上げを上げているニュースも伝わってきている。お得で、便利で、しかも安心さが、これからの消費者を動かす三大要素なのかもしれない。そんな事を考えている昨今である。



2017年9月18日月曜日

絵本と絵描きの関係


「井上洋介絵本画集」:井上洋介、土井章史を手に取った。氏の作品は一度は目にした読者も多いだろう。私の概念では絵本は絵描きがストーリー作りを同時にすると考えていたが、どうもその固定概念は変えなくてはならない。更に、氏の作品を観ると、絵本とは独立しているにも関わらず、絵本チックなのは何故だろうか?元々、絵描きだった氏が夢多き作家であった事が、多くの絵本を惹きつけたのかもしれない。この本にはアトリエの写真もあり、油絵を中心として作品を創る作家の面影が伺える。そう言った視点で見ると、独特の氏の世界観が伺えて、楽しくなってくる。途中から漫画家として、独立の活動を続けた理由も、そのユーモアセンスに溢れる作風に満ち溢れている。例えば、「ビックリえほん」の裏表紙の蛇が自分の尾を食べる3コマ漫画とか、「きいろいマント」の兎がミシンで縫っているシーンとか、「でんしゃえほん」の丸いドーナツの様な電車とか。氏は既に、この世を去っているが、その大らかで温かい画集こそが、絵本そのものだったようにも思える。さて、皆さんは如何お感じだろうか?



2017年9月17日日曜日

2017(平成29年).09.17書評

先週の評点:
「海賊がつくった日本史」(〇):山田順子、「こんな建物だれがどうしてつくったの」(〇):zukowsky,John、ズコウスキー,ジョン、「夫の定年」(△):「人生の長い午後」を夫婦でどう生きる?グループわいふ、 佐藤ゆかり、「魚っ食いのための珍魚食べ方図鑑」(◎):西潟正人、「前立腺がん より良い選択をするための完全ガイド 」(◎):頴川晋、「ネメシスの使者」(◎):中山七里、「悪寒」(△):伊岡瞬。
小説群が活躍。逆にノンフィク側がもう一つだった。
今週のお題:
「さあ、文学で戦争を止めよう 猫キッチン荒神」:笙野頼子、「データで見る太平洋戦争 「日本の失敗」の真実」:髙橋昌紀、「6時だよ 全員退社! 生産性を上げる黄金ルール」: 田中健彦、「井上洋介絵本画集」:井上洋介、土井章史、「「サードエイジ」をどう生きるか: シニアと拓く高齢先端社会」:片桐恵子、「国士」: 楡周平、「Ank: a mirroring ape」:佐藤究。
近況:
近親者の不幸が間近に迫る中、会社の行く末を決める重要事項も着々と進めなくてはならず、かと言って、やや安定した副業とて、人生の生き甲斐化している訳でそうも疎かには出来ない。三重苦、四重苦の中、ようやく同僚が長期入院より復帰し、やや分散化出来そうで、ほっとしている。強健に見えた人物故に、忍び寄る病気には油断ならないのだと痛感。特に、自己診断及びホームドクター診断のミスは非常に重要だ。近親者は食欲減退を訴えたが、周囲が異常に気が付かなかった。同僚は近くの医者に診てもらったが、診断ミスを犯している。やはり、自分の身は自分で守るを鉄則に、ある程度の医学知識を持つべきだろうと思う。更にはそうした医学の進歩も進むので、定期的なウォッチが肝要だろうと痛感している。


2017年9月16日土曜日

海賊視点で見た日本


日本人、特に日本列島の南側に位置する人々が勝手に命名した表日本、それに比して、北側は裏日本と何となく、裏寂れて聞こえる。だが、実際は中国、韓国等の主貿易相手先から見れば、裏日本こそ、表側である。この様に、視方によって、物事は随分と違った印象を持つ。「海賊がつくった日本史」:山田順子氏を読んでいる。氏曰く、従来の日本史はあくまで、陸族が創ったもので、海族の視点が不足していると。よって、海族から見て、日本はどんな歴史を辿ったか、それを学ぶ事にしたい。今でも海上による貿易が全貿易の9割を占める事が示すように、まずは海から見た場合、日本が如何に隣国と付き合い出したのかを探る歴史探訪になる。氏に依れば、正式に日本国を名乗ったのは、遣隋使、遣唐使で始まる朝鮮半島との交流であり、異文化(もちろん、先方の方が高度で先進的)導入の為でもある。但し、決して友好な関係ではなく、当時の新羅国の弱体を見取り、761年には二万人以上の海軍で攻め立てる計画があったらしい。逆は真で、新羅国の日本への上陸・攻撃もあったらしいが、この後の渤海も含めて、大隣国の中国との軋轢に何とか抗するように、日本の応援が欲しい事情があった様だ。今の日韓中米の関係は多少違って見えるとしても、韓国が中国の脅威に反抗して、日本と手を組むと言う流れは一世紀前から何ら不変である事が分かり、面白い。さて、陸族に有名な源氏、足利があるように、海族にも著名な強者が存在した。伊予国を中心とした越智海賊、その後続である河野海賊、藤原純友と続き、平氏が登場する。そして、平家の栄華は実は日宋貿易によるもの、特に貴重な宋銭輸入が大きかったと氏は述べる。平家が滅びるきっかけは、源氏義経率いる、高々6百人位の船で構成された渡辺党による奇襲であったことは有名な話だ。これに続き壇之浦での水軍同士の激突があり、三浦海賊、熊野海賊等が歴史の表舞台にようやく登場する。その後、鎌倉幕府でその勢力を封じ込められた海賊であるが、南北動乱を経て、1360年頃に有名な海賊大将・村上義弘の登場となる。戦国時代の東海地方にも海賊が存在した。今川氏、武田氏、北条氏と継承されてゆくが、いよいよ豊臣秀吉の代になり、海賊は完全にその命を絶たれる運命となる。その後はご存じのように、徳川の時代になり、より閉鎖社会により安寧を図った江戸時代こそが、実質の海族の消滅であり、その後の欧米諸国との貿易競争に負けた理由でもあったかと思う。