2017年4月24日月曜日

不眠症の人は是非読まれたし


「枕と寝具の科学 (おもしろサイエンス)」:久保田博南氏、五日市哲雄氏を読んでいる。不眠症というよりは、睡眠不足で悩む私にとっては、効率的な睡眠はどうしたら良いか?を探るに丁度良い本だ。前回に「SLEEP」でそのノウハウをたらふく仕込んだが、その実、何故、そうしなければ?のノーホワイはやや欠けていたようにも思える。その点、この本は理屈が豊富で、説得力がある。

章は大きく分けて、睡眠とは何者の前半と、それをベースにした枕を中心とした寝具への展開となる。前半の睡眠は視床下部から命令が出て、メラトニンが放出されることで睡眠が発起される機構と、ヒプノグラム、サーカデイアンリズム、光、冬眠と理論が続く。後半は待望の寝具。まずは必須用品の枕。その歴史は随分と古く、石器時代にも埋葬品としての石枕が存在するので、人間がこれだけ巨大な脳を持ったことによる、必然性を証明している。さる博士は自作品を6つも持っていたというから驚きではあるが、それほど枕は時と場所、あるいは人の体形、性格に依存して選択すべきことが分かる。枕だけではない、布団の選択も重要だ。その肝は体圧分散と本では紹介されている。歴史的には、食物の蒲の葉を乾燥させて敷いていた所から、蒲団の名前の由来がある。一般庶民が寝具として当たり前に使うようになったのは、ほぼ1世紀前にしか過ぎないことも本には紹介されている。布団と現在称する寝具分化こそ、日本独自の進化でもあったようだ。更にはベッドだ。西洋からの輸入物と考えがちだが、日本古代にもベッドは存在し、聖武天皇(700年)の寝台が最古の証明品だ。

ラストはパジャマ。パジャマの効用は安心感にあり、セロトニンの少ない日本人(悲観的と呼ばれている)には打ってつけとか。その他、スマホの就寝前の使用禁止とか、食事制限とかは、前回の「SLEEP」にも記載されてうて、紹介済みだ。冒頭で人間は無理して、1/3程度の睡眠時間に耐えているとの記載があり、これほど多忙で光豊富な時代になった故の順応の証ではあろう。その分、失ったものは、安らぎとか他人に対する思いやりであったりしたならば、平和な社会にするためにも、我々はもっと睡眠時間を確保できるように、生活習慣の見直しをすべき時期なのかもしれないと自戒を含めて、思ったりしている。



2017年4月23日日曜日

CGコレクション 2017.4月販売開始

古い羅針盤の表紙を飾ったCG画像を本に纏めました。


2017(平成29年).04.23書評

先週の評点:
「Tの衝撃」(△):安生正、「なかなか暮れない夏の夕暮れ」(△):江國香織、「文士の遺言 なつかしき作家たちと昭和史」(〇):半藤一利、「ビッグデータという独裁者: 「便利」とひきかえに「自由」を奪う」(◎):デュガン,マルク,ラベ,クリストフ、「超一極集中社会アメリカの暴走」(◎):小林由美、「国際テロリズム:その戦術と実態から抑止まで」(〇):安部川元伸。
フィク4、小説2.安生氏は意外に評点低い。その通りだった。臨場感が細かい自衛隊の上下関係や組織の説明で分断されてしまっている。江國氏は久しぶり。どうだろうか?これって他の書評では高く評価されている作品だが、私は気だるすぎて、且つ、読み難くて、苦手だ。それに比べ、半藤さんの独白的エッセーは昭和の初期段階の息遣いが聞こえてくるようで、楽しい。名だたる文豪たちの日常が見えるようで、今のスマートな作家では出せない色だろう。最後にBDは今回の表題の中心だ。他社との懇親会でこれに触れたら、アマゾンをワンクリックするだけで、我々は皮が一枚めくれているとのコメントが帰ってきた。確かに恐ろしい時代。考えれば、このブログも一部がグーグル様のフリーサイト。不味いよなあ。きっと今頃は、私の履歴書がしっかりと解析。生成されている気がする。困った。
今週のお題:
「ともに読む古典: 中世文学編」:松尾葦江、「枕と寝具の科学 (おもしろサイエンス)」:久保田博、五日市哲雄、「知らなかった、ぼくらの戦争」:ビナード,アーサー、Binard,Arthur、「データブック 格差で読む日本経済」:みずほ総合研究所、「毎日っていいな」:吉本ばなな、「星をつける女」:原宏一、「血」:新堂冬樹。
少し、多めのチョイス。吉本さんの日常には興味あり。ややスケベ根性でチョイス。さて、どうだろうか? 
現況:
桜も散り、穏やかな初夏の香りがすると思ったら、突然の雷雨と猛烈な風。どうも、落ち着かない。本では健全な睡眠の必要性と方法について、十分な知識を与えてくれているが、どうも実践に結びつかない。色々考えることが多いのだと思うが、せめて、就寝時間22-2時の間は死守しようと思っている。その時間帯に目が覚めたら、兎に角じっとベッドの中で息を潜める。そう努力しているが、春眠暁を覚えず状態は日中発生しており、困ったものだ。家人は束の間の休暇で、家事に勤しみ、家内安全だ。やはり、家事と仕事の両立が難しい。何処かでどちらも手を抜かないとやりきれないものだ。愚息は新学期で頑張っているが、これから半年後の受験勉強を考えると、親子ともども遣り切れず、受験終わったら何しよう?なんて、楽天的に考えたりしている。競争は社会には付き物だが、どうも現実的にはシンドイテーマだ。


2017年4月22日土曜日

AI不要の世の中で在りたい 古い羅針盤52章 発売開始

AI不要の世の中で在りたい 古い羅針盤52章 発売開始
AI不要の世の中で在りたい
古い羅針盤52章
●怖いぞ!デスクワークが
●内から見る経済の極み
●マッキンという嫌な言葉
●離婚を男の立場から考える
●RE100をご存じか?
●ロボット課税の真意
●失う知性もあるのか?
●頑張って読み解こう
●価値を考えてみる
●向かう先は同じ
●二兎追う者は?
●当たり前の事が出来ない辛さ
●マスコミの道具変遷を見る
●アストロバイオロジーなる学問を知る
●断捨離という言葉が嫌い
●医療のLCC化が始まった
●コンピューターが好きになる本
●美術館の楽しみ方とは
●イップスという名の病気
●知ってるようでしらない毛のお話
●怪魚を釣れたらと
●AI農業とは如何なるものか
●電話ひとつの思いやり
●つじつま合わせは政治家だけではない
●草花の声を聴く
●犯人探しの愚を憂う
●シーズとニーズから見るAIとは
●決して他人事ではないこと
●あとがき
 本編は筆者ブログ「古い羅針盤」(2017.03月)掲載されたものを纏めたものです。
●引用文献
「座りっぱなしが、あなたの健康を蝕む 本当は怖いデスクワーク」:佐々木さゆり
「わが子に会えない 離婚後に漂流する父親たち」:西牟田靖
「AIが同僚」:日経ビッグデータ
「人体-消化の旅 (ニュートン別冊)」:ムック
「先生、それって「量子」の仕業ですか?」:大関真之
「血圧の科学 (おもしろサイエンス)」:毛利博
「科学者18人にお尋ねします。宇宙には誰かいますか?」:佐藤勝彦
「バグは本当に虫だった-なぜか勇気が湧いてくるパソコン・ネット「100年の夢」ヒストリー91話」:水谷哲也
「新生オルセー美術館」:高橋明也
「イップス―スポーツ選手を悩ます謎の症状に挑む」:石原心
「ITと熟練農家の技で稼ぐ AI農業」:神成淳司
「毛の人類史 なぜ人には毛が必要なのか」:カート・ステン、藤井美佐子
「怪魚を釣る」:著者小塚
「大切な人が病気になったとき、何ができるか考えてみました」:井上由季子
「つじつまを合わせたがる脳」:横澤一彦
「草花たちの静かな誓い」:宮本輝
「ルポ 希望の人びと ここまできた認知症の当事者発信」:生井久美子



国際テロリストとは?



「国際テロリズム:その戦術と実態から抑止まで」:安部川元伸氏を読んでいる。

先日のビッグデータ関連の記事で、このITを巧みに使っているのが、テロリスト達であるとの指摘があったが、それは要を得た指摘だろう。この本を使って、再度その活動や手口、そして抑止策について学んでみたい。章は9に分かれ、1)テロリストの教科書、マニュアル、2)9・11を防げたか、3)航空機テロの脅威、4)西側に対する報復テロ、5)日本攻撃の可能性、6)自爆テロの脅威、7)恐るべきスリーパー、8)資金、9)市民を守る方法が主題だ。1章では180ページに及ぶアルカイダ・ハンドブックの存在を提示し、

秘密隠匿、資金管理、身分証明書の偽造、武器調達、西側のサバイバル方法等が詳しく書かれている様だ。又、新兵士を得る為のリクルート手口や対象(若者で世間から孤立し、都会から離れて居住するもの)もある。本では実際の勧誘事例の紹介もあり、生々しい。2章は9・11に至るテロリストたちの足取りを追う。襲撃計画を立てたマレーシア、そして米国西海岸(ダンデイエゴ)入国・滞在、航空学校への入学等、何度か異常はあったが、見逃した事実が記載されている。3章はテロ活動の組織ぐるみの行動に触れ、如何に航空関係者からテロリストを支援する者を排除するかに言及する。4章は西側のテロ被害の実態、2015年以来、10件で死亡者500名、負傷者2000名。5章は一番関心の高い部分。一応、国内では水際である程度防げるだろうと、氏は語るが、永い潜伏期間を掛けて、東京オリンピックをターゲットにしている可能性は皆無ではないと警鐘を鳴らす等だ。氏は公安調査管理官としてのキャリアが永い。参考になる点が後半にも盛沢山だ。他人事と考えず、自分の身は自分で守る姿勢が大切な世の中である。


2017年4月21日金曜日

相反する日本経済の真実


経済系週刊誌に、現状の日本経済を分かり易く解析したものが掲載されていたので、その一部の紹介と私見を交えたい。国家経済には国民の税金から支えられた国家財政と国民自身の資産の両面を考えてみる必要がある。マイナス面からすれば、日本の国家財政は最悪でGDP230%を超える340兆円。一方で、個人金融資産は1706兆円、民間企業の対外純資産残高340兆円と随分とお金持ちに見える。もう一つは、今後の経済成長の行方だ。少なくとも1956年来からGDP成長率は低下する一方で、人口のピークであった2008年より以前から発生している現象である。逆に言えば、高度成長で貯めた資産を今は食い潰すか否かの境界点に来ているとも言える。国家財政を支えるべき国家収入の源泉であるGDPのベースとなるインフレ2%アップを目標とした、強烈な金融緩和、公共投資増大は結局の所、失敗に終わり、いよいよ、財政破綻の暗雲が立ち込めて始めているというのが、週刊誌の見立てだ。そして、そのきっかけは貯蓄率の低下、赤字の膨張に端を発し、経常収支の赤字、財政赤字の穴埋め不能という経路を経て、国債の外国人の保有率アップ&信用力の低下なる最終段階を通じて、最後には国債価格の下落、政府の資金繰りの行き詰りに至るストーリーだ。もちろん、それが何時かは誰にも答えられないが、少なくとも社会保障制度の破たんは運用利回りが0%であれば、2052年には破綻との計算結果も提示されている。私見ではもっと早く、その警鐘は発令されるようにも思うが、どちらにしても、現行貨幣制度ではいずれ限界が来るのは、永い過去の歴史を見れば分かる事だろう。それが戦争による特需、あるいは貨幣・土地制度の抜本的改革(これは政権転覆に近いか)とか、どちらにせよ、国民にとって劇薬以外の何物でもない政策が行われるはずだ。その時を踏まえ、我々庶民が出来る事は限られてはいるが、健康で且つ賢く、何時でも労働力として社会に寄与できる体力を知力を携えておくことかもしれない。少なくとも、AIやロボットに負けない、何かを自分自身として持っておくことが肝要な時代なのかもしれない。



2017年4月20日木曜日

上位0.1%の閾値


「超一極集中社会アメリカの暴走」:小林由美氏を読んでいる。ビッグデータの横暴・暴走を読んだ後だから、更に、それを後押ししている、米国の超リッチ階層の行動は現実味がある。そして、もうどうしようもない位の所まで、彼らはこの世界を席巻し、支配し、天上に棲み付いて、本来当たるべき太陽の光さえも、一般庶民には届かない感すら抱いてしまうのだ。冒頭の閾値は米国での超富裕層の占める割合で、その平均所得は6億円、だが、更にこれを0.01%に限ったら、所得は29億円に膨れ上がる。まずは0.1%に固定しても、彼らの稼ぐ所得の全所得に対する比率は7.5%。これに匹敵する日本の富裕家の比率は1%。要は、幸か不幸か、日本では米国ほど経済格差が進んでいないとも見える。まずはこれは収入面から見た格差だが、借金の面から見ると、逆な事が生じる。0.1%のリッチ層の占める割合は僅かの1%。逆に下位90%の庶民が80%の借金を背負っているのだ。要は儲ける人々は僅かであり、殆どの米国庶民は膨大な借金に喘いでいるという構図が透けて見えてくるのだ。

前置きはこのぐらいにして、本文の章は2章「高騰する勝ち組へのパスポート」で経済格差が更に教育格差を呼ぶ説明があり、3章「実は復活しているアメリカ製造業」でオイル輸入からシェールガス(オイル)輸出への転換が大きなエポックであることの説明があり、4章「強欲資本主義は死なず」で、金融産業と投資ファンドの癒着とも言える資金の移動メカニズムを解き、5章「シリコンバレーの錬金術師たち」で、先のビッグデータを武器として、暗躍する、エリート達を映し出す。この中で象徴的文章は、「データはモノとは本質的に異なる資産で何回使っても売っても減らないもので、ユーザーから無料で得られたデータが膨大に価値を生み続け、繰り返し売った収益が積み上がり、より寡占的で支配的企業に成長してゆく」はまさに、現代社会の闇を表現した記述だろうと感じる。6章「情報革命が人間を駆逐する」、7章「超一極集中が社会を破壊する」と続き、気持ちは暗澹となり、読まなければ良かったと思うくらいなのだ。8章にそうした近未来の世界でのサバイバルについて、氏は幾つかの提案をしている。それは本を読んで学んでほしい。いずれにせよ、時代は確実に寡占化の方向に進んでいることは確かだ。その大きな潮流の中で、我々個人が生き抜く為の方策として、世の中で起きている事のまずは理解こそが重要だと考えている。